虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

2022-01-01から1年間の記事一覧

インド人は、召使いにしかなれない(随想録―29)

インド人は、召使いにしかなれない(随想録―29) 私のブログ友達の論調として、インド人は非常に優れている、日本は彼らの後塵を仰ぐことになるだろう、という命題があります。確かに理数系では、インド人が2ケタの掛け算九九をマスターしている、これは大…

「動画」全盛時代の盲点(随想録―28)

「動画」全盛時代の盲点(随想録―28) 以前、知り合いに電話したところ、「ユーチューブ」上にあった動画(3歳児が初めてダンスを踊った映像)が見られなくなった、と嘆いていた。たぶん、彼はこの動画を繰り返し何度も視聴したのだろう。ちなみに彼は「…

素人の怖さ:マルクスと空海を評価すると(随想録―27)

素人の怖さ:マルクスと空海を評価すると(随想録―27) むかし、評論家の呉智英(くれ・ともふさ)さんが書いていましたが、左翼系の論客:吉本隆明さんは、ほかの左翼系論客を論破しまくったと。呉さんが書くに、吉本さんは、マルクス主義の「神学的体系…

1人の粗暴犯の逃走は災害並みのインパクトを持つ(随想録―26)

1人の粗暴犯の逃走は災害並みのインパクトを持つ(随想録―26) 思い返せば、2019年5月、6月は公然と粗暴な犯罪を犯す人物が輩出して、いかにも物騒な世の中になった観があります。神奈川県川崎市で、スクールバスを待つ小学生とその保護者たちを柳…

竹里館(王維):1000年早かった象徴詩(随想録―25)

竹里館(王維):1000年早かった象徴詩(随想録―25) 盛唐の詩人のひとり、王維(おうい)は、李白が「詩仙」、杜甫が「詩聖」と呼ばれたのと同じく、「詩仏」と称され、李白、杜甫とならぶ大詩人でした。ここに「竹里館」という詩を見てみましょう。 …

私の師(師の中の師):「師」とは「先生」のこと。(随想録―24)

私の師(師の中の師):「師」とは「先生」のこと。(随想録―24) 環境問題を専攻した私には、師と呼べる人たちが多くいた。真っ先には、宇井純さん(助手)、卒論指導教官だった中西準子(助手)さんが思い出されるし、都市工学の秘奥を教えて下さり、ま…

DNAと原形質:男と女、どっちの情報が子に多く伝わるか?+メビウス(随想録―23)

DNAと原形質:男と女、どっちの情報が子に多く伝わるか? 「それは、対等に伝わるんじゃない?」・・・DNAで言えばその通りですが、実際は、女(母親)からの方が多く伝わるのです。父からの精子が卵子の外壁を破って進入して、精子がわずかに持っていた原形…

女性をショーケースに入れる:NiziU(ニージュー)の盲点(随想録―22)

女性をショーケースに入れる:NiziU(ニージュー)の盲点(随想録―22) これまで、何回か日本人女性9人組のユニット:NiziUを取りあげて来たが、今回は彼女らにまつわるマイナスの局面を書こうと思う。彼女たちは、「作られた」アイドルグループである。…

「ためになる」と「ためにする」(随想録―21)

「ためになる」と「ためにする」(随想録―21) 私は、「また、ためになるお話を聞かせてください」、と言われると、身構えるほうです。あんまりこの表現が好きではないのです。先方に悪気はなくても、先方への気持ちは萎えるという傾向があります。なんだ…

『魔入りました!入間くん』(マンガ、アニメ)の魅力(随想録―20)

『魔入りました!入間くん』(マンガ、アニメ)の魅力(随想録―20) アニメは、NHK・Eテレで断続的に放映されている。教育的かどうかは解らぬが。設定がスゴイ。まさしく悪魔のような両親に振り回されたあげく、大悪魔:サリバンに売り渡された主人公:鈴…

「お酢」は全てを解決するか?日本愛酢党はどうなった??(随想録―19)

