教育
「母の胎内にいたときはどうだったか?」:禅の悟りとその自得(随想録―86) 中国・唐代の禅僧:潙山霊佑(いざん・れいゆう)は、「言葉」を精密に用いて人を導くプロフェッショナルな禅僧だったが、たまには人を突き放して導くことがあった。潙山の師は…
「ドクターG」である軍医と防衛医科大学校(随想録―43) 私は、受験生の頃、複数の医学部(3校)を受験したが、1校だけ落ち、防衛医科大学校の場合学科試験に合格し、あとは裸にされ、睾丸(こうがん)を調べられるという2次試験を受ける気がせず、それ…
ハムレット(シェイクスピア4大悲劇の1つ)は駄作だ。(随想録―32) 私が大学に入学したとき、英語の授業で「ハムレット」を学習した。シェイクスピアの悲劇のなかでも特に有名で、「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ」という有名な言葉で知られる…
「動画」全盛時代の盲点(随想録―28) 以前、知り合いに電話したところ、「ユーチューブ」上にあった動画(3歳児が初めてダンスを踊った映像)が見られなくなった、と嘆いていた。たぶん、彼はこの動画を繰り返し何度も視聴したのだろう。ちなみに彼は「…
1人の粗暴犯の逃走は災害並みのインパクトを持つ(随想録―26) 思い返せば、2019年5月、6月は公然と粗暴な犯罪を犯す人物が輩出して、いかにも物騒な世の中になった観があります。神奈川県川崎市で、スクールバスを待つ小学生とその保護者たちを柳…
『魔入りました!入間くん』(マンガ、アニメ)の魅力(随想録―20) アニメは、NHK・Eテレで断続的に放映されている。教育的かどうかは解らぬが。設定がスゴイ。まさしく悪魔のような両親に振り回されたあげく、大悪魔:サリバンに売り渡された主人公:鈴…
「鉢の木」とギリシャ神話:物語の構造一致の例 明けましておめでとうございます。↓年賀状です。「五足」という印は、私の雅号です。 小学生のころ、以下のようなお話を聞かされた人も多いと思います。ある大雪のふる夕暮れ、佐野の里の外れにあるあばら家に…
大学を遊ぶ・大学で遊ぶ・大学で学ぶ:どう違う?これらの態度。 私は、「大学を遊ぶ」つもりで大学生活(特に専門が決まってからの生活)を送りました。この「を」が重要な言葉です。大学はレジャーランドだと言われた時期があり、それは概ね私が大学にいた…
園芸療法とその展望:私の友人が期せずしてお世話になったこと。 「園芸療法」という言葉をご存じでしょうか。「療法」というからには、医療効果のあるメソッドのように思えますが、実際そうなのです。この療法が確立されたアメリカでは、「園芸療法士」とい…
知を楽しむから「ニセ学生」:単位にならなくても聴講する むかし、今東光(こん・とうこう1896-1977)という男がいました。職業は、小説家・僧侶・政治家(自民党、参議院議員)。多才な人です。かの瀬戸内寂聴(俗名:瀬戸内晴美)を出家させた張…
釈迦(シャカ)の頭はパンチではなくウンチだった:仏教の盲点 この前、「ウンチを頭に乗せた人物の絵」を描き、案外好評だったことを受け、釈迦の頭のイボイボはなんなのかと考えてみました。 iirei.hatenablog.com これは正式には「螺髪:らはつ」と言い、…
恋の行方は?:2020年7月4日の易経占いと「物語の構造」 昨2020年は、私にとって、特に恋愛に関して忘れられない年でした。某女性ブロガー(Jさんとしておきます)と、熱い関係になり、逢ってみたいという私と、関係はネット上だけで、というJさ…
「自分探し」をいつまでも続ける者は、大人になれない。 ある人のコメント欄に書いた私のコメントから、引いて来ます。 ずばり、この詩は「自分探しをし続けたい」という願望の表出だと思います。私の知っている女性、なんども結婚するのですが、その都度離…
孔子の学問の本質は「礼」である:葬式ごっこを好んだ彼。 二週間ぶりのエントリーです。 中国哲学と言えば、真っ先に「孔子」、また彼の言動を記した「論語」が思い浮かべられます。「論語」について、「宇宙第一の書」という言う人もあり、いかに彼の評価…
モーツァルトとベートーベンの徹底比較:神童VS楽聖 この2人の作曲家は、ヨーロッパ音楽の最高峰に位する人たちであり、それでも持ち味は正反対とも言えるほど違うので、どんなものだか考えてみました。 ウォルフガング・アマデウス・モーツァルトは175…
