虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

8050問題:現代の世相はここまで来た!:川崎の惨劇

8050問題:現代の世相はここまで来た!:川崎の惨劇

「8050(はちまるごおまる)問題」。この問題は、現代日本の抱える深刻な問題の一つです。この4桁の数字は、80=80代の老人、50=50代の中年を意味しますが、普通は80代の老人の介護に、50代の子供が奔走するというように思われますが、実はさにあらず、50代の「引きこもり」「NEET」の世話を80代の老人が見ることが多くなって来たという状況を指すのです。80と50、ちょうど30歳差で、1世代=1ゼネレーションの差、親子の歳の差を表すのですね。wiki から。


引きこもりの若者が存在していたがこれが長期化すれば親も高齢となり、収入に関してや介護に関してなどの問題が発生するようになる。これは80代の親と50代の子の親子関係での問題であることから「8050問題」と呼ばれるようになった。
2018年に内閣府は、40歳から59歳までを対象とした初の実態調査を行った。それは従来までは引きこもりの問題は若者特有の問題であるとして調査されていたものの、中高年の実態はどうであるかを把握して支援に役立てるため。そして2018年度の予算案に調査費として2000万円を計上した。


該当している親子というのは親には収入がなくなっている状態であり、親子で社会から孤立した状態になっている。2018年3月5日の北海道新聞では該当する親子がそろって孤立死したという記事が掲載された。これは1月に検針に来たガス業者が異変に気付き、中に入ってみれば親子で孤立死しており、これは前年に死んでいたと思われる状態であった。


こんなところがあらましです。おおむね2018年になってから問題の呼び名にこの8050問題が宛てられたというところでしょう。



月刊ケアマネジメント2019年3月号【特集】8050問題に注目 長期化するひきこもり

月刊ケアマネジメント2019年3月号【特集】8050問題に注目 長期化するひきこもり

8050問題を生きる 明日を語る言葉を見つけたい

8050問題を生きる 明日を語る言葉を見つけたい

今ひきこもりの君へおくる 踏み出す勇気

今ひきこもりの君へおくる 踏み出す勇気



「必ずしも、不登校の延長だけではなく、誰でもひきこもりの状態になり得るという状況が今あると思います。1つには、一度レールから外れるとなかなか戻れない社会の構造になっているということがあります。履歴書社会で雇用関係も大きく変わってきて、コスト競争などが激しくなり、非正規や派遣の数も増大している。そういう中で、非常に職場の環境自体がブラック化していて、そこで傷つけられる、あるいはものすごい働かされるということで、自分がこのまま職場にいたら壊されてしまうという危機感から、防衛反応としてひきこまざるを得ない人たちが増えているという現状があるのかな、と思います。」(池上さん)

(中略)
「ひきこもりの方たちの中には確かに精神疾患を抱えた人たちもいるんですけども、一方で社会的ストレスで、今の生きている社会から自分を守るために、命を守るために、あるいは尊厳を守るためにひきこもりらざる得なくなっている人たちが、最近増えているような傾向がありますね。」(池上さん)

(中略)
「支援のメニューの選択肢が少なすぎると思います。就労というのが1つのゴールになっていて、就労ありきの支援というものしか事実上なかったと思うんです。実態調査を行って、課題が何なのか、何を当事者たちが求めているのかを知った上でメニューを構築していかなければならないと思います。」(池上さん)

https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/96/

池上さんとは池上正樹さん、ジャーナリスト。


この記事はNHKで取り上げられた、8050問題のアウトラインです。(ハートネットTV 2018年4月24日放送「HEART-NET TIMES 4月」)


今日のひと言:引きこもり状態が続いて、もはや親にすがることも困難になってきた時代背景、全社会的なケアが必要だと思われます。2019年5月28日に川崎で起きた20人殺傷事件。20人以上に傷害行為を行い、うち2名の命を奪ってあっさり自殺した岩崎隆一(51歳)は、ニート(引きこもり)だったと報道されています。ニートがこのような陰惨で爆発的な行動を起こすことは、これからも起きるかも知れません。岩崎が頼っていたのは、80代の叔父叔母夫婦でした。この事例も「8050問題」の表れの一例でしょうね。





今日の一品


@ラム・卵・ニラ炒め


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弟作。スタミナが付きそうな食材の組み合わせ。味付けは昆布つゆ(ヤマサ)、コチュジャン

 (2019.06.05)



@梅酒


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やはり果実酒の王様、梅酒。今年は1.5kgくらいの群馬県産梅を使いました。(群馬県は梅の産地として和歌山県に次ぐ全国第2位の出荷量です。)青梅なのに赤い実も入っている変った実でした。
1.5kgの青梅、2lくらいの35度ホワイトリカー、砂糖150g位。半年もすれば飲めるでしょう。なお、漬ける前に2日ほど実を凍らせました。組織が壊れ、エキスが出やすくなるという情報をキャッチしたので。

 ‘2019.06.07)



@鯛の醤油汁


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鯛は「魚の王」と称されることもあり、捨てるところがありません。今晩は安売り・半頭40円弱の鯛の頭を煮て、醤油、ネギ、山椒で味付け、香付けしました。実に経済的かつ美味です。

 (2019.06.09)





今日の詩


@アナフィレクシー・ショック


今日昼下がり
木々に絡みつくヤブガラシ
刈っていた。


無心に作業していたところ
ピキッと痛みが走った。
左手の薬指の先端。


刺したのはたぶんミツバチ。
特にスズメバチに多いが
2度目に刺されると


アナフィレクシー・ショックが心配される。
体の免疫系が過剰反応し
ショック死することがある。


私は以前30年ほど前に
スズメバチの手荒い洗礼を受けている。
時間が空いていてもショック死はありうる。


今は刺されて4時間ほどになるが
たまにチクッとする以外特に異常は出ていない。
――命拾いか。

 (2019.06.08)





今日の四句


ペチュニア
アカバナユウゲショウ
仲良くね。


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アカバナユウゲショウのほうは、目立ちませんでした。


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:2016年の年賀状

 (2019.06.05)



梔子(クチナシ)の
白花咲けり
バニラ香


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見た目も香りも一級品な花木(果樹でもある)・クチナシ。今年は巧く写真が撮れました。

 (2019.06.06)



取水口
勢い威く(たけく)
ほとばしる


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このような水資源があるかぎり、農業は死なない。

 (2019.06.07)



梅雨に入り
流れ濁るる
放水路


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 (2019.06.08)