園芸療法とその展望:私の友人が期せずしてお世話になったこと。
「園芸療法」という言葉をご存じでしょうか。「療法」というからには、医療効果のあるメソッドのように思えますが、実際そうなのです。この療法が確立されたアメリカでは、「園芸療法士」という医療資格もあります。
私の友人は、ある時不運にも人生に躓いて、精神病院のお世話になってしまいました。そのとき、病棟の主任の人が、彼に中庭の管理を任せてくれて、主にハーブを栽培する自由を与えられました。彼は、その園芸作業をする過程で、精神の自由が保障され、退院も比較的早まったと言っていました。
園芸療法(えんげいりょうほう、Horticultural Therapy)とは、心や体を病んだ人たちのリハビリテーションとして園芸活動をセラピーの手段として利用するもの。第二次世界大戦の後、1950年代からアメリカ合衆国や北欧から始まった。アメリカでは主として、戦争からの帰還兵の心の癒しの手段として発展してきたが、北欧では平行して、障害者の社会参加、社会復帰の考え方を主導するノーマライゼーションの一環として、これは当初考えられた。
その他、障害者や精神障害者、また社会的に心の傷を抱えた人たち、たとえば、家庭内暴力やレイプの被害者女性、引きこもり、囚人など、さまざまな人たちが対象として考えられ、それぞれの分野で着実に実績を上げつつある。ただし、これらはあくまで療法の一環であり、健康な人たちが、庭つくりを楽しみ、それを慰めとするというのとは一線を画して考えられなくてはならないものである。
・・・これが「園芸療法」の概要です。(wiki)
虹の庭(こんな庭があったら良いな。)
園芸療法 21世紀を健康に生きる
私はこの療法に興味が湧き、一冊『園芸療法 21世紀を健康に生きる』(武川満夫、武川政江:源草社)という本を入手しました。ところがこの本、前半が園芸療法の法的、制度的局面が、後半では作業の「詳細すぎる」手続きが書かれていて、何といえば良いのでしょうか、この2つの局面の間、中間がないように思われました。私はこの本を閉じ、ほかの本はないのか、と図書館での蔵書を調べてみましたが、この本以外なく、案外難しい検索になってしまいました。残念ながらこの本を用いて、園芸療法に踏み込むことは出来ないように思います。そこで再び「園芸療法」(wiki)に戻って参考文献を挙げておきます。
@『園芸療法のすすめ』(吉長元孝・塩谷哲夫・近藤竜良共編、創森社、1998年)
@『園芸療法の資格と仕事の本―園芸療法テキスト 基礎編』(日本園芸療法普及協会監修、草土出版、2004年)
@『園芸療法 新装版』(グロッセ世津子著、日本地域社会研究所、2008年)
@『園芸療法とリハビリテーション』(原和子編著、エルゴ、2011年)
@『心を癒す園芸療法』(日本園芸療法士協会編、コロナ社、2004年)
今日のひと言:件の友人、今は病気は寛解し、普通に働いています。彼は、これも「園芸療法」という「土遊び」を許可してくれた主任のおかげだと感謝しているそうです。この土遊び、原初の自我と、土遊びをやっている本人とをめぐり合わせてくれる可能性があり、もっと広めてよい療法(テラピー)だと思うのです。
@バンクシー小劇場
♪「マリーゴールド」(あいみょん):この曲で歌われる「くも」、「雲」ではなく「蜘蛛」(節足動物)でも、だいたい意味は通じる。糸を吹きかけぎゅっと抱きしめるから。あいみょん、ゴメンね。
(2021.11.18)
今日の2句
この冬も
再会できた
トウダイグサ
(2021.11.19)
細く伸び
凛と立つなり
木賊(トクサ)かな
シダ植物。もっとも目の細かいヤスリとして知られる。砥石(トイシ)草。
(2021.11.19)
今日の写真集
謎の植物:植え込みで。(2021.11.16)
干上がった用水路に青菜の姿。 (2021.11.19)
ヤーコン(キク科)の大株。根は淡泊な梨と言った感じで、野菜。
(2021.11.19)
(2021.11.21)
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“Diamond cut Diamond--Ultra-Vival”
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