虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

素人の怖さ:マルクスと空海を評価すると(随想録―27)

素人の怖さ:マルクス空海を評価すると(随想録―27)




むかし、評論家の呉智英(くれ・ともふさ)さんが書いていましたが、左翼系の論客:吉本隆明さんは、ほかの左翼系論客を論破しまくったと。呉さんが書くに、吉本さんは、マルクス主義の「神学的体系」をこれっぽっちも信じておらず、むしろその「信者」がバカに見えたというのですね。「神学」は、信者にとってのみ意味があるもので、信者でない素人には無意味であったというわけです。マルクス主義は、宗教だったのです。


さて、日本の「宗教的巨人」:空海と、彼が導入した曼荼羅(まんだら)を問題にしましょう。曼荼羅には2種類ありますが、正方形型に区切られた平面があり、それぞれに「仏」が割りあてられる金剛界曼荼羅と、8方向に区切りがあり、仏が割りあてられる胎蔵界曼荼羅があります。(まあ、どちらも絵の要素として8方位と正方形は援用されていますが。)


とくに、金剛界曼荼羅について、中国の易経八卦は、その名の通り8つの方位から出来ています。その意味では、曼荼羅易経は同一のものの2表現なのでしょうが、あらゆる方向にいちいち仏さまを配する曼荼羅は、面倒くさい精神的構築物であります。真理を述べるのに、「人」に頼るのは、良かれ悪しかれインド的発想です。私は欠点だと考えます。(曼陀羅自体は、チベットが起源だそうで、もちろん密教チベット起源の「大乗仏教」ですね。まあ、大乗仏教の仇花が密教だとすれば、やはりインド的産物であることに変わりありません。)


ましてや、この種の宗教画(曼荼羅)について、嬉々として解説する人をNHKEテレで見たことがありますが、「なんとも真理から遠いことよ」と思います。無意味にたくさん並んだ仏たちがそんなに良いのでしょうか。このたった2パターンの画一的な「絵」で、密教が出来た7、8世紀以降、権威を誇っていることは笑止です。悔しかったら、ピカソの「ゲルニカ」に比べられる絵を呈示して欲しいですね、素人としては。まあ、無理でしょうけど。


結論:マルクス空海も、2流の宗教家である。(そして、宗教家には、1流の人はほとんどいない。)


 (2022.05.15)



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(↑以前は、曼荼羅については、好意的でしたが・・・人の思想は変わるものです。)





今日の詩


@数学~学問の女王


私は中学生の頃
現実を忌み嫌い
数学に憧れた。
中3の頃には高2の数学を
勉強し終えた。
それより何より
「数学史」を独習した。


ガウス少年の「1から100まで、全て足せ」
という問題への素早い解答(等差数列の原理)、


ガロアが独自に開発した「群論」を使って
「5次以上の代数方程式には解の公式がない」
ことの鮮やかな証明をしたこと、


無理数有理数より無限の濃度が高いことを
証明したカントール対角線論法・・・



数学者たちの事績に夢を馳せた・・・
私は数学者にはなれなかったが、
私にとって数学は今でも私を
鞭打つ「学問の女王」だ。


iirei.hatenablog.com


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 (2022.06,11)








今日の6句



カラス羽
路上格闘(ストリート・ファイト)
はぎ取られ




ペンにでも出来ないかと持ち帰りました。

 (2022.05,26)



ビロード草
ふと触って
みたくなる



ナデシコ科の園芸植物。

 (2022.05,26)



増水し
水の香るか
八瀬川や




 (2022.05.29)



葉っぱ挿し
出でる根っ子の
可愛さや



 多肉植物であり、ハーブでもあるアロマティカスを、葉から出根させるのに成功しました。(2度目のチャレンジで。)ただ、植え付けに失敗し、枯らしてしまいました。


 (2022.05.29)



根は残り
5年目の春
ドドメ成る




水路の法面にあったクワの木、刈られましたが、再び実がなるほど回復しました。

 (2022.05.30)



水を張り
鏡に映る
木立ちたち



稲を水田に植え付ける季節です。

 (2022.06.02)