童話
ラ・フォンテーヌと鹿島茂:売れっ子仏文学者の実際 ラ・フォンテーヌは中世フランスの詩人。その、イソップ物語に想を得た寓話集は、お色気たっぷりな小話集と並んで、今でもフランス人の必須の教養になっているようです。おおむねこんな人です。 ジャン・…
『今昔物語集』:芥川龍之介が発掘したリアリスティックな説話文学 芥川龍之介は、彼の文壇デビュー作として、『芋粥』(もしくは『鼻』:どっちだったか忘れてしまいました)をものし、この短編は夏目漱石に激賞され、「こんな作品を1ダースも書けば、文壇…
悪意(malice)に満ちた童話:グリム童話の削除された話たち かれこれ40年ほど前、女性ライターが2人、共同名義(桐生操)で、『本当は恐ろしいグリム童話』というエッセイ(ないし童話の集成)を書いたことがあり、そこでは、『白雪姫』や『赤ずきん』な…
『杜子春』(芥川龍之介)と地獄:仏教を受容する中国文明 芥川龍之介は、才能のカタマリのような人で、大人向きの思わず唸るような小説、箴言、詩歌などを世に出しています。その彼はまた、優れた童話もものしています。『杜子春』、『蜘蛛の糸』、『トロッ…