東大話法の「利点」:みみっちい論者の陥る言論の特徴
東日本大震災における福島第一原発の惨事を受け、東大の関係者が発言した体制寄りの論理について、一定の特徴を見出した安冨歩さん(東大東洋文化研究所教授)は、帰納した特徴のことを「東大話法」と名づけました。以下のような物です。
東大話法規則一覧
1. 自分の信念ではなく、自分の立場に合わせた思考を採用する。
2. 自分の立場の都合のよいように相手の話を解釈する。
3. 都合の悪いことは無視し、都合のよいことだけ返事をする。
4. 都合のよいことがない場合には、関係のない話をしてお茶を濁す。
5. どんなにいい加減でつじつまの合わないことでも自信満々で話す。
6. 自分の問題を隠すために、同種の問題を持つ人を、力いっぱい批判する。
7. その場で自分が立派な人だと思われることを言う。
8. 自分を傍観者と見なし、発言者を分類してレッテル貼りし、実体化して属性を勝手に設定し、解説する。
9. 「誤解を恐れずに言えば」と言って、嘘をつく。
10. スケープゴートを侮蔑することで、読者・聞き手を恫喝し、迎合的な態度を取らせる。
11. 相手の知識が自分より低いと見たら、なりふり構わず、自信満々で難しそうな概念を持ち出す。
12. 自分の議論を「公平」だと無根拠に断言する。
13. 自分の立場に沿って、都合のよい話を集める。
14. 羊頭狗肉。
15. わけのわからない見せかけの自己批判によって、誠実さを演出する。
16. わけのわからない理屈を使って相手をケムに巻き、自分の主張を正当化する。
17. ああでもない、こうでもない、と自分がいろいろ知っていることを並べて、賢いところを見せる。
18. ああでもない、こうでもない、と引っ張っておいて、自分の言いたいところに突然落とす。
19. 全体のバランスを常に考えて発言せよ。
20. 「もし◯◯◯であるとしたら、お詫びします」と言って、謝罪したフリで切り抜ける。
Wiki(東大話法)
(安冨歩:『原発危機と「東大話法」―傍観者の論理・欺瞞の言語―』 明石書店、2012年1月。・・・に、詳しい。)
日本を支える(?)、東大にまつわるエリートたちがいかにいい加減・無責任であるかを抉り出しています。欺瞞的で傍観者的な立論をする連中だというわけです。もっとも、批判している安冨さんも東大関係者ですから、説得力の点で見劣りするという意見もあります。
私も東大卒業者、上掲の「規則」に従って発言・行動をしたことがあるのか、忸怩たるものがありますが、確かに「東大話法」は東大関係者が往々にして持ち合わせていることが多い通弊かと思います。
それに比し、東大と並び称され、実際には実力は東大より上の京大には「京大話法」という言い回しは「出回っていません」。かつての受験マンガ『ドラゴン桜』で、両大学の入試問題を比較したお話がありました。東大の場合、問題数が極めて多く、いかに素早く問題を解けるか、試す問題であるのに対し、京大の場合、少ない問題数で良問を出題し、いかに問題について考え抜けるかを試す試験である、とされていました。(典型的には数学の問題。)私もこのマンガの立論に賛成です。
その問題の傾向から言って、東大は官僚を、京大は学者を養成する大学であると言え、両者は存在目的が違うのです。例えば東大受験での日本最難関:理3(医学部進学コース)がいかに難関を潜りぬけてきた優秀な学生たちを合格させていて、彼らが意気洋々と研究者になっても、ただの一人もノーベル医学・生理学賞を受賞していません。名前倒れですね。京都大学関係なら、受賞者は、利根川進さん、山中伸弥さん(神戸大学卒→京大教授)、と複数います。彼らは発想も枠にとらわれず、ユニークです。いかに潜在的に優秀であれ、東大に入ると、発想が阻害されるのでしょう。それは東大全体にわたる通弊であり、東大医学部の学生たちが特別に発想を阻害されているというわけではありません。東大と京大の採用する学生の資質については、大差ないと思われます。差がつくのは、やはり「学風」、「設立意図」の違いからなのでしょう。
今日のひと言:東大の土壌が、官僚を生み出すことのみに適していることがそのまま「東大話法」をあやつる似非学者(えせがくしゃ)が横行することを保障しているのだと思います。なお、安冨歩さんは、京大出身なようです。ある一面部外者なので東大批判もやりやすいのでしょうね。
今日の一品
@豚バラ大根
弟作。フライパンで最初いちょう切りにした大根だけ炒め、一回取り出し、改めて豚肉を炒め、大根を戻し、「Cook Do (豚バラ大根)」と水を加え、混ぜ合わせ、加熱、煮立った蓋をして10分煮ます。最後に強火で煮汁を絡めて出来上がりです。
(2019.12.02)
@クロソイの煮つけ
弟作。この魚はスズキ目・カサゴ亜目・メバル科・メバル属のもの。ちょっとグロテスクですが、さすがスズキの仲間、味には煌めくものがあります。醤油、ショウガ、少々の砂糖で煮ました。
(2019.12.03)
@里芋田楽
皮を剥いた里芋を一口大に切りそろえ、茹でて熱を中まで通し、皿に入れて、電子レンジで2分だめ押しの加熱。これに、味噌、砂糖、酢(少々)、ユズを混ぜたタレをかける。まずまずの仕上がり。
(2019.12.04)
@焼きネギ
太目の長ネギの表皮を剥き、10cmくらいに切りそろえ、オーブントースターで250度、15分焼きます。冷めた後、半分の長さに切り、タレ(赤みそ、砂糖、酢、水を練り合わせたもの)を乗せ、2分半レンジでチンしました。アツアツのネギが美味しいです。
(2019.12.06)
今日の四句
赤い橋
人は好むや
この色を
(2019.12.03)
今すでに
タネツケバナの
咲きにけり
タネツケバナは、小振りのアブラナ科植物。食べられます。地方によっては早春に咲くこの花を見て、稲の種を蒔くことからこの名がつきました。
(2019.12.05)
霜よもぎ
青天の下
白白(しろじろ)と
特に霜をかぶったヨモギが美しいです。
(2019.12.06)
川べりに
遊ぶ鴨らに
獲物なく
20羽くらい集まっていたでしょうか。
(2019.12.06)