虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

ティートリー:もっとも頼りになるエッセンシャルオイル

ティートリー:もっとも頼りになるエッセンシャルオイル


巷における流行り・廃りは、当然の現象です。植物についても、ひとむかし前のハーブ・ブーム、次いで多肉植物ブームがあり、一通り各家庭を巡って終息したようです。今はブームが去っても、しっかり自身の生活に取り込んで、いつも愛でるという人たちこそ、本当の植物愛好者です。ブームに乗っただけの人は次々に目新しい植物に手を出すのでしょう。そして、それに飽きたら、別の植物のブームに向かうのでしょう。落ち着くところがなく、十数年したら、またハーブ・ブームとか多肉植物ブームとかが再燃したりして・・・


ところで、ハーブ・ブームと密接な関係にあるのが、エッセンシャルオイル精油)を利用するアロマテラピーですね。沢山の植物体を惜しげもなく使用し、蒸留して、ほんの数滴のオイルを手に入れる(圧搾法というやり方もありますが)・・・この贅沢なオイルを、アロマテラピー(芳香療法)は使うのです。


オイルの抽出法の難易度によって、10ml・1500円程度から1ml・数万円程度まで値段が変わりますが、特に有用なエッセンシャルオイルティートリーです。この植物は、フトモモ科の樹木でユーカリの仲間で、オーストラリア特産のものです。



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ティートリーのエッセンシャルオイル


このエッセンシャルオイルは安いほうで、「生活の木」で買うと、10ml・1500円というところ。でも、この精油には、驚くべき特性があるのです。「抗真菌(カビ)」「抗細菌」「抗ウイルス」の3つぞろえの効果があるのです。自然にある化学物質で、このように多くの種類の病原体たちを駆除するというものは、マレですね。


ただ、その成分組成を個々に見ると、案外さほど強い働きをするとは言えない成分なのです。ですが、これがカビ、細菌、ウイルスへの殺菌力において、抜群の働きをするのです。その成分について、wikiより


フトモモ科の植物は自然に化学種(ケモタイプ)が生じてしまうため、産地による成分の差が大きく、同じティーツリー油でも薬効に差がある。オーストラリアには精油の品質規格があり、成分調整が行われ質は比較的安定しているが、ニュージーランド産は製品ごとの成分の差が大きいため、アロマテラピーに利用するのは難しい。
医療用では成分のテルピネン-4-オルは30%以上が求められ、一方でシネオール(1,8-シネオール)には粘膜と皮膚への刺激があるため含有量が多いものは傷や皮疹には不向きなため、少ないものを医療用に使うべきとされイギリスやオーストラリアでの規格化につながった。高品質なものではテルピネン-4-オルは35%を超え、シネオールは5%未満となる。オーストラリア・ティーツリー産業協会 (ATTIA) は、テルピネン-4-オル30%以上、シネオール15%未満という基準を満たしている場合に証明書を発行している。前述の、最高品質の木を栽培しているベリナで生産された精油では生産者はそれぞれ36%以上、7%以下を保証している。
自然界には珍しい、ビリジフロレン、ベータテルピネオール、L-テルピネオール、アリヘキサン酸エステルを含む。


こんな感じです。この組成を崩すことなく、ティートリーは有効なのです。実際、この物質はイギリス薬局方に登録されたれっきとした薬なのです。



今日のひと言:自然にある薬効性物質を、人為的に化学合成した物質に置き換えても、薬効がオリジナルに及ばないことがあります、マラリアの特効薬:キニーネを化学的に改変させ強化させた薬も、元のキニーネには及ばないと聞いたことがあります。なお、もっとも簡単なオイルの使用法は、デフューズと言い、ティッシュとかハンカチに1、2滴おとし、部屋にオイルを拡散させることです。


なお、オーストラリアの珍獣:コアラは、ティートリーの仲間、ユーカリだけを食べるので有名ですが、これらは葉のオイル分が多く、燃えやすいです。今年、オーストラリアの山火事で、コアラたちの命を奪ったのは、皮肉にもユーカリそのものだったのです。








今日の一品



アオジソの醤油漬け


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アボカドのヅケに使って使用済みになった醤油を再利用して、アオジソの葉を漬けました。醤油はあるレベルで浸透が収まり、葉でご飯を巻くと美味しいです。

 (2020.08.12)



アピオスの花酒


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アピオスの花をリキュールにすべく、35度のホワイトリカーに漬けこみました。蟻がたくさん花に訪れていました。

 (2020.08.12)



ガンモドキの昆布汁煮


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昆布汁はヤマサ製のオーソドックスなタレ。保温調理鍋で作ると、ガンモドキによく味がつき、美味しいです。3個セットのうち、1個は、私の翌日の弁当用。

 (2020.08.16)






今日の詩


@『デスノート』と死神リューク


「人を呪わば 穴二つ」
例えば憎い者を
「交通事故で死んでしまえ」
と考えると、その本人も
「交通事故で死んじゃう」
可能性が高いの。


デスノート』の死神リューク
ノートにパクパク
犠牲者の顔・名を知り
死因と死期を書き込むだけで殺すの。
本人はピンピンしている
――これが死神であるリュークの特権なの。


DEATH NOTE 完全収録版 (愛蔵版コミックス)

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  • 作者:小畑 健
  • 発売日: 2016/10/02
  • メディア: コミック



*『デスノート』は、週刊少年ジャンプに連載されて、読者の支持を集めたマンガ作品で、アニメ化、実写ドラマにもされました。

 (2020.07.24)







今日の二首


恋の憂さ
まぎれさすなる
忘れ草


朕もそれにぞ
浸るなりける



忘れ草=タバコ。朕(ちん)とは王者の自称。

 (2020.08.15)



ローズマリー
青花でなく
桃花で


落胆する我――
!肌が違うだけ!


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私が花の色で人種差別しているかも、と思われたので。

 (2020.08.16)






今日の二句


ヒマワリの
葉を落とされて
立つなりけり


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 その園芸作業の意味は不明。

 (2020.08.16)



オナモミ
草刈り後から
育ちけり


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オナモミはキク科の野草で、棘だらけの実が動物の体毛、人の衣服によく付くので、「ヒッツキムシ」とも呼ばれます。

 (2020.08.18)





バンクシー小劇場


ウナギ:養殖池に土石流が流れこみ、すべての動植物が死に絶えようとも、ゴムのような肉体を持つこの魚は、その猛威をやり過ごし、一匹たりとも死ななかったという。

 (2020.08.16)




写真集


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朝日に照らされるコケ

 (2020.08.18)



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陽に焼かれるサトイモ

 (2020.08.20)


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クサギの花:ジャスミンのような芳香あり、臭くはない

  (2020.08.21)