虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

ユダヤの総督 (アナトール・フランス著)和訳:(2)承

ユダヤの総督 (アナトール・フランス著)和訳:(2)承 アナトール・フランスの逸話:彼はあるとき、フランス中世の文豪:ラブレエについての連続講演をしましたが、日一日聴衆が減っていき、最後にはだれも来なくなりました。でも彼は腐らず最後まで虚空…

ユダヤの総督 (アナトール・フランス著)和訳:(1)起

ユダヤの総督 (アナトール・フランス著)和訳:(1)起 この翻訳は、私が大学2年目に、フランス語を始めて、4か月後に行ったものです。著者のアナトール・フランス(1844-1924)には、キリスト教の虚妄を鋭く突く作品群に光るものがあり、ロー…

ベルギーで一部のコインが廃止らしい:愚挙!!

ベルギーで一部のコインが廃止らしい:愚挙!! ベルギーでは近い将来、最小通貨の1セントおよび2セントコインを廃止することを決定した。買い物などで端数が生じる場合は今後、1ユーロ2セントの場合は1ユーロと計算され、1ユーロ3セントの場合は1ユーロ5セ…

「ゆとり教育」と「新自由主義」:何が教育を殺す?

「ゆとり教育」と「新自由主義」:何が教育を殺す? 私が小学生のころ、夏休みに地域の小学生が集って、写生大会が催されたことがあります。私は写生が好き、また得意で、会場に生えていた松の樹を丁寧に描きました。さて、各自の作品の品評会になったとき、…

自画像は自己愛(ナルシシズム)の産物か?:私の場合。

自画像は自己愛(ナルシシズム)の産物か?:私の場合。 表題の疑問、確かにそうかも知れません。一般的に人は画家ではないために、その自己愛の表現として画家に肖像画を依頼するのではないでしょうか。 私の自画像1 ここに、画家が自画像を描く場合、必須…

渋沢栄一の正体:体制べったりのうさんくさい奴

渋沢栄一の正体:体制べったりのうさんくさい奴 渋沢栄一・・・私は、この人、どうにも胡散臭い(うさんくさい)人であるというイメージを抱いていました。実際どうなのか、調べてみました。まずは広辞苑第六版より。実業家。青淵と号。武州血洗島村(埼玉県…

大豆と方波見(カタバミ):葉を夜下げる点が似ている

大豆と方波見(カタバミ):葉を夜下げる点が似ている マメ科のクローバーとカタバミ科のカタバミには、大きな共通点があります。葉がおおむね3枚で(たまに幸運を意味する4枚になることとか)、夜になると葉が降下し、休眠するかのような状態になる点が、…

ラ・フォンテーヌと鹿島茂:売れっ子仏文学者の実際

ラ・フォンテーヌと鹿島茂:売れっ子仏文学者の実際 ラ・フォンテーヌは中世フランスの詩人。その、イソップ物語に想を得た寓話集は、お色気たっぷりな小話集と並んで、今でもフランス人の必須の教養になっているようです。おおむねこんな人です。 ジャン・…

素晴らしい出会い:拙著『水って、なあに?』を通じての。

素晴らしい出会い:拙著『水って、なあに?』を通じての。 私が以前書いた「水って、なあに?」のバックナンバー6話がブログ化してありますので、URLを書きますね。私が自然食の八百屋チェーンでバイトしていたころそのグループの機関紙「人間家族」に連…

ユリ目植物とキジカクシ目植物:えーい、紛らわしい呼称変更!

ユリ目植物とキジカクシ目植物:えーい、紛らわしい呼称変更! ひとむかし前だったなら、植物の分類は見た目で決められ簡単でした。主に花の形で決められていたのです。アブラナ科植物なら「十文字花科」とか。(花びらが4枚で、十字の形をしていたので。)…

ワレサ連帯議長の見た日本:特殊な資本主義

ワレサ連帯議長の見た日本:特殊な資本主義 東欧諸国は、ソ連(現:ロシア)の圧政の元に置かれ、労働・生活面で不如意でした。国の指導者は、ソ連の顔色をうかがい、返って国民には過酷でした。そんな中でも、特に歴史的にも大国の意向に翻弄されてきたのが…

ブールデルとマイヨール:彫刻あれこれ(2)男性美・女性美

ブールデルとマイヨール:彫刻あれこれ(2)男性美・女性美 この2人の彫刻家は、中学や高校の美術の教科書で紹介されていたと記憶しています。 アントワーヌ・ブールデルはフランスの彫刻家。(1861-1929)「弓をひくヘラクレス」で名高い彫刻家…

横文字単語の使用の実際:使用する心理

横文字単語の使用の実際:使用する心理 以前私は、工学部が「how」:(どのように)を扱う学部であるなら、理学部は「why」:(どうして)を扱うと、拙ブログで書いたことがありますが、この表現に噛み付いてきた人がいます。曰く「これらの言葉(how、why)…

「We has a Robots」:テクノポップの始祖=クラフトワーク

「We has a Robots」:テクノポップの始祖=クラフトワーク ドイツのロックバンド:クラフトワークは、一世を風靡した「テクノポップ」の創始者たちで、日本のYMOやイギリスのOMID(オーケストラル・マヌーバーズ・イン・ザ・ダーク)のような追随者を多数生…

酒粕(さけかす)の知られざる実力:レアーチーズケーキ超え

酒粕(さけかす)の知られざる実力:レアーチーズケーキ超え むかし、むかし、一人暮らしの私がこよなく日本酒を愛していた頃(1985年当時)、酒粕(さけかす)も偏愛し、酒粕のみを食卓に上げたことがあります。なんとその時、「私は酔っ払い」ました。…

サカキ・ナナオの詩集“Real play”:私の師たる大詩人

サカキ・ナナオの詩集“Real play”:私の師たる大詩人 春風献上!! 「サカキ・ナナオ」あるいは「ナナオ・サカキ」と言っても、知らない人が多いでしょう。この人は世界を我が庭とみなし、世界中を放浪して世界と対峙する作業を続けた人です。もちろん詩は日…

「水没」の「没」の字の語源(なんだか不吉。)その他2語

「水没」の「没」の字の語源(なんだか不吉。)その他2語 2019年9月、10月に日本を襲った台風15号、台風19号、さらには集中豪雨のトリプルパンチで、千葉県、長野県、福島県、宮城県には特に甚大な被害が出ました。これらの地域で共通した災害は…

中国医学における葛根と牡蠣:なぜ代替品がないか?

