『ミニマムで学ぶフランス語のことわざ』:ことわざは普遍的?
『ミニマムで学ぶフランス語のことわざ』:ことわざは普遍的?
私は理科系として大学に入学しましたが、理科系に失望し、第二外国語はドイツ語でしたが、第三外国語としてフランス語を取り、実際に仏文科に行けるような成績だったですが、思うところあり、結局工学部都市工学科に進み、以後語学から離れました。結局フランス語の勉強は何にも生かされませんでしたね。(フランス語に賭ける思いがあった私は、大学の春休みに、フランス語を学び、
学習開始後ほぼ一ヶ月でアナトール・フランスの小説『ユダヤの総督』を原書で読みました。・・・なかなかスゴカッタでしょ?)
フランスのことわざの一例。
La montagne accouche d’une souris.
(和訳)山が一匹の鼠を出産する
7P
日本ではよく「泰山鳴動してネズミ一匹」とされますが、この場合、このフランスのことわざの言い換え「大山鳴動して鼠一匹」がもとで、泰山(中国の信仰の山)という意味は、全く入っていませんでした。フランスの(もしくはローマの)格言のほうが先にあり、モデルなのですね。
上で引用したネタ本は『ミニマムで学ぶフランス語のことわざ』で、大橋尚泰(著)、ヴァレリー・ノンジャレ 他(協力) :(クレス出版 2017年初版)です。この本は100個のフランスのことわざを、1ページ1個と割り振り、元のことわざと日本語訳を並べ、意味、用法、ポイント、参考、類、用例を説明するという具合になっています。
私はフランス語から離れて長いですが、この本のような発想のものは、そんな私も受け付けてくれるということで、なかなか得がたいものです。もう一つことわざの例を挙げましょう。
Pierre qui roule n’amasse pas mousse.
(和訳)ころがる石は苔を蓄えない
20P
昔は苔(こけ)が裕福の印とされ、このことわざは否定的な意味を持っていましたが、現在は苔を否定的に捉える風潮があり、苔をつけずに動き回るのが良し、とされ、ことわざの用例も違っているということらしいですね。英語では
Rolling stone gather no moss.
ということわざがあり、意味はフランス語の場合とほぼ同一のようです。日本語としては
「転石 苔を 生じず」というのが同様の意味を持ちますね。これは、欧米のことわざの直訳かも知れませんが。
今日のひと言:『ミニマムで学ぶフランス語のことわざ』は、ページ数約120と、薄い本ですが、ことわざから文化の有り様を覗くと言う意味で、優れた著作だと思います。フランス語に関心のある人、文化の相違点・同一性に関心がある人は、手に取ってみるのも良いでしょう。
ミニマムで学ぶ フランス語のことわざ (ミニマムで学ぶことわざシリーズ)
- 作者: 大橋尚泰/協力ヴァレリー・ノンジャレ他
- 出版社/メーカー: クレス出版
- 発売日: 2017/02/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
- 作者: ジャック・ピノー,田辺貞之助
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 1957/08
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 1回
- この商品を含むブログを見る
- 作者: エラ・フランシス・サンダース,前田まゆみ
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 2016/10/19
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (3件) を見る
今日の一品
@カキナのマヨ・バジルソース和え
弟作。カキナは群馬県・栃木県で栽培されるアブラナ科の野菜。茹でたカキナをマヨネーズ・バジルソース・胡椒で和えます。なんだかエキゾチックな風味になりました。
(2019.03.20)
@鮭のかば焼き
最近、脂気の多い魚がかば焼きとして店頭に並ぶことが多くなっています。鮭もその一例で、味は鮭ですが、脂身が美味しい一品となっていました。イワシのようにウナギのかば焼きとは似ていませんが、これはこれで美味しかったです。
(2019.03.21)
@ままかり酢漬け
岡山県特産で、「ごはん」(まま)を借りに行くほど美味しいということから名づけられた料理。この魚は「サッパ」とも言います。
(2019.03.22)
@リオナ・蜂蜜トースト
リオナは地元ハム・ソーセージ専門店で買った極太グリーンペパー入りウインナー。ハムとメロンの相性が良いことに鑑み、作ってみました。なかなか美味。
(2019.03.24)
今日の六句
朝散歩
うれしげなりし
お犬様
どの犬もそうです。
(2019.03.20)
丹精し
咲くやとりどり
ビオラ花
道行く小学生の女の子が「キレイ!」と言っていたらしいです。
(2019.03.20)
逞しや
野生のカキナ
息荒し
(2019.03.22)
白鷺(しらさぎ)の
カメラ出す間に
飛び去りぬ
案外白鷺は繊細なのでしょう。一緒にいた鴨二羽はそのまま居続けました。
(2019.03.24)
赤い龍
新芽は伸びる
ベニカナメ
(2019.03.24)
鉄塔に
囲まれ白き
浅間山
右下、浅間山。拡大しすぎて鉄塔の全貌が撮れませんでした。
(2019.03.24)