虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

大豆と方波見(カタバミ):葉を夜下げる点が似ている

大豆と方波見(カタバミ):葉を夜下げる点が似ている


マメ科のクローバーとカタバミ科カタバミには、大きな共通点があります。葉がおおむね3枚で(たまに幸運を意味する4枚になることとか)、夜になると葉が降下し、休眠するかのような状態になる点が、です。マメ科では、ダイズ、落花生、クズなどが、葉の休眠を起こします。まず、この2つの科について一瞥してみましょう。


マメ科の植物は、葉が羽状複葉になるものが多い。また「就眠運動(夜になると葉柄や小葉の根元(葉枕)で折れ曲がり葉が閉じること)」をするものもある。オジギソウでは触れただけで同じような運動を起こす。

(中略)

花の形態により伝統的にマメ亜科、ジャケツイバラ亜科、ネムノキ亜科の3亜科に大別されてきた(新エングラー体系など)。クロンキスト体系ではそれらを科にしてマメ科を3科に分割し、それら3科(すなわち、従来のあるいは現在のマメ科)の属する目としてマメ目を立てた。しかしいずれも、系統的な分類ではない。APGは広義のマメ科を採用している。

マメ科(wiki)


葉は複葉(カタバミ属のような3出複葉または羽状複葉)で、マメ科と同じように就眠運動をする(オサバフウロ属はさわるだけで動く)。花は両性、放射相称の5数性で、がく片と花弁および心皮は5個、雄蕊は多くは10本。果実は断面が五角形または星型、さく果(勢いよくはじける)または液果。

カタバミ科(wiki)


どちらでも触れられているように、マメ科植物とカタバミ科植物は、夜になると葉が「就眠運動」をします。この点からするとこの両者は「かなり近しい種類」の植物であるとも考えられますが、ここに「被子植物の目レベルの系統樹」というサイトから、この両者を含む区分を挙げてみます。ただし、この資料では、科レベルではなく目レベルで括られています、生物の分類では「界・門・綱・目・科・属・種」の大分類があり、目(もく)は科を含む集団です。

https://ww1.fukuoka-edu.ac.jp/~fukuhara/keitai/angiotree_01.html


以下の図がそうですが、系統樹系図のように捉えると、カタバミ目はマメ目と「伯父・甥」の関係にあることが解ります。かなり近い集団同士ということになるでしょう。また、私は以前、カボチャの葉も夜に就眠活動しているのを見たのですが、カボチャを含むウリ科植物も、カタバミ科マメ科に近縁なので、あり得る現象だと思っています。(図は、上から下に読みます。)


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今日のひと言:以前は植物の分類に「クロンキスト体系」という花の性質で分類していましたが、近年、遺伝子レベルの分析で分類する「APG体系」にとって換わられました。
むかしの分類に慣れた人には、解りにくい分類法です。例えば「アカザ科」は消滅し、「ヒユ科・アカザ亜科」にされたことなど。


参考過去ログ

iirei.hatenablog.com




新しい植物分類体系—APGで見る日本の植物

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植物の特徴を見分ける本

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植物一日一題 (ちくま学芸文庫)

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美しき小さな雑草の花図鑑

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今日の一品


@ニシンの煮凝り


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「煮凝り:にこごり」とは、煮魚を作ったとき、魚のゼラチンで出来るフルフル状のもの。一回消毒して作ろうとしましたが、あまり固まりませんでした。前回ブログで挙げた身欠きニシンの煮魚の副産物。

 (2020.02.19)



@岡ジュンサイいり野菜炒め


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ギシギシ

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キャベツ、モヤシ(緑豆の)、クコの実、岡ジュンサイを炒め、オイスターソース、醤油、胡椒で味付け。岡ジュンサイは、ギシギシのぬめりある新芽のことです。

 (2020.02.19)



@サンラータン(酸辣湯


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弟作。出来合いのスープで、豆腐、卵を煮ました。名の通り、酸(すっぱい)と辣(からい)のスープ。コンセプトはタイ料理のトムヤンクンに似ているかも。

 (2020.02.21)





今日の五句


雨の中
小山描かる
水墨画


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 (2020.02.17)



古株も
芽い出しけり
ネギの未


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 ネギの捨てられる部分も、栽培すれば増やせると確認したくて。

 (2020.02.19)



弁天や
琵琶を爪弾く
川の音


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 弁天(弁財天)は、幸運、財産、音楽を司るインド起源の女神。また、水、川の女神。

 (2020.02.20)



蛍光灯
蝿の止まるや
まだ二月

 (2020.02.22)



老梅(ろうばい)の
樹下に漂う
余韻かな


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梅も、バラ科の植物。バラのような香気がします。

 (2020.02.23)