『誰も知らない世界のことわざ』:興味深い絵本+口上
こんなことわざがあります:「あなたのレバーをいただきます。」・・・いつか拙ブログで取り上げた青春小説『君の膵臓をたべたい』によく似た表現。これはFARSI(ペルシャ語)のことわざで、一種の愛情表現なのだとか。深い愛情を表現し、家族や近しい友人同士で」交わされます。「あなたのためなら、なんでもする」「心から愛している」「食べてしまいたいくらい、あなたが好き」といった用例を持ちます。
:『君の膵臓をたべたい』:自己完結型だった「僕」が変身するまで
このエピソードを書き記している本こそ、このブログの表題の『誰も知らない世界のことわざ』です。著者はエラ・フランシス・サンダースというライター&イラストレーターの女性です。この人は世界各地のことわざを調べ、文・イラストを一人で担当し、素晴らしい絵本を書いたのですね。訳者は絵本作家の前田まゆみさん。2016年の創元社から発行されています。集められたのはほんとに世界各地のことわざ50余例です。一例につき、見開き2P割り振られています。これは見やすい。この中から、とくに面白い表現のことわざをいくつか紹介しましょう。
世界各国の「ことわざ」を意味する表現(グーグル翻訳ツールを使って調べました。)
@カラスが飛び立ち、梨が落ちる。(韓国語:KOREAN) 010P―011P
カラスが飛ぶことと、梨が落ちることについて、人はなんらかの因果関係を想像したがるが、実際は「なんの関係もない。」・・・透徹した観点です。この本に挙げられたことわざの中でも、優れたものの一つだと思います。私は過去ログで「時節到来」という禅の道元禅師が書いたとされる表現を挙げたことがありますが、ほぼ同じくらいの高みに至っていることわざだと思います。ただ、イギリス人のサンダースさん、梨を洋梨として描いているのは、ご愛嬌といったところです。
@オオカミの口の中へ! IN BOCCA AL LUPO!(イタリア語:ITALIAN) 026P―027P
過酷な行いに赴く人を激励する言葉。過酷でも、オオカミの口に入ることより楽だろう、といった意味。Crepi lupo!(くたばれ、オオカミ!)と言った言葉とともに、激励するというわけ。
@水を持ってきてくれる人はそのいれものをこわす人でもある。
faa yalo dzwee gbe(ガー語:GA) 052P-053P
「ガー」とは、ガーナの一部族とその言語を指します。もちろん、容器を扱う人は、その容器を壊してしまう可能性が高いわけですが、もし、そんな事態が起きても、その人への感謝の気持ちは忘れるな、という、いかにも水が貴重品である地域のことわざとして、当を得ていると思います。
@ガレージにいるタコのような気分。ENKONTRARSE COMO UN PULPO EN UN GARAJE (スペイン語:SPANISH) 062P-063P
勝手がわからず途方に暮れること。タコは海の生き物。このように、海生生物を挙げて陸では無能だということわざは、結構多いらしいです。もっとも、サンダースさんが言うには、タコ(蛸)は案外賢い動物であると、弁護しています。
今日のひと言:なかなか実のある、優れた絵本だと思います。私は地元の図書館で借りて読みました。姉妹品として『翻訳できない世界のことば』というのが、同じ著者、訳者、出版社から出ています。これも面白そうです。
- 作者:エラ・フランシス・サンダース
- 発売日: 2018/10/22
- メディア: Kindle版
- 作者:エラ・フランシス・サンダース
- 発売日: 2016/04/11
- メディア: 単行本
- 作者:諸橋 轍次
- 発売日: 1979/03/29
- メディア: 文庫
今日の一品
@柴漬けマッシュポテト
通常のマッシュポテトに、柴漬けを混ぜてみました。林檎を混ぜるのは有名なレシピですね。反省点としては、柴漬けをもっと細断したら良かったことかな?
