酒粕(さけかす)の知られざる実力:レアーチーズケーキ超え
むかし、むかし、一人暮らしの私がこよなく日本酒を愛していた頃(1985年当時)、酒粕(さけかす)も偏愛し、酒粕のみを食卓に上げたことがあります。なんとその時、「私は酔っ払い」ました。これは誇らしいことか恥しいことなのかは解りませんですが、アルコール度数の低い酒粕で酩酊したというのは、それなりの特記事項です。どれだけ食べたのかは思いだされません。時に、渡辺美里の「マイ・レボルーション」がヒットしていました。
ところで、酒粕とは文字通り「酒のカス」だから、その価値は低いと思う向きも多いでしょうが、どっこい、酒粕は「健康食品」でもあるのです。実際、魚の粕漬けなんか、いまでも売られていますし、老若男女を問わずに愛好されている「甘酒」という飲み物もあります。
山田酒造食品株式会社の大吟醸酒粕
健康食品であることの根拠は、酒粕がたんなる米のご飯ではなく、それを発酵させた麹(かび)や酵母(細菌)のカタマリと変化していることにあります。これら微生物が活動した結果として、米には含まれない物質が含まれることになるというわけです。この状況は、日本酒と同じく醸造酒であるビールの場合でも(これも)「酒粕」である酵母のカタマリを元にして、薬剤「エビオス」が作られています。
その成分と効用の実際については https://www.sake-kasu.com/blog/?p=234
:有限会社エガミ オフィシャルブログ
を参考にしてまとめていきます。
成分
@タンパク質:良質な植物タンパク質
@ビタミン:B1、B2、B5(パントテン酸)、B6
@ミネラル:Mg、K、Ca、P、Zn、Fe、Cu
(ミネラルは、どこから酵母が持ってくるかは不明)
@βグルカン:免疫力増強、コレステロール降下
効能
@肝臓保護
@便秘解消:植物繊維
@糖尿病、肥満:予防、改善
@アレルギー:緩和
@美肌効果
@高血圧:改善
@ガン:抑制
@腎臓病:予防
はしょりましたが、案外広範な「疾病フィールド」のなかで、かなり多くの疾病に効果があるようです。でも、以上の効能は、上掲のHPに書かれていたに過ぎませんから、鵜呑みにするのは禁物でしょう。
今日のひと言:酒粕もいろいろなメーカー(主として酒蔵)が思い思いに販売しているのでしょうが、製品によっては、今私が食べているように、「レアーチーズケーキ」より美味しいと思えるものもあります。(数十年前とは違い、今私は酒粕を、酔わない程度に――食べているのです。)具体的には、茶色く熟成しているように見える「山田酒造食品株式会社の大吟醸酒粕」。ただ、発酵食品の通例として、菌のDNA由来のプリン体は多いでしょうから、食べ過ぎは「痛風」の元になるかも知れません。
NHKガッテン! 発酵パワー全開おかず「酒かす」「ヨーグルト」「酢」「みそ」「ぬか」 (生活シリーズ)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 主婦と生活社
- 発売日: 2016/10/14
- メディア: ムック
- 作者:中島 有香
- 出版社/メーカー: ニール
- 発売日: 2012/12/08
- メディア: ムック
今日の一品
@おせち
我が家のおせちは、男2人の兄弟暮らしであることから、簡素です。お雑煮を含め、品目は時計まわりに「伊達巻、かまぼこ、根布巻き」、「数の子」、「花豆の煮豆」です。数の子は、塩漬けの塩を抜きすぎ、ポン酢で味を調えました。花豆は、黒豆の代わりで、私が調理しました。お雑煮は日替わり分担で、元日は弟が担当。
(2020.01.01)
@角煮と白菜の炒めものディル風味
白菜の葉1枚半を一口大に切って、オリーブオイルで炒めます。角煮(「極洋」の缶詰)の肉をほぐして、タレごと入れ、さらに炒めます。最後にディルの葉を入れて炒め終わり、火から降ろします。
本来キャベツで作るほうがベターだと思いますが(水が出にくいから)、白菜の量を少な目にしたので、問題なくできました。
(2020.01.01)
@京都と秋田の結婚和え
スグキ菜
和え物
栽培していた京野菜:スグキ菜と秋田名産のトンブリを甘酢で和えました。スグキ菜は皮を剥き、塩でしんなりさせ、トンブリと合わせ、塩、梅サワー漬け(青梅:砂糖:酢を1:1:1で漬けた複合調味料)で和えました。
(2020.01.04)
@フダンソウのお浸し
お浸し
フダンソウ(不断草)は、一年中栽培できる、ホウレンソウの仲間。「途絶えない」から「不断」。ホウレンソウの取れない夏場が旬で、ナツホウレンソウとも言います。夏はもとより、冬でも甘くて美味。
(2020.01.06)
今日の詩
@「アンテナ」のソネット
私の五感はアンテナだ。
朝散歩し
アンテナ全開で歩くとき、
何かのシグナルが入ってくる。
歩きなれた道
何も異変がなければ
アンテナは反応しない。
もっとも、まったくない訳ではない。
今朝は白鷺が橋の欄干に佇んでいた。
優美なその姿を見た刹那、
写真には撮れまいと諦めた。
案の定、臆病なこの鳥、
すぐ飛び去った。
・・・こんなことも詩にしてしまう力業。
(2020.01.03)
今日の三句
梶の木の
枯れ枝集う
山鳩や
2020年、最初の散歩と一句。
(2020.01.01)
蜘蛛(くも)の糸
カンダタ吊るす
冬の風
芥川龍之介の同名小説よりイメージ。枯れ葉が糸で宙ぶらりんになっていました。
(2020.01.01)
マッソニア
年始違えず
開花する
ヒガンバナ科の球根植物。その姿と香りは一級品。20年ほど前に「サカタのタネ」から買ったが、毎年咲きます。(マッソニア・ロンギペス)
(2020.01.03)
今日の雑感 :本日の散歩の途中、ゴミ回収スポットからはみ出し、青カビの生えた袋一杯の柚子が散乱していた。このおびただしいゴミ、だれが回収するのだろう。捨てた人、たくさんもらった柚子の使い方を知らず、カビを生やして捨てたのだろう。ユズ湯、マーマレード、いろいろな用途があるだろうに。
腐れ柚子
(2020.01.05)