中国医学における葛根と牡蠣:なぜ代替品がないか? この両者とも、中国医学の薬種として不可欠なものですが、葛根(カッコン:クズの根)が含む薬用成分のデンプンは、デンプンを含むほかの植物、たとえば片栗粉の代用品のジャガイモデンプン、小麦粉などな…

キリスト教の祝祭日:ハロウィンは除外される

キリスト教の祝祭日:ハロウィンは除外される 昨今の日本人は、キリスト教徒でもないのに、やたらその祝祭日で騒いだり、恋したり、と浮かれる傾向があります。2018年・渋谷におけるハロウィンの騒乱などはその最たるものです。でも、本来のキリスト教に…

東大話法の「利点」:みみっちい論者の陥る言論の特徴

東大話法の「利点」:みみっちい論者の陥る言論の特徴 東日本大震災における福島第一原発の惨事を受け、東大の関係者が発言した体制寄りの論理について、一定の特徴を見出した安冨歩さん(東大東洋文化研究所教授)は、帰納した特徴のことを「東大話法」と名…

平知盛・最期の言葉「見るべき程の事をば見つ」

平知盛・最期の言葉「見るべき程の事をば見つ」 自害にあたり、知盛は碇を担いだとも、鎧を二枚着てそれを錘にし、「見るべき程の事をば見つ。今はただ自害せん」と言い残して入水したとも言われている。共に入水後遺体となるか、あるいは生きたまま浮かび上…

私にとっての俳句:スナップショットとしての詩

私にとっての俳句:スナップショットとしての詩 私の作る詩の多くは俳句になります。30年前に俳句を書き始めたころはいわゆる自由律俳句を捻っていましたが、ここ数年は5・7・5の定型俳句を旨としています。でも、私は「定型・有季の俳句」について複雑…

ゲンノショウコ(現の証拠)の薬としての多様性:素晴らしい「副作用」

ゲンノショウコ(現の証拠)の薬としての多様性:素晴らしい「副作用」 私はここ数年来、朝の頃襲ってくる激しい下痢に悩んでいて、ヨーグルト、ビオフェルミンSなどの乳酸菌とか、消化器科で処方された神経性下痢抑制剤など、いろいろ試してみましたが、ど…

倉多江美の『エスの解放』:恐るべき心理劇(マンガ)

倉多江美の『エスの解放』:恐るべき心理劇(マンガ) 私が東大マンガクラブにいた頃は、少女マンガの全盛期で、少年マンガを読む者は、除け者扱いされる雰囲気がありました。実際、梶原一騎に代表されるスポ根マンガは嘲笑の対象になったものです。私もその…

真に謙虚な者は傷つくという傲慢さがない:キリスト教の言葉?

真に謙虚な者は傷つくという傲慢さがない:キリスト教の言葉? これはある女性から伺った言葉ですが、一聴、意味が取りにくかったです。この女性はキリスト教の信者らしかったので(日系ブラジル人)、その線の言葉かと思いました。(すなわち聖書起源) 表…

酸性雨とアルミニウム:ホントは怖いこの元素

酸性雨とアルミニウム:ホントは怖いこの元素 アルミニウムは原子番号13の金属元素、軽くて丈夫なので、チタン合金、ジュラルミン合金として、いろいろな工業製品に使われます。軍事利用も多いですね。この金属、発見・単離されたころは、「光輝く」と言っ…

『今昔物語集』:芥川龍之介が発掘したリアリスティックな説話文学

『今昔物語集』:芥川龍之介が発掘したリアリスティックな説話文学 芥川龍之介は、彼の文壇デビュー作として、『芋粥』(もしくは『鼻』:どっちだったか忘れてしまいました)をものし、この短編は夏目漱石に激賞され、「こんな作品を1ダースも書けば、文壇…

言葉2題:「目障り:目ざわり」&「茶化す」「お茶の子さいさい」

言葉2題:「目障り:目ざわり」&「茶化す」「お茶の子さいさい」 今日は、「目障り:めざわり」など、五感上不快な意味を持つ言葉について考えてみようと思います。後半は「お茶」に関する話題です。 目・耳・鼻・口・皮膚などの五感について、「さわり」…

油団(ゆとん、ゆたん)の優雅:和紙の応用の多様さ

油団(ゆとん、ゆたん)の優雅:和紙の応用の多様さ 2019年8月13日、テレビ朝日系のスーパーJチャンネルで取り上げられていたこの物体、和紙の用途の広さを物語るものでした。どういったものかをwikiで引いてみると、 油団(ゆとん、ゆたん)は、日本…

ヘルマフロディトス:アンドロギュヌス(両性具有)の周辺

*ヘルマフロディトス:アンドロギュヌス(両性具有)の周辺 この神は、ギリシャ神話の夥しい説話のなかでも、興味深いものの一つです。ヘルメス(商業、情報、泥棒の神)とアフロディーテ(愛、美の女神)の間に生まれた子で、大変な美少年だったと言います…