虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

ウクライナ人の愛国心:patriotism(随想録―17)

ウクライナ人の愛国心:patriotism(随想録―17)



主に戦争用語として使われる経験則に「ランチェスターの法則」というのがある。2つのシチュエーションから成っていて、大きな規模の攻撃が行なわれる戦争の第1ステージには、優勢な勢力は快進撃を行なう(第1法則)が、市街戦などに舞台が移ると、勢力が均衡し、戦争は長引く(第2法則)というのがこの法則の意味だ。


ロシアがウクライナに仕掛けたこの戦争は、今まさに第2法則が支配している。これはむしろウクライナのほうが有利な状況になっている。ウクライナ軍は、戦意旺盛で、戦争に嫌気がさしてきてきたロシア軍将兵に反撃する態勢になっている。むしろウクライナ人の愛国心は「カッコよい」。そうそう、2022.04.14のニュースでは、巡航ミサイルを使ってロシア海軍の旗艦「モスクワ」を沈めたという。ロシアの鼻っ柱をへし折ったのだ。


それにしても、青年・壮年層の男性が、国外に逃げるのを禁止され、不平も言わずに従軍するという「愛国心」はどうだろう。愛国心・・・この言葉には謎が多い。実際、現代の日本では、国民一般を犠牲にすることを意に介さない自公与党+αがこの言葉に言及すると、国民の間からは非難の言葉が上がる。でも、外敵への対応はなんの疑いもなく自衛隊のみに任されるのだ。それは一つに、現政権への、国民の不信感があるのだろう。もうひとつは、国民の側の問題で、戦争を、他人事のように見るように、日本国民が自己形成してきたという事実もあるのだろう。自分自身が、兵士になることは眼中にないし、想像さえ出来ないだろう。私だってそうだ。


実際、日本が中国に侵略された場合、日本国民はどう対処するのだろう。ウクライナ人のように、カッコよくあるだろうか?あっさり降伏したら、「人民解放」軍と中国政府の苛烈な虐待・虐殺が待っていることは疑いない。だって、現在の中国国歌には、「日本軍を追撃せよ、殲滅せよ」という歌詞が出てくるのだから。WW2の恨みを日本に叩きつけたくてウズウズしているのだ。


思うに、日本より、ウクライナのほうが健全な国家だと。


 (2022.04.07)






今日の詩


@苔(コケ)の生き甲斐


苔は水の子だが乾燥にも強い
水分が完全に抜けても死なない。
いつか来る雨をひたすら待つ
雨さえ降ればこっちのもの――
美しいモスグリーン(苔緑)をまとう。


――こんな外因に左右される存在、
苔には生き甲斐というものがあるのか?
苔は寡黙にして答えない
生き甲斐があってもなくても
生きて行く


スグリーン (2021.06.24)


干上がり (2022.04.18)

 (2022.04.18)





今日の5句


陽を浴びて
銀杏の若葉
透き通る



 (2022.04.18)



矢車の
インクになるや
色素なり



ハーブとしての矢車草は、インクの原料でした。

 (2022.04.18)



柔らかな
新芽吹きたる
クワの木や



美味しいドドメが期待できるか?葉も美味しい。

 (2022.04.19)



ネコジャラシ
実は麦なり
粗放蒔き



 これまではネコジャラシが生えていたと考えていた雑木伐採地。

 (2022.04.19)



フェンス外
ユンボの犠牲に
成らぬべし



菜の花が、ユンボにやられぬ位置で咲き誇ります。

 (2022.04.19)