虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

マンガと私(その2:2/2):マンガはイマジネーションの源泉(随想録―13)

マンガと私(その2:2/2):マンガはイマジネーションの源泉(随想録―13) 私が「はてなブログ」を始めて18年、これまで、思い浮かべられる限り、3回ほど、ブログ本文や詩の根拠として、マンガ作品があった。高信太郎のセクシャルな4コママンガ、し…

プーシキンと詩「ロシア語」(Русский Язык)のナンセンス(随想録―8)

プーシキンと詩「ロシア語」(Русский Язык)のナンセンス(随想録―8) プーシキン(Пушкин)はロシアを代表する詩人。ただ、彼の詩は曲者である。「プーシキン詩集」(青磁社)に、以下のような詩がある。: プーシキン(wiki) 復讐心 蜜蜂が熊めのおでこ…

詩経:世界最古の詩集のひとつ~イーリアスと並ぶ古さ

詩経:世界最古の詩集のひとつ~イーリアスと並ぶ古さ @おおばこ、とれとれ おおばこ、とれとれ ちょいと、それ、とった おおばこ、とれとれ ちょいと、それ、あった おおばこ、とれとれ ちょいと、実を拾え おおばこ、とれとれ ちょいと、実をむしれ おお…

私の文章修業:環境問題とPOPと

私の文章修業:環境問題とPOPと 私は、現在「環境問題研究家、詩人、エッセイスト」と名乗っていますが、そう自称するルーツは、大学生時代にありました。東京大学工学部都市工学科・衛生コースに専門が決まり、研究室に入るまでの2年弱、都市工学科助手…

西條八十の詩~天才詩人:ランボーとの比較~色彩感覚

西條八十の詩~天才詩人:ランボーとの比較~色彩感覚 西條八十(さいじょう・やそ)と言えば、群馬県立太田高校の関係者で知らない者はたぶんいないでしょう。太田高校の校歌は、この詩人の歌詞によるもので、「♪止まざる流れ、高き山・・・」と歌い上げる…

「自分探し」をいつまでも続ける者は、大人になれない。

「自分探し」をいつまでも続ける者は、大人になれない。 ある人のコメント欄に書いた私のコメントから、引いて来ます。 ずばり、この詩は「自分探しをし続けたい」という願望の表出だと思います。私の知っている女性、なんども結婚するのですが、その都度離…

人間関係自体をミニマリズムする:その実例3つ

人間関係自体をミニマリズムする:その実例3つ 人間関係のミニマリズムシリーズ(1/2) ある意味、私は人間関係の維持が下手で、折角できた友人や恋人を切り捨ててきたという負の実績があります。それを、これまでは私のミステイクだと思ってきましたが、…

不器用な社会人&生活者&哲学者:セーレン・キルケゴール

不器用な社会人&生活者&哲学者:セーレン・キルケゴール キルケゴール【Sren Kierkegaard】デンマークの思想家。合理主義的なヘーゲル的弁証法に反対し、人生の最深の意味を世界と神、現実と理想、信と知との絶対的対立のうちに見、個的実存を重視、後の実…

空談という井戸端会議:私は「ああした、こうしたブログ」が嫌い

空談という井戸端会議:私は「ああした、こうしたブログ」が嫌い 「空談」と言う言葉はドイツの哲学者:マルティン・ハイデガ-(1889-1976)が発案したものですが、以下のように説明されます。 ドイツの哲学者・ハイデガーが用いる基本概念。語り…

接触性皮膚炎:この夏、私を襲った難病

接触性皮膚炎:この夏、私を襲った難病 今年(2020年)の夏(おもに8月)は体の異常に苦しめられました。内科的病気、泌尿器科的病気、皮膚科的病気、精神的病気(これは失恋ともいう)の4つの病気に苦しめられました。内科的にはある薬の量を半分にし…