(2021.03.20)
@エビとヒラタケのアヒージョ
弟作。アヒージョはスペイン料理で、「具材を、オリーブオイルとニンニクで炒めた料理。具材は、エビが有名ですが、何でもよい、自由度の高い料理です。他に塩輪切り唐辛子。
(2021.03.20)
@蕪(かぶ)の葉のイワシ粉炒め
根のほうの調理は後回しにして、葉を調理してみました。目玉は「イワシ粉」、良い味になります。他、コチュジャン、テンメンジャン、甘塩。
(2021.03.20)
@かぶら蒸し
幾つかのレシピを参照したところ、蕪をわざわざすりおろして卵白で固めるという操作が書いてあり、そんな無駄なことしなくても出来るはずだ、と、蕪の底、頭を切り取り、スプーンでくりぬき、小エビと山椒を入れて蓋をし、蒸し器で定常10分、火をとめ冷やす。ほどほどに冷えたところで、かたくり粉と昆布ダシの餡を掛けました。
(2021.03.21)
@ナガイモの短冊サラダ・4種のチーズソース掛け
弟作。ナガイモ、ヤマイモはとろろご飯には、粘りが足りなくて合わないが、短冊切り、和える料理は美味しい。今回の4種のチーズは相性がよかったようです。
(2021.03.24)
今日の詩
今年も庭に水仙が花咲いた。
水仙と言えば思い出す詩がある。
イギリスの桂冠詩人:ワーズワースの作品。
(桂冠詩人は、イギリス国家が認定する。)
一面に咲いた水仙を愛でて詠んだ詩だが
あいにく私は取り立てた詩ではないと思った。
一面に咲いた花を歌った詩であるなら、
山村暮鳥の「いちめんのなのはな」が遥かに良い。
友だちのハミルトンが「詩人と数学者、
どっちになったら良いか?」と訊いた所、
ワーズワースは「君には詩人の素質はない」と。
よく言うわ!
ワーズワースは2流の詩人だったと私は思う。
一方ハミルトンは1流の数学者になった。
(2021.03.23)
今日の三句
今はただ
無生物なり
木苺か
(2021.03.21)
モスグリーン
雨が降るたび
甦る
コケの生態です。このコケはギンゴケ。
(2021.03.21)
(2021.03.22)
今日の写真集
連翹(レンギョウ)の黄花。目に鮮やか。(2021.03.21)
セイタカアワダチソウの芽生え:憎まれっ子でも、小さいうちは可愛い。
(2021.03.23)
☆☆過去ログから厳選し、英語版のブログをやっています。☆☆
“Diamond cut Diamond--Ultra-Vival”
https://iirei.hatenadiary.com/
ダイアモンドのほうは、週一回、水曜日か木曜日に更新します。
英語版ブログには、末尾に日本語ブログ文も付記します。記事は
虚虚実実――ウルトラバイバルとはダブりませんので、こぞって
お越しを。
口上(読んでくださっている「あなた」に、謹んでお伝えします。)
ここ1週間はPCトラブルが多く、復旧に大変苦労しました。マイクロソフトに振り回され、ASUSの能力不足にも悩まされ・・・考えたのですが、ブログというメディアも落ち目だし、一応現在の英語版ブログ(Diamond Cut Diamond)は24話書きましたが、これが64話(易経の卦と同じ投稿数)になるのを期して、両ブログとも休眠状態にさせることに、概ね決めました。64-24=(あと)40話、順調にいけば約300日、来年の初めまでですね。その際、ブログ自体の削除はしません。休眠後も「はてな」が倒産しない限り、閲覧はできます。あと1年足らずで、「はてなの」2つのブログを休眠させることになりますが、新規に更新しないと言うことで、過去ログにコメントが来たら、出来る限り誠意をもって対応するつもりです。次の目標はちゃんと印税がはいる商業出版です。現在どの出版社にオファーするかは検討中ですが、題名は『水の専門家(衛生工学者)が見た中国哲学』(仮題)です。
なお、次のPCは、グーグルの「クローム・ブック」を買う積りです。
(2021.03.26)
追記:書き忘れていました。休眠後も、ブログ友さんたちのブログに訪れます。(2021.04.02)