「お酢」は全てを解決するか?日本愛酢党はどうなった??(随想録―19) 一昔前の日本の総選挙は面白かった。奇想天外なミニ政党が次々と候補を出し、NHKの場でその「持論」(=お笑い)を披露したのだ。なかでも、「日本愛酢党」は傑作で、政策として「酢…

「玄武」をイメージトレーニングしよう!+リトープスの脱皮(随想録―18)

「玄武」をイメージトレーニングしよう! 中国でいう東西南北の四方を守る四神(ししん)のうち、北方を守る動物神を「玄武:げんぶ」という。この神は、蛇と亀の二体が合体した姿をしている。まあ、夫婦神だな。ほかの神:青龍、朱雀、白虎は一匹単独である…

ウクライナ人の愛国心:patriotism(随想録―17)

ウクライナ人の愛国心:patriotism(随想録―17) 主に戦争用語として使われる経験則に「ランチェスターの法則」というのがある。2つのシチュエーションから成っていて、大きな規模の攻撃が行なわれる戦争の第1ステージには、優勢な勢力は快進撃を行なう(…

糞尿を上手く処理してこそ環境問題は解決する+ tumblr.(タンブラー)(随想録―16)

糞尿を上手く処理してこそ環境問題は解決する+ tumblr.(タンブラー)(随想録―16) 以前、乗馬を趣味とする友人から聞いたことだが、乗馬クラブの人が馬を御していたところ、広い農地で、馬が糞をしたというのだ。それで、この農地の持ち主が激怒したとい…

「2人」という言葉の重み+♪「夢で逢えたら」の深層(随想録―15)

「2人」という言葉の重み 女性は、愛する男性と、自分をまとめて、「わたしたち2人」と称することが、むかしからあるようだ。哲学者のニーチェは、「女はことあるごとに、自分と男を合わせ一体化して“2人”というが、これは女が成熟してない証だ」とか書い…

老子第1章と仏典(特に般若心経)+ラスコリニコフ(随想録―14)

老子第1章と仏典(特に般若心経) 難解で名高い『老子』でも、出だしの第1章は特に難解だ。この章でつまずき、それ以上読むのを諦めた人も多いだろう。どんな文かと言うと(書き下し文および日本語訳:小川環樹:中公文庫) 道の道う(いう)可きは、常の…

マンガと私(その2:2/2):マンガはイマジネーションの源泉(随想録―13)

マンガと私(その2:2/2):マンガはイマジネーションの源泉(随想録―13) 私が「はてなブログ」を始めて18年、これまで、思い浮かべられる限り、3回ほど、ブログ本文や詩の根拠として、マンガ作品があった。高信太郎のセクシャルな4コママンガ、し…

マンガと私(その1:1/2):幼き・漫画家(随想録―12)

マンガと私(その1:1/2):幼き・漫画家(随想録―12) 私はマンガとの付き合いが長い。幼少期から孤独だった私は、絵を描くのが大好きな子どもだった。塗り絵などはよくやったが、小学生のころには、マンガを描いていた。ストーリーマンガとギャグマン…

労働者の視点では環境保護はできない+FIP導入の愚(随想録―11)

労働者の視点では環境保護はできない 水俣病の闘争史において、被害漁民らをもっとも圧迫したのは、チッソ経営陣でもなく、厚生省でもなく、チッソ労働者だった。それはもちろん「生活が懸かっていた」からだ。現在でも、経営陣と労働組合の労使交渉の最大の…

私は歯磨き粉を使わない:あるオジサンの言葉(随想録―10)

私は歯磨き粉を使わない:あるオジサンの言葉(随想録―10) 今は鬼籍に入ったオジサンから、弟が聞いたお話:「歯磨きに歯磨き粉はいらない」。歯磨き粉は基本的に研磨剤であり、そして界面活性剤(合成洗剤)の力で、食べかすや歯についた粘り成分を落と…

カンパンにも危険なマーガリンが入っている!+八方美人の効能(随想録―9)

