虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

2020-01-01から1年間の記事一覧

尋常な誕生ではない神話的人物たち:聖書、ギリシャ神話、日本神話

尋常な誕生ではない神話的人物たち:聖書、ギリシャ神話、日本神話 神話と言う意味からして、そこに登場する神々はもちろん普通の人ではありませんが、誕生の経緯まで尋常でない者が案外います。私が思いつく範囲で例を挙げていきます。 @1:人類最初の女…

合成洗剤には、燃やすと硫酸になる物がある。:酸性雨の原因

合成洗剤には、燃やすと硫酸になる物がある。:酸性雨の原因 石鹸より役に立つと、合成洗剤が使われるようになってから、かれこれ優に50年、半世紀たちますが、現在は石鹸との使用比率はどうなっているのでしょう?いまだ合成洗剤の使用比率が多いと思われ…

私のブログの特徴:「虚虚実実――ウルトラバイバル」

私のブログの特徴:「虚虚実実――ウルトラバイバル」 2005年10月に始めたこのブログ、2019年10月時点で15年継続し、一千百件ほど記事を挙げました。このブログは、そもそも災害と、より広く人間の安全を脅かすものも災害とみなし、広い意味での…

赤城山の表情集成~これまでの写真と句から~

赤城山の表情集成~これまでの写真と句から~ 作家で登山家の深田久弥は、「日本人はだれでも、心の山を持っている」(『日本百名山』)と語っていましたが、私にとって、それは赤城山です。これまで、散歩の度に見ていた赤城山について、まとめてみようと思…

齋藤孝の『30代の論語』:読者はサラリーマンだけか?

齋藤孝の『30代の論語』:読者はサラリーマンだけか? 齋藤孝氏は、私と同じ年に東京大学に入学したひとで、国語論、身体論などで有名になり、現在明治大学教授で、マスコミでの露出度マックスで活躍しています。ただ、私から見ると、粗雑な論理構成の書籍…

チャーチルの行動と名言:処世上有益かな?

チャーチルの行動と名言:処世上有益かな? サー ウィンストン チャーチルは、ヒトラー率いるナチス・ドイツに勝利を収め、一時の世界平和を演出したことで有名ですが、彼についてもっと知りたくて調べてみました。まずは広辞苑(第6版)より。チャーチル【…

螺鈿(らでん)と金:粋を尽くした漆工芸~尾形光琳の傑作

螺鈿(らでん)と金:粋を尽くした漆工芸~尾形光琳の傑作 「螺鈿」という言葉は以前から知っていましたが、アワビなどの貝殻を用い、漆器工芸の大きな柱として使われることをはっきり知ったのは、そう昔のことではありません。単なるカルシウムからなる貝殻…

公害とは、物質の偏在だ:学生の頃の私の見解

公害とは、物質の偏在だ:学生の頃の私の見解 私が学んだ東京大学工学部都市工学科・衛生コースは、主として水問題が専門であり、学ぶ気が大きければ大きいほど、多くの講座を取れる場でした。本来、上下水道を扱うので、土木工学は必要でしたし、水を綺麗に…

ヨモギとその素顔:ヨモギもハーブの一つ(マグワート)+♪パプリカ

ヨモギとその素顔:ヨモギもハーブの一つ(マグワート) 庭に移植したヨモギ(2020.03.22) 以下の文は、私の著作『野草を食べる・JIMI(滋味)!!』の記述です。(8P)ヨモギ(ヤイトグサ・ハーブ名:マグワート)多年草 キク科 ヨモギは生命力が…

ユダヤの総督 (アナトール・フランス著)和訳:(4)結

ユダヤの総督 (アナトール・フランス著)和訳:(4)結 アナトール・フランスの逸話:死後、彼は解剖されましたが、脳の重さが1000g位で、白人成人のそれが1500g位なので、小さい脳だったと言えます。この事例から、「知力は脳の重さとは無関係…

ユダヤの総督 (アナトール・フランス著)和訳:(3)転

ユダヤの総督 (アナトール・フランス著)和訳:(3)転 アナトール・フランスの逸話:格調高い詩や小説で有名な彼、いつも図書館とか書斎にいるかと思いきや、当時一般に普及しはじめた自動車を駆って、ヨーロッパ周遊旅行をしたそうです。流行にも敏感だ…

ユダヤの総督 (アナトール・フランス著)和訳:(2)承

ユダヤの総督 (アナトール・フランス著)和訳:(2)承 アナトール・フランスの逸話:彼はあるとき、フランス中世の文豪:ラブレエについての連続講演をしましたが、日一日聴衆が減っていき、最後にはだれも来なくなりました。でも彼は腐らず最後まで虚空…

ユダヤの総督 (アナトール・フランス著)和訳:(1)起

ユダヤの総督 (アナトール・フランス著)和訳:(1)起 この翻訳は、私が大学2年目に、フランス語を始めて、4か月後に行ったものです。著者のアナトール・フランス(1844-1924)には、キリスト教の虚妄を鋭く突く作品群に光るものがあり、ロー…

ベルギーで一部のコインが廃止らしい:愚挙!!

