虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

世界観

『君たちはどう生きるか』:吉野源三郎~その現代的意味(随想録―81)

『君たちはどう生きるか』:吉野源三郎~その現代的意味(随想録―81) 数年前、この小説はマンガ化され、結構売れたそうだ。マンガにしなければ読まれないというのは現代的だが、それを知ったアニメ界のレジェンド・引退していたはずの宮崎駿が「次はこれ…

自動車とその所有者の横暴:優遇され過ぎだ!(随想録―72)

自動車とその所有者の横暴:優遇され過ぎだ!(随想録―72) 2022年、大晦日、HNKで朝放送されていた「世界街歩き」を見ていたら、お決まりのウクライナ特集だったが、その首都キーウ(ウクライナ戦争以前の2019年の放送の再放送だったので、キエフ…

タトゥー(Tattoo)とは何か?:それは「美しい」か?(随想録―60)

タトゥー(Tattoo)とは何か?:それは「美しい」か?(随想録―60) 私は、大学でマンガクラブにいたことがあり、4編のマンガを描いたが、処女作は「キャンバス:Cand-vas」と言い、刺青(入れ墨:Tattoo)を主題にした作品だった。(以後、刺青、入れ墨…

坂本龍一と“energy flow”:闘病生活をする彼に捧げる (随想録―56)

坂本龍一と“energy flow”:闘病生活をする彼に捧げる (随想録―56) https://youtu.be/90zQT7FnQasenergy flow 私は、坂本龍一さんと出会い、大きな影響を受けた。専門の進路を変えてしまうくらいに。面識はないけど、100年の知己のような気がする。 ii…

水の浄め(きよめ)と火の穢れ(けがれ):『塩の民俗学』から(随想録―42)

水の浄め(きよめ)と火の穢れ(けがれ):『塩の民俗学』から(随想録―42) そもそも『塩の民俗学』の著者の亀井地歩子さんは新潟県糸魚川地方と長野県の松本地方を結んだ塩の道を調べていたそうですが、専売公社が扱う精製塩が自然塩とは異なり、いわゆ…

「動画」全盛時代の盲点(随想録―28)

「動画」全盛時代の盲点(随想録―28) 以前、知り合いに電話したところ、「ユーチューブ」上にあった動画(3歳児が初めてダンスを踊った映像)が見られなくなった、と嘆いていた。たぶん、彼はこの動画を繰り返し何度も視聴したのだろう。ちなみに彼は「…

「ためになる」と「ためにする」(随想録―21)

「ためになる」と「ためにする」(随想録―21) 私は、「また、ためになるお話を聞かせてください」、と言われると、身構えるほうです。あんまりこの表現が好きではないのです。先方に悪気はなくても、先方への気持ちは萎えるという傾向があります。なんだ…

ウクライナ人の愛国心:patriotism(随想録―17)

ウクライナ人の愛国心:patriotism(随想録―17) 主に戦争用語として使われる経験則に「ランチェスターの法則」というのがある。2つのシチュエーションから成っていて、大きな規模の攻撃が行なわれる戦争の第1ステージには、優勢な勢力は快進撃を行なう(…

プーシキンと詩「ロシア語」(Русский Язык)のナンセンス(随想録―8)

プーシキンと詩「ロシア語」(Русский Язык)のナンセンス(随想録―8) プーシキン(Пушкин)はロシアを代表する詩人。ただ、彼の詩は曲者である。「プーシキン詩集」(青磁社)に、以下のような詩がある。: プーシキン(wiki) 復讐心 蜜蜂が熊めのおでこ…

キャスターとアナウンサー:混同しているテレビ局

キャスターとアナウンサー:混同しているテレビ局 近年、テレビのニュース番組を見ていると、アナウンサーのことをキャスターと呼ぶことが半ば常態化しています。キャスターとして、ただちに思い浮かべられる人たちとして、筑紫哲也さん、久米宏さん、国谷裕…