カンパンにも危険なマーガリンが入っている! 非常時に命の糧となるカンパン。我が家でも備蓄しているが、成分に、マーガリンの一種であるショートニングが入っている。この物質は人の細胞膜を攪乱するトランス脂肪酸を含んでいる。危険であることを知らずに…

プーシキンと詩「ロシア語」(Русский Язык)のナンセンス(随想録―8)

プーシキンと詩「ロシア語」(Русский Язык)のナンセンス(随想録―8) プーシキン(Пушкин)はロシアを代表する詩人。ただ、彼の詩は曲者である。「プーシキン詩集」(青磁社)に、以下のような詩がある。: プーシキン(wiki) 復讐心 蜜蜂が熊めのおでこ…

♪WA DA DA (Kep1er:ケプラー)のエロティシズム+児童遊園と駐車場(随想録―7)

♪WA DA DA (Kep1er:ケプラー)のエロティシズム+児童遊園と駐車場(随想録―7) この曲は面白い。冷涼な雰囲気から始まるが、曲中で3、4回繰り返される女性9人組の音楽ユニットの9人のメンバーたちの叫び声(あるいは喘ぎ声)がヴィヴィッドだ。元気で…

中国は『孫子』を悪用している!+太田八幡山古墳(随想録―6)

中国は『孫子』を悪用している!+太田八幡山古墳(随想録―6) 中国の古典(兵書)、『孫子』5章(勢篇)2項に「およそ戦いは、正を以て合し、奇を以て勝つ」という件がある。中国は今でも軍がこの書を研究し続けていると言う。兵書なのだからそれは当然…

筒美京平は天才だった+「岸田首相は難しい梶取りを迫られる」(随想録―5)

筒美京平は天才だった(随想録―5) 昨2021年に亡くなられた筒美京平(つつみ・きょうへい)さんは紛れもない天才だった。作詞家として駆け出しの頃の松本隆さんが「こんな歌詞には、曲なんか付けられまい」と高を括っていた作品に見事に曲を付けたのが…

最近の音楽を聴いて(Pretender、魔法の絨毯、Chopstick)(随想録―4)

最近の音楽を聴いて(Pretender、魔法の絨毯、Chopstick)(随想録―4) これら3曲を最近知り、聴いてみた。「Pretender」(official髭男dism:変な呼称。)の場合、目の前の彼女が結局は自分とは結ばれないだろうという思いを男性が持っているので、「(恋…

現代の世界は2大勢力の抗争で動いている(随想録―3)

現代の世界は2大勢力の抗争で動いている(随想録―3) 現代の世界では、(アングロサクソン民族)VS(スラブ民族+漢民族)のデスマッチが行なわれている。(今ホットな話題として、ウクライナを巡る米英VSロシアの確執があるね。)両陣営は、不倶戴天の敵…

生き物としての完成度:男と女(随想録―2)

生き物としての完成度:男と女(随想録―2) 女は「完成されているから」戦争には参加しない。男には「不備が多すぎて」、戦争に参加する。命の大切さに無頓着なのが男だ。で、男の職業軍人は、人の命を数字に置き換えて戦わせる人でなしだ。 昨今、男による無…

随筆家になれない必要十分条件(随想録―1)

随筆家になれない必要十分条件(随想録―1) PEN、つまりP:Poet(詩人)、E:Essayist(随筆家)、N:Novelist(小説家)とあるうち、随筆が、もっとも手軽であると思っている人は多いだろう。だが、決してそうではない。ほかの2つと比較しても、随筆…

私の卒論から~司馬遷讃(私のゲルニカ)&拙ブログ形式変更のお知らせ

私の卒論から~司馬遷讃(私のゲルニカ)&拙ブログ形式変更のお知らせ “私のゲルニカ” 李陵(中島敦)より↓・・・要するに、司馬遷の欲するものは、在来の史には求めて得られなかった。どういう点で在来の史書があきたらぬかは、彼自身でも自ら欲するところ…