「ドクターG」である軍医と防衛医科大学校(随想録―43)
私は、受験生の頃、複数の医学部(3校)を受験したが、1校だけ落ち、防衛医科大学校の場合学科試験に合格し、あとは裸にされ、睾丸(こうがん)を調べられるという2次試験を受ける気がせず、それはパスした。十分に学力は認められたという形だ。
このときの数学の問題は極めて難しく、数学に、腕に覚えのあった私も、歯が立たなかった。他の科目で評価されたのだろう。東京大学理科1類の新入同級生同士で話したところ、彼も防衛医科大学校を受験し、2次もパスしたそうで(!!睾丸を見せたわけだな!!)、数学がけた違いに難しかったということでは合意した。彼は後、理学部数学科に進学した。
さて、この防衛大学校の学生は、「給料」をもらいながら医学を学べる。国防意識があり、かつ貧しい学生に売ってつけだ。軍医の守備範囲は広い。とくに戦闘行為で被った外傷を診て治療することが大きな仕事だろう。血まみれの兵士を診ても、あまりの傷に卒倒してはダメなのだ。また、病気の兵士間での流行を防ぐのも重要な職務だ。軍医にはいわゆる「ジェネラルドクター」(ドクターG:総合医)であることが要求される。ヘビー・デュ―ティーなのだ。
ところが戦争という場では、日常とは違う非日常が行われることがある。WW2のころ、石井四郎陸軍軍医中将(最終階級)が中心となり、中国人を捕らえてきては、感染症に無理矢理罹らせて、生物兵器の実験を行った「731部隊」のような、医学を悪用する例がある。
でも、軍医はあくまで臨床医であり、研究医のようには、医学の進歩に関わることはない。それであるがため、学習すると給料をもらえるということなのだろう。医者のキャリアをお金で購買させるということだろうな。
(2022.08.25)
今日の8句
数珠玉の
黄色い花が
咲きにけり
食用・薬用のハト麦と同類です。殻を取りにくいが、食用にもなります。
(202.08.20)
トラクター
草に同化を
果たしけり
(2022.09.01)
(2022.09.03)
マツバギクは、ハマミヅナ科、マツバボタンはスベリヒユ科の植物です。
(2022.09.03)
(2022.09.03)
タマスダレ
ニラと間違え
中毒に
(2022.09.03)
コキア茎
ここから紅葉
始まれる
(2022.09.03)
紫の
ムラサキシキブ
食える実や
(2022.09.05)