虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

マンドリン:萩原朔太郎が愛したユニークな音色

マンドリン萩原朔太郎が愛したユニークな音色

無頼な詩人:萩原朔太郎(はぎわら・さくたろう)という人は、マンドリンをこよなく愛し奏で、よく酒を呑み、詩を練ったというお話が有名です。ただ私はこの詩人がいまいち好きではないので、マンドリンも「坊主憎けりゃ袈裟まで憎し」の伝で、どうせ詰まらん楽器だろうと思っていましたが、気分一新、マンドリンでいろいろなジャンルの曲を演奏したCDを図書館から借りて聴いてみました。


その結果、案外演奏が面白く、マンドリンも素晴らしい楽器だと思うようになりました。



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ナポリマンドリン


マンドリン(英: Mandolin、独・仏: Mandoline、伊: Mandolino)は、イタリア発祥の撥弦楽器
現在、もっとも一般的にみられるのは17世紀中頃に登場したナポリマンドリンから発展したもので弦はスチール製の8弦4コース、調弦はヴァイオリンと同じく低い方からG-D-A-E。ただしヴァイオリンと違って指板にはフレットがあり、弓ではなくピックを使って演奏する。
撥弦楽器であるマンドリンはギターと同じく持続音が出せない楽器である。この問題は高音においてギターより大きな問題となり、その結果、持続音を模したトレモロ奏法が使われる。その他の奏法には、アルペジオ、ピッツィカート、ハーモニクスなどがある。
19世紀末にアメリカ合衆国で派生したフラットマンドリンは、ブルーグラス、カントリーなどの音楽ジャンルで、フィドルバンジョーなどとともに使用されることが多い。


(・・・中略・・・)
イタリア起源の、リュートから派生したものは「マンドリン」、スペイン・ポルトガル起源の、ギター(ヴィエラ)から派生したフラットタイプのものは(南米でもよく使用される)「バンドリン」と呼ばれるが、奏法は同じで、音もよく似ている。

(wiki マンドリン:画像も)


リュートといえば、これはやはりギターに近縁の楽器でもあり(リュートのために作曲された楽曲には、ギター用に編みなおされたものもあります)、リュート由来のマンドリンとの類似点を強く感じます。また、ギター曲「アルハンブラの思い出」で特徴的なトレモロ奏法が、マンドリンにおいては「普通」の奏法なのですね。


マンドリンのために書かれた曲は、少な目ですが、ヴィヴァルディの「マンドリン協奏曲ハ長調」や、ベートーヴェンの「ソナチネ ハ長調 W0044a」などはビッグネームの作品で、それくらいの魅力はマンドリンが持ち合わせているのでしょう。


https://youtu.be/9KWo59tqKbI

  :マンドリン協奏曲ハ長調、第一楽章

https://youtu.be/BFkUb7nDQqE

  :ソナチネ ハ長調



特記したいのは萩原朔太郎の作曲した曲があること。


『機織る乙女』(はたおるおとめ)は、萩原朔太郎が作曲したマンドリン独奏曲。英題は A Weaving Girl。1960年(昭和35年)11月7日に、朔太郎直弟子の藤沢林太郎によって群馬会館にて初演された。

(wiki 機織る乙女 )↓

https://youtu.be/IPWppPHFEds



今日のひと言:マンドリンは実にポテンシャルの高い楽器だと思いました。萩原朔太郎が没入したのも解る気がします。彼の場合、ちょっと湿っぽいイメージが詩にも付き纏っていますが。
 



楽器は東へ西へ 琵琶とマンドリン

楽器は東へ西へ 琵琶とマンドリン

Mandolin Plays Cinema マンドリンによるイタリアンシネマ名曲集

Mandolin Plays Cinema マンドリンによるイタリアンシネマ名曲集

萩原朔太郎 (ちくま学芸文庫)

萩原朔太郎 (ちくま学芸文庫)




今日の一品


@ナス田楽


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弟作。ナスを串に刺しやすくカットし、味噌、砂糖(少々)、小麦粉、すりごま、七味唐辛子でオーブントースター180度、17分くらい焼きました。ナスがジューシーで美味しい。

 (2019.07.17)



ジンギスカン焼き


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弟作。フライパンにオイルを敷き、ラム肉、もやし、ピーマンを炒め、ジンギスカンのタレで味付け。案外もやしが美味しいです。

 (2019.07.18)



@切れ込み入りキュウリの韓国風和え物


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弟作。本来「叩く」キュウリ、難しいので「切れ込み」を入れました。タレは韓国風ドレッシング。

 (2019.07.19)





今日の六句


体育館
空気を揺らす
竹刀(しない)かな



中学校の前を通って、聞こえてきた剣道の練習音。

 (2019.07.19)



文月に
蒔いたる小豆
芽が揃う


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 (2019.07.20)



海の果て
ミドリヘビなり
クズのつる


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野草:クズは、アメリカに進出し、グリーン・スネイクと恐れられています。最悪の外来生物なのです。

 (2019.07.20)



飄々と(ひょうひょうと)
咲きたるキノコ
狂言師


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狂言師野村萬斎さんを意識しました。

 (2019.07.20)



この夏も
山滴る
カジ林


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山滴る:やましたたる」は夏の季語です。カジは梶の木

 (2019.07.20)



雨に濡れ
ホワイトヴェール
蜘蛛(くも)の糸


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この巣がついていたのはアオキノキ。

 (2019.07.22)