ベルギーで一部のコインが廃止らしい:愚挙!! ベルギーでは近い将来、最小通貨の1セントおよび2セントコインを廃止することを決定した。買い物などで端数が生じる場合は今後、1ユーロ2セントの場合は1ユーロと計算され、1ユーロ3セントの場合は1ユーロ5セ…

「ゆとり教育」と「新自由主義」:何が教育を殺す?

「ゆとり教育」と「新自由主義」:何が教育を殺す? 私が小学生のころ、夏休みに地域の小学生が集って、写生大会が催されたことがあります。私は写生が好き、また得意で、会場に生えていた松の樹を丁寧に描きました。さて、各自の作品の品評会になったとき、…

自画像は自己愛(ナルシシズム)の産物か?:私の場合。

自画像は自己愛(ナルシシズム)の産物か?:私の場合。 表題の疑問、確かにそうかも知れません。一般的に人は画家ではないために、その自己愛の表現として画家に肖像画を依頼するのではないでしょうか。 私の自画像1 ここに、画家が自画像を描く場合、必須…

渋沢栄一の正体:体制べったりのうさんくさい奴

渋沢栄一の正体:体制べったりのうさんくさい奴 渋沢栄一・・・私は、この人、どうにも胡散臭い(うさんくさい)人であるというイメージを抱いていました。実際どうなのか、調べてみました。まずは広辞苑第六版より。実業家。青淵と号。武州血洗島村(埼玉県…

大豆と方波見(カタバミ):葉を夜下げる点が似ている

大豆と方波見(カタバミ):葉を夜下げる点が似ている マメ科のクローバーとカタバミ科のカタバミには、大きな共通点があります。葉がおおむね3枚で(たまに幸運を意味する4枚になることとか)、夜になると葉が降下し、休眠するかのような状態になる点が、…

ラ・フォンテーヌと鹿島茂:売れっ子仏文学者の実際

ラ・フォンテーヌと鹿島茂:売れっ子仏文学者の実際 ラ・フォンテーヌは中世フランスの詩人。その、イソップ物語に想を得た寓話集は、お色気たっぷりな小話集と並んで、今でもフランス人の必須の教養になっているようです。おおむねこんな人です。 ジャン・…

素晴らしい出会い:拙著『水って、なあに?』を通じての。

素晴らしい出会い:拙著『水って、なあに?』を通じての。 私が以前書いた「水って、なあに?」のバックナンバー6話がブログ化してありますので、URLを書きますね。私が自然食の八百屋チェーンでバイトしていたころそのグループの機関紙「人間家族」に連…

ユリ目植物とキジカクシ目植物:えーい、紛らわしい呼称変更!

ユリ目植物とキジカクシ目植物:えーい、紛らわしい呼称変更! ひとむかし前だったなら、植物の分類は見た目で決められ簡単でした。主に花の形で決められていたのです。アブラナ科植物なら「十文字花科」とか。(花びらが4枚で、十字の形をしていたので。)…

ワレサ連帯議長の見た日本:特殊な資本主義

ワレサ連帯議長の見た日本:特殊な資本主義 東欧諸国は、ソ連(現:ロシア)の圧政の元に置かれ、労働・生活面で不如意でした。国の指導者は、ソ連の顔色をうかがい、返って国民には過酷でした。そんな中でも、特に歴史的にも大国の意向に翻弄されてきたのが…

ブールデルとマイヨール:彫刻あれこれ(2)男性美・女性美

ブールデルとマイヨール:彫刻あれこれ(2)男性美・女性美 この2人の彫刻家は、中学や高校の美術の教科書で紹介されていたと記憶しています。 アントワーヌ・ブールデルはフランスの彫刻家。(1861-1929)「弓をひくヘラクレス」で名高い彫刻家…

横文字単語の使用の実際:使用する心理

横文字単語の使用の実際:使用する心理 以前私は、工学部が「how」:(どのように)を扱う学部であるなら、理学部は「why」:(どうして)を扱うと、拙ブログで書いたことがありますが、この表現に噛み付いてきた人がいます。曰く「これらの言葉(how、why)…

「We has a Robots」:テクノポップの始祖=クラフトワーク

「We has a Robots」:テクノポップの始祖=クラフトワーク ドイツのロックバンド:クラフトワークは、一世を風靡した「テクノポップ」の創始者たちで、日本のYMOやイギリスのOMID(オーケストラル・マヌーバーズ・イン・ザ・ダーク)のような追随者を多数生…

酒粕(さけかす)の知られざる実力:レアーチーズケーキ超え

酒粕(さけかす)の知られざる実力:レアーチーズケーキ超え むかし、むかし、一人暮らしの私がこよなく日本酒を愛していた頃(1985年当時)、酒粕(さけかす)も偏愛し、酒粕のみを食卓に上げたことがあります。なんとその時、「私は酔っ払い」ました。…

サカキ・ナナオの詩集“Real play”:私の師たる大詩人

サカキ・ナナオの詩集“Real play”:私の師たる大詩人 春風献上!! 「サカキ・ナナオ」あるいは「ナナオ・サカキ」と言っても、知らない人が多いでしょう。この人は世界を我が庭とみなし、世界中を放浪して世界と対峙する作業を続けた人です。もちろん詩は日…