虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

ユリ目植物とキジカクシ目植物:えーい、紛らわしい呼称変更!

ユリ目植物とキジカクシ目植物:えーい、紛らわしい呼称変更!


ひとむかし前だったなら、植物の分類は見た目で決められ簡単でした。主に花の形で決められていたのです。アブラナ科植物なら「十文字花科」とか。(花びらが4枚で、十字の形をしていたので。)シソ科植物なら「唇形花科」。(花がクチビルに似ていたので。)


このような分類法をクロンキスト体系と呼び、ここ10年くらいで、植物の遺伝子レベルの分析によって分類するAPG体系が主流になったのです。遺伝子レベルの類似性と言っても、見た目にわからなくなったほど、混乱していますね。


実際、クサギ(旧:クマツヅラ科  現:シソ科)というのは、シソ類とは見た目に完全に別種の植物でして、無理やり科(あえて書くと、もっと上の目)を変えたように感じます。このような違和感を持つのが、今回ブログで取り上げたキジカクシ科(目)の植物です。この植物群について、wikiから引いてくると、



キジカクシ科(キジカクシか、学名:Asparagaceae)はキジカクシ目に属する単子葉植物の科の1つ。クサスギカズラ科ともいう。

(中略)

@Asparagoideae(キジカクシ亜科) - 2属約300種。APG IIより以前の体系ではこのグループのみがキジカクシ科とされていた。クサスギカズラ属が主要な属で、代表的な種としてアスパラガス、日本に自生するものではクサスギカズラ、キジカクシなどがある。主に旧世界に広く分布する。地下茎で繁殖する多年草。葉は退化して小さい鱗片状になり(アスパラガスの食用部に多数ついている)、生長すると茎はよく分岐して細長い葉のようにみえる。茎がつる状に伸びて他物に巻き付くものもある。
@Nolinoideae(スズラン亜科) - 約26属500種。
APG IIまでは、これらの各亜科は科として分離されていた。また、さらに古い体系では、これら全てがユリ科に含められていたが、現在では目レベルで分離されている。


元はアスパラガスを代表格にした植物群だったわけです。キジカクシという野生のアスパラガスが存在するわけです(茎が食用)。アスパラガスも以前にはユリ科植物とされていましたから、隔世の観があります。ここでは省略しましたが、キジカクシ科は7つの亜科で構成されるようですが、とくに毒草であるスズランも、いまやユリ科ではなく、キジカクシ科に分類されています。てか、キジカクシの類とユリの類は「科」どころか「目」の段階で、きっぱり分けられているのです。もちろん外にも混乱があります。ユリ科だった、ニンニク、ニラ、ネギなどはヒガンバナ科・ネギ属に分類されています。これらは、「毒草」だったの?


ユリ=キジカクシの部分をクローズアップしたものを掲示しますと、以下のようになります。(「被子植物の目レベルの系統樹」を参考にしました。)



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この図は、もっとも上の「単子葉類」から、下に向かって系統では子孫の植物が展開されるという書き方になっています。(「系統樹2」と書いてあるのは、別の事例について「系統樹1」というのを作成していて、ブログへの掲載順が前後したのです。)


https://ww1.fukuoka-edu.ac.jp/~fukuhara/keitai/angiotree_01.html

   (参考HP)

これによると、ユリ目植物とキジカクシ目植物は、家系図のように見ると、伯父と甥の関係にあり、やはり近縁の植物なのだな、と思いました。また、ヒガンバナ科の位置づけについては、wikiより


APGでは新エングラー体系のヒガンバナ科から数属(アルストロメリア属 Alstroemeria 等)を除いたものをキジカクシ目ヒガンバナ科としている。 さらに第3版(APG III)では、それをヒガンバナ亜科、新エングラーではユリ科に含まれていたネギ属及び近縁属(AGPIIではキジカクシ目ネギ科)をネギ亜科、 同じくユリ科アガパンサス属(AGPIIではキジカクシ目アガパンサス科)をアガパンサス亜科とし、ヒガンバナ科に含めている。



今日のひと言:↑の引用のごとく、いまだAPG体系の分類法はいまいちよく解りませんが、慣れていく必要があるのでしょう。植物愛好家としては。つまり、ヒガンバナ科は、キジカクシ目に属するということなのですね。



新しい植物分類体系—APGで見る日本の植物

新しい植物分類体系—APGで見る日本の植物

植物の特徴を見分ける本

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原色牧野植物大図鑑 (離弁花・単子葉植物編)

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  • 作者:牧野 富太郎
  • 出版社/メーカー: 北隆館
  • 発売日: 1997/04
  • メディア: 大型本
野菜・山菜博物事典

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今日の一品


@ツクネとキャベツ、トマトのスープ


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弟作。肉類として、鳥ツクネを用い、野菜としてキャベツ、トマトを使ったスープ。材料を水煮し、コンソメ、塩を入れて煮込みます。仕上げに胡椒。

 (2020.01.31)


@カボチャの養命酒


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昨年収穫し、食べきれなくて冷凍していたカボチャを、煮物にしました。切りそろえたカボチャを水、砂糖、塩を入れた鍋で煮、キャラウェイシードを入れたところで(遊び心)で最近飲み始めた養命酒を20cc加えてみて、少々煮、仕上げにシナモン。ちょっと養命酒風になったかな?

 (2020.02.02)



 @カボチャ・ポタージュ


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上の料理が、多く煮崩れしたので、丼8分目に牛乳300ccくらいを加え、ポタージュにしました。

 (2020.02.04)



@人参葉入り味噌汁


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貧乏性のため、根もとを水栽培し葉を生やした人参、ネギの代わりに香の物としてこの葉を入れてみました。少々テレピンぽい香りになったかな?

 (2020.02.02)




@菜の花和え


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春の味、菜の花。茹でてマヨネーズ、青じそドレッシングの混合液で和えました。苦さが半端ない。苦いのは当然ながら、この苦さは?

 (2020.02.04)





今日の五句


黒雲の
朝陽さえぎる
赤城山


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 (2020.02.01)



玄関に
たぶんカラスが
糞(ふん)落とし


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 (2020.02.01)



重しあり
怒り鎮める(しずめる)
白さかな


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浅間山は、世界的な活火山。天明の大噴火は、フランス革命の契機になったとも言われます。

 (2020.02.01)



赤・青・黄
気球は過ぐる
冬の空


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日曜日の気球飛ばし。カラフルです。

 (2020.02.02)



武尊山(ほたかやま)
稀に見えるや
冬の顔


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武尊山群馬県北部の独立峰、2158m。美しい山ですが、2000m超の山で、国立公園、国定公園、県立公園などに指定されていない日本唯一の山だとのこと。(wiki)

 (2020.02.04)