ティートリー:もっとも頼りになるエッセンシャルオイル

ティートリー:もっとも頼りになるエッセンシャルオイル 巷における流行り・廃りは、当然の現象です。植物についても、ひとむかし前のハーブ・ブーム、次いで多肉植物ブームがあり、一通り各家庭を巡って終息したようです。今はブームが去っても、しっかり自…

ヒソップ:無名だが由緒あるハーブ~銘酒シャルトリューズの香り

ヒソップ:無名だが由緒あるハーブ~銘酒シャルトリューズの香り 最近は下火になってきた感が強いですが、ハーブ・ブームという流行がありましたね。そこでは、ラベンダー、ローズマリー、ルッコラなどが持て囃されましたが、一歩やや深く踏み込むと、これら…

人名が付いた食べ物:けっこうあるぞ。カルパッチョ、麻婆豆腐・・・

人名が付いた食べ物:けっこうあるぞ。カルパッチョ、麻婆豆腐・・・ 私は助六寿司が大好物です。海苔巻きと稲荷寿司をメインに据えた寿司。この食べ物の名称はたぶん歌舞伎の演目「助六」から来ていると思われます。実際調べてみると助六寿司の「助六」は、…

司馬遷、老子、范蠡・・・中国の特に優れた人々列伝

司馬遷、老子、范蠡・・・中国の特に優れた人々列伝 私は、これまで、「夏」の頃から「唐」の時代くらいまでの、中国の歴史、有名人について学んできましたが、あえて、膨大な人達の中から、5人を選び、ランキング付けしてみました。活動したジャンルは様々…

「太陽を盗んだ男」:沢田研二はやはりスーパースターか?

「太陽を盗んだ男」:沢田研二はやはりスーパースターか? 私が東大マンガクラブにいた頃、気になる女子東大生(理科2類)がいました。美大に行くか、東大にいくか、迷った末、東大を選んだといいます。その彼女がクラブの部誌に書き込むに、長谷川和彦監督…

糒(乾飯・干し飯:ほしいい)を作ってみた~伊勢物語の追体験

糒(乾飯・干し飯:ほしいい)を作ってみた~伊勢物語の追体験 伊勢物語特集 その2糒(ほしいい)は、難しい漢字ですが、分解してみると「備える米」ということになって、非常事態に備えて作っておく米(食糧)であることが解ります。私がこの言葉に初めて…

つひに行く道:在原業平の辞世+100日後に死ぬワニ

つひに行く道:在原業平の辞世+100日後に死ぬワニ 伊勢物語特集 その1 つひに行く 道とはかねて 聞きしかど 昨日今日とは 思はざりしを ・・・これは、古今和歌集、および伊勢物語(125段)に、在原業平(ありわらのなりひら)の辞世の歌として収録…

私の初期詩集:筆ペンによる絵画的な詩

私の初期詩集:筆ペンによる絵画的な詩 私がいつごろから詩を書くようになったかは、はっきり覚えていません。もっとも古い記憶では、東大マンガクラブに在籍していたころ描いたマンガの挿入詩として、ソネット(4・4・3・3の14行詩)のようなものを書…

美しいけど猛毒のキョウチクトウ科の植物たち:鬼の花

美しいけど猛毒のキョウチクトウ科の植物たち:鬼の花 @夾竹桃(キョウチクトウ)のソネット 今日は夾竹桃の幼木を見た。 紅い小粋な花、 細長い葉、 まっすぐな枝。 この枝を取って 箸にしたり バーベキューの串にしたり した人が何人もいたが 多くは絶命…

”ever”と”every”の語源について+愛しの耳毛(みみげ)

”ever”と”every”の語源について+愛しの耳毛(みみげ) この2つの英単語、後者が前者に”y”をつけただけで、よく似ていると、職場のトイレのペーパー・ホルダーに両方並べて書いてあったこともあり、どんなもんだか(無関係かどうか)調べてみました。 ever+…

