虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

日本を観光立国に!〜木村尚三郎教授の立場

私が東大教養課程の学生だったころ、一般教養ということで理科系学生は文科系の講義を、文科系学生は理科系の講義を自由に受けられたのですが、その中でも木村尚三郎教授のヨーロッパを話の中核に据えた講義は極めて興味深く、確か「文明の発達と停滞は、そ…

ジャック・イベールのフルート協奏曲:フルートは魅力的な楽器

私はいわゆる協奏曲にフツフツと興味が湧き、図書館からいろいろなCDを借りて聴いてみました。協奏曲というのは「concerto:イタリア語、ピアノ・バイオリン・チェロなど独奏楽器と管弦楽とが合奏する交響的楽曲で、独奏楽器の能力が充分発揮されるように作…

カミソリで樹を伐る男(詩)

その男、一抱え30mほどはある 樫の樹を伐ろうと思いたった 手にしているのは鋭利なカミソリ。 だが如何せん、相手は巨木、 なかなか伐れない。 男は40年かけて 3cmほど幹を 伐ることしか 出来なかった。 男は、以後の作業を 神聖な義務だとして カミ…

「(株)貧困大国アメリカ」(書評):超格差社会アメリカの今

この本は「ルポ貧困大国アメリカ」で一躍名を挙げた「堤未果」さんの近著(2013年6月)です。豊富な話題で、現在の病める大国アメリカの現状と、アメリカの影響を受ける世界の諸国の例が頻繁に取り上げられます。 結論から言ってしまうと、市場原理主義…

「母をたずねて三千里」:マルコの旅の長さは偽りなし

「アニメで読む世界史」特集その2(完) テレビで放映された世界名作シリーズの一つである「母をたずねて三千里」は、もちろん、主人公のイタリア人・マルコ少年が大西洋をはるばる渡って、アルゼンチンまで行き、めでたく母と再会するというドラマ性たっぷ…

「フランダースの犬」:ネロはルーベンスになれたか

「アニメで読む世界史」特集その1 以前、「アルプスの少女ハイジ」を取り上げた際、表題の本があるという情報を掴み、図書館の相互貸借を利用して借りてみました。「アニメで読む世界史」(藤川隆男・編:山川出版社:2011初版:本体1500円+税)で…