虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

2007-01-01から1年間の記事一覧

何故、イギリス人は自らを「ジョン・ブル」と呼ぶか

*何故、イギリス人は自らを「ジョン・ブル」と呼ぶか 徴兵(リクルート)するジョン・ブル→ ニックネームを持った国がいくつかありますが、もっとも有名なのがイギリスの「ジョン・ブル(John bull)」でしょう。 『一般的なジョン・ブルは背の低い…

拝啓、名市長・獅山向洋さま

はじめてお便りいたします。不明にして、私は12月26日まで、あなたのことを存知あげませんでした。この日、「バカ」裁判の大阪高裁の判決が出て、あなたの勝訴になりました。滋賀県彦根市の職員の飲酒運転の報告の義務付けを不問に付す決定をしたあなたに…

仁義礼智信・忠孝悌――古代中国の徳目

ちょっと変わったお話として、古代中国の道徳徳目について書いてみようと思います。普通、「徳」とか「仁義」とかいう言葉を思い浮かべる人は多いでしょう。ただ、カビの生えた、ヤクザの使いそうな概念である、との連想もあるでしょう。中島敦の「弟子」に…

土地の文明(レヴュー:書評)

私は東京大学・都市工学科の出身で、環境問題を専攻していたので、環境破壊を推し進める立場の土木工学科や建築工学科を忌み嫌っていました。そんな立場の私の目を引いたのが本書です。2005年上梓。 「土地の文明・地形とデータで日本の都市の謎を解く」…

自分をほめてあげたい文章〜〜麻原彰晃と藤村新一

以下の2つの文章は、今はなき月刊誌「噂の真相」に投稿してボツになったものです。ただ、この2つ、埋もれさせるには惜しいので、ここで発表することにします。西暦2000年くらいに書きました。 1)麻原彰晃の合理的処刑法 森下礼(詩人) この男を死刑…

新世紀エヴァンゲリオンの最終回     

10年ほど前に放映された「新世紀エヴァンゲリオン」の最終回には賛否両論あり、また2つも結末があるので、視聴者からは不評でした。 一つは、「夢落ち」で、この物語全体を主人公・碇シンジの妄想に転嫁してしまう、という落ちで、なるほどこれは考えもの…

翻訳者・アーサー・ウェイリー

翻訳者・アーサー・ウェイリー アーサー・ウェイリー(1889−1966) この男、中国にも日本にも来ないで 「源氏物語」とか「老子」 などを 本物の英語に訳した翻訳家・詩人だ。 彼の語学習得法の極意を知りたくて、 紐解いている本には、その記述がな…

私は、ワーグナーが嫌いだ!

*1196893493*私は、ワーグナーが嫌いだ! 世に、作曲家リヒャルト・ワーグナー(Richart Wagner)を崇拝する人がいるらしく、そんな人のことをワグネリアンと呼ぶそうですが、私は崇拝する人の気が知れません。ワグネリアンであると公言した人、例えば、ボード…

中国・大芬村(だいふんむら)は、偽造絵画のメッカである

*1196653683*中国・大芬村(だいふんむら)は、偽造絵画のメッカである 11月27日だったろうか、TV朝日のイブニングニュースで、中国深圳市(しんせんし)龍崗区にあるアーティスト村のことが報道されていた。それによると、「画工」が流れ作業式に、西洋…

老子と「無為自然」

*老子と「無為自然」 (以下、MIXI上の私のページに手を加えました。少し自信がない内容です。) 私は老荘思想が好きですが、老子、荘子が好きだと言っている人には、実際原典を読んでいないことも多いように思います。「無為自然」という言葉は有名です…

図書館でアットランダムに本を借りる

*1195596989*図書館でアットランダムに本を借りる 中学生のころから、図書館は積極的に利用してきました。その昔、図書館もない山間で暮らしたときも、町の図書室で本を借りていたほどの本の虫です。 最近は特定のテーマの本を借りたいことも多いので、あら…

オカルト・スピリチュアルの消長  

各種オカルト年表→ 現在ももてはやされている江原啓之や細木数子、彼らをこれほどまでに人気者にしたものは何だったのでしょうか。いろいろな事例にあたり、考察してみました。(例)ドラクエ、ファイナル・ファンタジー、オウム真理教、バスタード、ハリー…

オカルト・スピリチュアルの消長  

消費者は加害者である

これは、私と私の友人との間の、過去の出合いのころから感じていた心理です。私は卒業論文を書いていた時期で、彼とは某自然食レストランで出会ったのです。「トリハロメタン(水道水が塩素殺菌で処理されたあと出来る副産物。クロロホルムが代表的)」の恐…

IYC(円の危険度指数)およびIEC,IDCについて  

日本円の暴落の程度を示す指標として導入した。定義は以下の通りである。 IYC:円以外のN種の通貨があるとき、ある通貨に対し((今回の通貨の相場)−(前回の通貨の相場))を(前回の通貨の相場)で除し、 100を掛けてパーセント表示にする。その操作を…