赤城山の表情集成~これまでの写真と句から~

赤城山の表情集成~これまでの写真と句から~ 作家で登山家の深田久弥は、「日本人はだれでも、心の山を持っている」(『日本百名山』)と語っていましたが、私にとって、それは赤城山です。これまで、散歩の度に見ていた赤城山について、まとめてみようと思…

公害とは、物質の偏在だ:学生の頃の私の見解

公害とは、物質の偏在だ:学生の頃の私の見解 私が学んだ東京大学工学部都市工学科・衛生コースは、主として水問題が専門であり、学ぶ気が大きければ大きいほど、多くの講座を取れる場でした。本来、上下水道を扱うので、土木工学は必要でしたし、水を綺麗に…

ラ・フォンテーヌと鹿島茂:売れっ子仏文学者の実際

ラ・フォンテーヌと鹿島茂:売れっ子仏文学者の実際 ラ・フォンテーヌは中世フランスの詩人。その、イソップ物語に想を得た寓話集は、お色気たっぷりな小話集と並んで、今でもフランス人の必須の教養になっているようです。おおむねこんな人です。 ジャン・…

サカキ・ナナオの詩集“Real play”:私の師たる大詩人

サカキ・ナナオの詩集“Real play”:私の師たる大詩人 春風献上!! 「サカキ・ナナオ」あるいは「ナナオ・サカキ」と言っても、知らない人が多いでしょう。この人は世界を我が庭とみなし、世界中を放浪して世界と対峙する作業を続けた人です。もちろん詩は日…

私にとっての俳句:スナップショットとしての詩

私にとっての俳句:スナップショットとしての詩 私の作る詩の多くは俳句になります。30年前に俳句を書き始めたころはいわゆる自由律俳句を捻っていましたが、ここ数年は5・7・5の定型俳句を旨としています。でも、私は「定型・有季の俳句」について複雑…

「金太郎アメ」:私が描いた漫画(3):ちょっと恥ずかしいけど

「金太郎アメ」:私が描いた漫画(3):ちょっと恥ずかしいけど 私はマンガクラブに1年ばかり在籍し、4編のマンガを描きましたが、そのうち2作目を公開しようと思います。ただしこの作品、描いた私自身の評価が4編中最低で、恥ずかしいのですが、それでも一…

マンドリン:萩原朔太郎が愛したユニークな音色

マンドリン:萩原朔太郎が愛したユニークな音色 無頼な詩人:萩原朔太郎(はぎわら・さくたろう)という人は、マンドリンをこよなく愛し奏で、よく酒を呑み、詩を練ったというお話が有名です。ただ私はこの詩人がいまいち好きではないので、マンドリンも「坊…

人名用漢字(人名に使える漢字):良いのか?こんな漢字を使って!

人名用漢字(人名に使える漢字):良いのか?こんな漢字を使って! 女性の名前で「りさ」と読む漢字2文字は結構あります。「理沙」「理紗」「理佐」「里沙」「梨沙」などなど、沢山あります。ではと、「利差」という女性の漢字があるか、考えてみますと、「…

「ねじ式」:私が描いたマンガ(その2):『白鯨』と中原中也による霊感

「ねじ式」:私が描いたマンガ(その2):『白鯨』と中原中也による霊感 このマンガは、私がマンガクラブに在籍していた1年余りで描いた4編のマンガの第3作目です。(1979年秋・作)この作品は、落語でいう三題噺(さんだいばなし)に則り、「ネジ、…

源実朝:しいたげられた鎌倉幕府3代将軍の私歌集

源実朝:しいたげられた鎌倉幕府3代将軍の私歌集 鎌倉幕府3代将軍、源実朝(みなもとのさねとも:1192-1219)は、姻族の北条氏に政治の実権を握られ、不遇でしたが、精神世界では歌人として優れた才能を発揮し、後世に残る歌人ぶりを残しました。私…