虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

釈迦(シャカ)の頭はパンチではなくウンチだった:仏教の盲点

釈迦(シャカ)の頭はパンチではなくウンチだった:仏教の盲点


この前、「ウンチを頭に乗せた人物の絵」を描き、案外好評だったことを受け、釈迦の頭のイボイボはなんなのかと考えてみました。


iirei.hatenablog.com


これは正式には「螺髪:らはつ」と言い、釈迦をはじめとする如来像に大部分使われている「ファッション」です。これまでも、「あれはパンチ・パーマだ」という意見が定説になってきていました。ところが、「螺髪」は螺旋を模倣していて、渦を巻いていますから、これは「ウンチ:糞」と見ても問題ありますまい。そうすると、仏像1体、500個くらいは螺髪がありますから、これくらいの人数分の「ウンチ」を、釈迦は身に纏っていることになりますね。(東大寺の大仏で500個弱だそうです。wikiより)



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螺髪(wiki)


「釈迦は、そんな汚らわしいものではない!」という異論が出てくるのは当然だと思います。でも、そのように感じる人は、仏教の「いやらしい構造」を知らないのです。今回のブログのテーマは、「仏教の盲点を抉り出すこと」ですから、先に話を続けます。


私は以前「仏教の上下観」というテーマで1ブログ立てましたが、そのハイライト部分を持ってきます。


仏教的物の考え方で、老子の思想と大きく異なり、僕が好きでないものに、「上
下」観があります。この場合、広くインド的物の考え方としてもいいのですが・・・
明るいチベット医学」(大工原彌太郎)という本に書かれていましたが、上位のカースト
の人ほど、食べる食材が減るという話があります。どういうことかと言うと、たとえば、
土の中で出来るイモ類などは、穢れた土と同類だから、カーストの低い人は食べても、カー
ストの高い人は食べないことによって、カーストの低い人と差別化できる・・・その
ように、食べられるものが減っていき、高いカーストの人ほど短命だと言うのです。
お笑いですね。このお話しで注意すべきは、「土=穢れ=低い」という認識があるこ
とです。おなじような話として、蓮は、穢れた泥の中で育つけれども、その花は、空
中で高貴な花を咲かせる・・・といったものがあります。だから、如来の台座は蓮に
なっているのです。仏教はさすがにストレートに上=高貴、下=汚辱といったことは
言いません。六道輪廻の最上位の天も、流転の一つに過ぎず、釈迦はその輪廻の流転から
解放されたものとされますよね。でも、仏教の論理構成にも、これまで述べた
「上下」観がはっきり反映しているように思われます。ランクつけは、仏教の得意技
です。例えば、悟りの程度に応じて、縁覚(えんがく)とか声聞(しょうもん)とか
の分類をするのが仏教で、ちゃんと、上位=高貴という意識をもっています。


https://iirei.hatenablog.com/20070415iirei.hatenablog.com


ここいらが、私が仏教について懐疑的な理由です。中でも、蓮は汚らしい土から生えて、空中に清浄な花を咲かせる・・・如来の台座が、この蓮の花の上にあるというわけです。


これはインド古来の悪習:カースト制度と、発想は同じです。蓮の上の世界には、汚辱はない・・・この認識の人が、「釈迦の頭はパンチではなくウンチだった」という発想を聞けば、「この罰当たりが!!」と絶叫するでしょう。でも、考えて見てください、釈迦は解脱した人であり、綺麗も汚いも超越しているはずで、たとえ毛髪(螺髪)がウンチであったとしても、むしろ綺麗と汚いとのバランスが取れて宜しい、とするはずです。私の言葉に怒り狂う人は、釈迦を利用して、自らの宗教的地位を獲得・維持したいと思う者であろうと思います。まあ、大抵の新興宗教(仏教系)の教祖は、そんな人たちですね。特に名前は挙げませんが。釈迦の絶対の権威を後だてにするのです。




今日のひと言:釈迦本人によるという本(岩波文庫)を読んだことがありますが、穏やかで、それでいて、現世も来世も共に捨てるという過激な思想の本でした。そんな人がウンチの螺髪を拒むわけがありません。清濁なんて無関係ですから。ちなみに、螺髪というファッションは、実在の釈迦と、なんの関係もないようです。まあ、後世の創作でしょう。たぶん大乗仏教が発足した、紀元後の発想かと。なお、あたまにウンチ、という発想は、『江戸前・あ・めーりかん』(藤波俊彦)という漫画で、頭にウンコとしか思えないものを乗せていて「これはミソでーす!!」と主張するファンキーな人物がイメージの源泉です。









今日の一品


@サバ味噌煮缶と細切りゴボウの炒めもの


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缶詰の美味しい食べ方を追求していますが、今回はゴボウと炒めてみました。フライパンにごま油を敷き、ゴボウを炒め、味噌を足した缶詰の汁を投入、サバを加え、最後に山椒の粉。

 (2021・06.04)



クサギの炒めもの・クルミ、スリごま、にぼし粉入り


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クサギはこれまでも取り上げて来た、葉が食用になる雑木です。生命力旺盛で、どんなにイジメても次々に芽を出します。よく佃煮にしますが、今回は味薄めの炒めものにしてみました。


iirei.hatenablog.com


 (2021.06.06)



@ホタテ貝と干しシイタケの炒めもの・タラゴン風味


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使って重宝な干しシイタケ(自家乾燥)。ホタテ貝とごま油で炒めました。味付けは醤油、ハーブのタラゴン。シイタケの料理には、よくタラゴンを使います。なお、私は乾燥シイタケは買いません。冬菇(どんこ)という高級品もありますが、あれは温風乾燥させていると思われるので。名産地ともなれば、大量に生産するために、天日乾燥はしない気がするのです。ところが、天日乾燥によってこそ、ビタミンDの吸収を助けるエルゴステリンが生成するのであって、それなら、生シイタケを買ってきて、自分で乾燥させるほうが気が利いていると思うのです。

 (2021.06.09)







今日の五句


サティアン
住む人たちの
気が知れず


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むかし世を震撼させたオウム真理教事件。出家信者たちが住んでいた殺風景な居住空間・サティアン。差し詰めこの無機的な住居は「黒サティアン」。

 (2021.06.05)



新田(あらた)にて
何をついばむ
おいカラス


写真を撮る準備中に飛び立ってしまいました。

 (2021.06.06)



栗の花
天に向かいて
伸びるかな


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 (2021.06.06)



薊(あざみ)上
藤の実下へ
交錯し


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 二つの植物で、人を象徴しました。

 (2021.06.08)



あぜ道に
びっしり並ぶ
蒟蒻か


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群馬県は、蒟蒻(コンニャク)の国。

 (2021.06.11)





今日の写真集


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キョウチクトウ夾竹桃)の毒花  全草猛毒。(2021.06.10)


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麦を刈り取ったあと、すぐさま稲栽培に入る大胆さ。(2021.06.11)






☆☆過去ログから厳選し、英語版のブログをやっています。☆☆


“Diamond cut Diamond--Ultra-Vival”


 https://iirei.hatenadiary.com/




ダイアモンドのほうは、週一回、水曜日か木曜日に更新します。
英語版ブログには、末尾に日本語ブログ文も付記します。記事は
虚虚実実――ウルトラバイバルとはダブりませんので、こぞって
お越しを。