『誰も知らない世界のことわざ』:興味深い絵本+口上 こんなことわざがあります:「あなたのレバーをいただきます。」・・・いつか拙ブログで取り上げた青春小説『君の膵臓をたべたい』によく似た表現。これはFARSI(ペルシャ語)のことわざで、一種の愛情…
私はゴミ?:ゴミ談義あれこれ 学生のころ、私は環境問題、特に水問題に取り組んでいました。専門がそうだったし、市民運動家としても、水の汚染に関する問題には積極的に取り組んでいました。当時汚染度が日本一だった千葉県:手賀沼(柏市や我孫子市の生活…
空海と理趣経(りしゅきょう):その無意味性~コイツは馬鹿だ 初めに:私は無宗教です。もし死んだら、葬式はせずに、県内の国立大学医学部に遺体を提供し、研究用に解剖してもらい、あとは共同遺骨置き場に置いてもらう:「献体」の契約をしています。私は…
「ゆとり教育」と「新自由主義」:何が教育を殺す? 私が小学生のころ、夏休みに地域の小学生が集って、写生大会が催されたことがあります。私は写生が好き、また得意で、会場に生えていた松の樹を丁寧に描きました。さて、各自の作品の品評会になったとき、…
自画像は自己愛(ナルシシズム)の産物か?:私の場合。 表題の疑問、確かにそうかも知れません。一般的に人は画家ではないために、その自己愛の表現として画家に肖像画を依頼するのではないでしょうか。 私の自画像1 ここに、画家が自画像を描く場合、必須…
渋沢栄一の正体:体制べったりのうさんくさい奴 渋沢栄一・・・私は、この人、どうにも胡散臭い(うさんくさい)人であるというイメージを抱いていました。実際どうなのか、調べてみました。まずは広辞苑第六版より。実業家。青淵と号。武州血洗島村(埼玉県…
素晴らしい出会い:拙著『水って、なあに?』を通じての。 私が以前書いた「水って、なあに?」のバックナンバー6話がブログ化してありますので、URLを書きますね。私が自然食の八百屋チェーンでバイトしていたころそのグループの機関紙「人間家族」に連…
横文字単語の使用の実際:使用する心理 以前私は、工学部が「how」:(どのように)を扱う学部であるなら、理学部は「why」:(どうして)を扱うと、拙ブログで書いたことがありますが、この表現に噛み付いてきた人がいます。曰く「これらの言葉(how、why)…
東大話法の「利点」:みみっちい論者の陥る言論の特徴 東日本大震災における福島第一原発の惨事を受け、東大の関係者が発言した体制寄りの論理について、一定の特徴を見出した安冨歩さん(東大東洋文化研究所教授)は、帰納した特徴のことを「東大話法」と名…
ソクラテスと産婆術:宗教家より宗教的な哲学者 ソクラテス(wiki) さん ばじゅつ[3]【産婆術】 〔ギリシャmaieutikē〕 ソクラテスの問答法のこと。自らは積極的なロゴスを産み得ないが、対話によって相手のロゴスの産出を手伝い、また産まれたロゴス…
オープン・ダイアローグと映画『タンポポ』:依頼者との本気の対話 むかし、『タンポポ』という伊丹十三監督の映画がありました。流行らないラーメン屋を立て直すため、ラーメン通の男性の面々が、寄ってたかって女性店長(宮本信子:演じる)を指導し、盛り…
悪意(malice)に満ちた童話:グリム童話の削除された話たち かれこれ40年ほど前、女性ライターが2人、共同名義(桐生操)で、『本当は恐ろしいグリム童話』というエッセイ(ないし童話の集成)を書いたことがあり、そこでは、『白雪姫』や『赤ずきん』な…
8050問題:現代の世相はここまで来た!:川崎の惨劇 「8050(はちまるごおまる)問題」。この問題は、現代日本の抱える深刻な問題の一つです。この4桁の数字は、80=80代の老人、50=50代の中年を意味しますが、普通は80代の老人の介護に…
『アセビは羊を中毒死させる 樹木の個性と生き残り戦略』(書評) 植物に関心があっても、樹木について知ることがあまりない人は多分多いと思います。私も、ハーブや野菜、野草への関心は高いですが、樹木についてはイマイチです。ただ、私が4半世紀ほど前…
『ミニマムで学ぶフランス語のことわざ』:ことわざは普遍的? 私は理科系として大学に入学しましたが、理科系に失望し、第二外国語はドイツ語でしたが、第三外国語としてフランス語を取り、実際に仏文科に行けるような成績だったですが、思うところあり、結…