虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

「We has a Robots」:テクノポップの始祖=クラフトワーク

「We has a Robots」:テクノポップの始祖=クラフトワーク


ドイツのロックバンド:クラフトワークは、一世を風靡した「テクノポップ」の創始者たちで、日本のYMOやイギリスのOMID(オーケストラル・マヌーバーズ・イン・ザ・ダーク)のような追随者を多数生み出しました。YMO細野晴臣が「クラフトワークのコンセプトに負けない曲を作らなければ」と言っていた記憶があります。


クラフトワークというバンドは、人間とテクノロジーの相互関係について、独自の考察をして曲を書いていたな、という感想を、私は今でも抱いています。


ここに取り上げるのはアルバム「マン・マシーン」(邦名:人間解体)に収録された一曲「ロボット」です。この曲は(もっともクラフトワークの曲は全てそうなのですが)、単純なフレーズ、リズム、その反復で作られた曲です。



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(マン・マシーン(アルバムのジャケット)

 :この鮮烈なジャケットは、ロック史上、ベスト5には必ず入る印象的なものです。私の本心では、ベスト・ジャケットだと。服も背景も赤一色。4人の男性メンバーは口紅さえ塗っています。漫画家(現在はイラストレーター)、江口寿史はその作品『すすめ!パイレーツ』で、このジャケットをパロディ化しています。)



興味あるのは、何回も繰り返される「We has a Robots」というフレーズです。この英語、とても変だと思いませんか?weは複数なのに、それを受ける動詞がhas という三人称単数形、またaという単数の不定冠詞を頂くのにRobots という複数になっています!


どこをどう見ても、この4単語は、英文法の規則に反しています。クラフトワークはドイツ人だから英文法に暗かったのか?とも思えるでしょうが、私はクラフトワークが「わざとこういった言葉のつながりを作った」と思えます。


https://youtu.be/-wop47G2qeY

 :The Robots


ここでちょっと考えてみます。上述の解釈で大事なのは動詞(has : haveの三人称・単数・現在形)です。主語は we (人間たち)とせず、 a robots であるとし、ロボットが人間を所有する、と取るのはどうでしょう。その場合 we は目的語になり、us とするのがもっとも文法的に誤りが少ないことになるような気がします。すなわち、「ロボットは人間を所有していて、思うように出来る」ということでしょう。


クラフトワークについてwikiより

クラフトワーク(独: Kraftwerk ドイツ語発音: [ˈkʀaftvɛʁk] クラフトヴェルク・クラフトヴェァク、発電所の意)は、ドイツ出身の電子音楽グループ。


クラウトロックの代表格であり、テクノポップを開拓した先駆者として知られる。数多くのアーティストに多様な影響を与え、メディアからは「エレクトロニック・ダンス・ミュージックのビートルズ (the Beatles Of Electronic Dance Music)」とも評された。


(中略)


日本では1978年発表の7作目のアルバム『人間解体』によってディーヴォとともにテクノポップを成立させるきっかけとなり、イエロー・マジック・オーケストラに於いてはアウトバーン以前の頃から関心を持っていた坂本龍一による他のメンバーへの紹介により結成当初のコンセプトに影響を与えることとなる。

こんな感じです。


今日のひと言:40年以上も前に、こんな示唆的な歌があったにもかかわらず、人類は自分の首を絞めるであろうAI開発に血眼になっています。バカとしか言いようがありません。(もちろん、人間の労働人口が減少することへの「保険」だという考え方もあるでしょうが。)


参考過去ログ

iirei.hatenablog.com

 :AIに仕事を奪われる職業〜これぞディストピア


iirei.hatenablog.com

 :ホリエモン星新一(SF作家):現代を見る目の深浅




人間解体

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  • アーティスト:クラフトワーク
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1989/09/27
  • メディア: CD
アウトバーン

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  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1988/04/24
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ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー

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今日の一品

@パプリカの酢豚風餡かけ(スパプ)



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弟作。パプリカ(2色)を炒め、ケチャップ、酢、砂糖、塩少々を加え、最後に溶き片栗粉を流しいれてなじませる。

 (2020.01.07)



@蓮根と人参のハンバーグ


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蓮根中1本、人参小1本をすりおろし、塩、ローズマリーナツメグを入れ、すりおろした野菜は水を切り、等量以上の強力粉で捏ね、整形してフライパンで炒めます。人参の赤が消えてしまいましたが・・・

 (2020.01.08)



@プンパーニッケル


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本場ドイツ産のライ麦による黒パン。近くの手作りハム・ソーセージ屋さんで購入。これまでも紀ノ国屋のものを買ったことがありますが、黒というよりブラウンで、味も含め、この黒パンのほうが優れています。高い郵送費を払わずとも、これから美味しいのが手に入ります。250g、8枚入り。340円(本体)。チーズ、生ハムとも相性抜群。

 (2020.01.10)



@ハンペンのクラムチャウダー


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弟作。一口大に切ったハンペンを、クラムチャウダーの素、水、塩、チェダーチーズで煮込みました。味がなじんで美味しい。

 (2020.01.11)






今日の四句


白妙の
浅間山なむ
比類なき


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私が日常的に見ている山々でも、雪をかぶった浅間山はダントツに美しいです。

 (2020.01.10)



街中で
なにやらゆかし
スミレ草


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これは、松尾芭蕉の句のパクリです。終わり。

 (2020.01.10)



ここにあり
寒さに強き
ラベンダー


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北海道の富良野が栽培地として有名なように、ラベンダーは寒さに強いのです。ただ過湿には弱いです。

 (2020.01.11)



足元に
息づき眠る
ドングリや


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ギリシャの哲学者・数学者のターレスは、空ばかり見ていて、井戸に落ちました。それを老婆が笑いました。ラファエロの絵「アテナイの学堂」では、空を見よと空を指さすプラトンと、大地をこそ見よというアリストテレスの討論が描かれています。日光白根山の写真も撮ったけど(この山は標高2578mで、関東地方の最高峰。写真中央の白いのがこの山)、身近な地面の有様を句にしました。


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 (2020.01.12)