「お酢」は全てを解決するか?日本愛酢党はどうなった??(随想録―19)
一昔前の日本の総選挙は面白かった。奇想天外なミニ政党が次々と候補を出し、NHKの場でその「持論」(=お笑い)を披露したのだ。なかでも、「日本愛酢党」は傑作で、政策として「酢をもっと飲みましょう」ということのみ「公約」していた。また、この党の代表は、彼が酢に付いての一般的知識しか持ち合わせなかったのに、ある人から「これは、ノーベル賞が取れるよ」と言われ、その気になっていた。言う方も、それを聞いて喜ぶ方もどうかしていた。
それはさておき、私の地元では、変わった材料を使用して作った酢を販売する店が出来た。だいたい果物を用いた果実酢のようだが、この店の営業方針は変わっている。ただ商品を売るのではなく、酢の効用についての講習会もセットにするらしい。
・・・これって、「酢」を小道具にした宗教のように思える。たかが「酢」である。どんな材料を使おうとも、主要成分は「酢酸」である。あとは材料ごとの微量成分のある、なしだろうが、それが重要だと思うならその原料・ザクロならザクロ、リンゴならリンゴを食べれば良いのだ。
糞まじめに講習会を受ける人も、もっと賢くなってほしいものだ。酢酸は、もちろん、人体のなかの代謝に深くかかわる重要な物質であるが、講習会を受けて高い酢を買って食するものではない。
(2022.03.05)
今日の6句
眼を奪う
真紅の罌粟(ケシ)の
盛装が
(2022.04.24)
水戻り
杜若(カキツバタ)待つ
弁天池
(2022.04.24)
いつの日か
巨樹折れたる
立ち往生
数年前までは元気な梅の樹だった。
(2022.04.24)
街曇り
眼鏡も曇る
霧の朝
(2022.04.25)
栄えたが
壊乱だけは
逃れ得ず
葉ボタンの最期。
(2022.84.25)
花の王
威風堂々
君臨し
東洋で「花の王」といえば、牡丹(ボタン)のことです。そのゴージャスさでは西洋の薔薇(バラ)さえ上回るでしょう。
(2022.04.25)