IYC(円の危険度指数)およびIEC,IDCについて  

「人間の血が通っています」

このフレーズは、日本生命のTVコマーシャルに出て来るもので、聞いたことがあるでしょう。詩を書いたのは詩人の谷川俊太郎。「この(金融)商品には、人間の血が通っています」というように、視聴者の情に訴えかけるものです。確かにその言いたいことは情に…

学者は、間違えるのが仕事

子育て現場の試行錯誤―いい子に育ててごめんなさい 3作者: 前原寛出版社/メーカー: 南方新社発売日: 1999/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る*1193868885*学者は、間違えるのが仕事 ブログ「考えるのが好きだった」(http://blog.goo.ne.j…

当たり前に存在する「暴力」――矢野顕子の場合

「暴力」 矢野顕子は 暴力を 否定しながら 子どもを 産んだ。 ところで SEXって、実は 暴力なんだよね。 男も女も 暴力を 行使して 子どもが 生まれる。 矛盾してるよ、 アッコさん。 (↑MIXIのコミュに投稿した詩) 金井克子の往年のヒット曲「他人の関係:1…

当たり前に存在する「暴力」――矢野顕子の場合

エンデの警鐘「地域通貨の希望と銀行の未来」作者: 坂本龍一,河邑厚徳出版社/メーカー: 日本放送出版協会発売日: 2002/04メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 30回この商品を含むブログ (10件) を見る[rakuten:book:11466906:detail]

ボードレールがフランス象徴詩の祖――世界一のフランス象徴詩

巴里の憂鬱 (新潮文庫)作者: ボードレール,三好達治出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1951/03/19メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 26回この商品を含むブログ (18件) を見るボードレールがフランス象徴詩の祖――世界一のフランス象徴詩 フランス象徴詩特集 そ…

ソニーとホンダ

わが友 本田宗一郎 (ゴマビジネス)作者: 井深大出版社/メーカー: ごま書房発売日: 1991/12メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る我が友 本田宗一郎 [VHS]出版社/メーカー: ソニー・ミュージックエンタテインメント発売日: 1992/07/22メディア: …

マラルメとヴァレリー  海に寄せる師弟の詩

*マラルメとヴァレリー 海に寄せる師弟の詩 フランス象徴詩特集 その1 (ある人へのメールに手を加えました。) 海の微風 ステファヌ・マラルメ 肉体は悲しく、私は万巻の書を読んだ、 私は海の向こうを指向する、 マストは折れるかも知れない、 でも我が心…

ライフルをカメラに持ち変えて・・・写真とは 

ちょっとピンぼけ作者: ロバート・キャパ,川添浩史,井上清一出版社/メーカー: ダヴィッド社発売日: 1980/01/01メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 168回この商品を含むブログ (21件) を見る沢田教一ベトナム戦争作者: 沢田教一,沢田サタ出版社/メーカー: …

人間関係事例集というのがないかな?・・・ED治療の現場から

パンツの中の健康作者: 石蔵文信出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2004/11/17メディア: 単行本 クリック: 48回この商品を含むブログ (2件) を見る その3人の男女(男2人、女1人)は、特別な関係です。男Aは、AVヴィデオライター(アダルト・ヴィデオライタ…

1191886786*金木犀と沈丁花(キンモクセイとジンチョウゲ)

金木犀の匂うころ あなたと出会い 沈丁花の匂うころ あなたと別れた 私はいまなお官能の中 2007年10月上旬 森下礼 (解説:詞書) 金木犀の香りがたけなわです。そもそも、その高貴な香りは中国のワイン・・・桂花陳酒(けいかちんしゅ)に使われ(ワ…

金木犀と沈丁花(キンモクセイとジンチョウゲ)

赤城山(アカガーム)

*赤城山(アカガーム) 赤城山は、群馬県の中央やや東に位置する独立峰です。群馬県の桐生市から前橋市にかけての地域では見ることができます。 深田久弥の「日本百名山」でも取り上げられていて、「行楽に最適な、身近で穏やかな山」といったように紹介され…

トホホ和歌の寒川猫持 + ミャンマーを支配する中国

*トホホ和歌の寒川猫持 + ミャンマーを支配する中国 (2ブログ抱き合わせです。)言うてすまんが―猫持のトホホ相談作者: 寒川猫持出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2000/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (2件) を見る 寒川…

俗悪な水戸黄門・水戸黄門も貝原益軒も・・・

芥川龍之介はその著書・警句集「侏儒の言葉(しゅじゅのことば)」のなかで、儒学者・貝原益軒(1630−1714)のエピソードを取り上げています。 ある時、益軒が乗り合い舟に乗り込んだところ、血気盛んな若い学者の卵が、自説を、乗り合いになった皆…