合成洗剤には、燃やすと硫酸になる物がある。:酸性雨の原因
石鹸より役に立つと、合成洗剤が使われるようになってから、かれこれ優に50年、半世紀たちますが、現在は石鹸との使用比率はどうなっているのでしょう?いまだ合成洗剤の使用比率が多いと思われます。そもそも、今回ブログの着眼点は、合成洗剤を焼却すると、どういうことになるか、が発想のキーです。なぜ燃やすか?現在我が家では粉石鹸を使っていて、むかし新聞の勧誘の手土産として新聞屋が持ってきたおびただしい合成洗剤をどうすれば良いか、ということで、「燃えるゴミ」に出してよいか、考えてみたのです。(そう考えたのは、いわゆる石油産業の産物である合成洗剤が、水に溶けて環境中に放出されれば、多くの問題を起こすという公然の秘密があり、合成洗剤の歴史と同じくらいの歴史を持つ「石鹸運動」がいくら頑張っても、合成洗剤を使わせる勢力には力負けしてしまう現状があります。)
合成洗剤第一号はいわゆるABSでした。ただ、これは自然界の中で分解されやすいLASに置き換わりました。ABSは「(分枝鎖型)アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム」、LASは「直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム」です。アルキル基が分枝しているのがABS、直線なのがLASです。
ところで、現在どんな合成洗剤が使われているかとwiki(合成洗剤)を見ると
@1:LAS =直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及び塩
@2:AO =N,N-ジメチルラウリルアミン=N-オキシド
@3:DAC =ビス水素化牛脂ジメチルアンモニウムクロライド
@4:AE =ポリオキシエチレンアルキルエーテル
@5:OPE =ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル
@6:NPE =ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
・・・これらの薬剤が一般に使われています。順に見ていきます。
@1:LASの化学式は以下、構造のなかにS(硫黄)が含まれています。もし、これを燃やすと、結果として硫酸が生成するでしょう。(いわゆる硫黄酸化物:SOXを経て)
https://www.nihs.go.jp/hse/ehc/sum2/ehc169/ehc169.html を参照
@2:N,N-ジメチルラウリルアミン=N-オキシド
化学式 C14H31NO これはN(窒素)を含み、燃やすと、結果として硝酸が生成するでしょう。(いわゆる窒素酸化物:NOXを経て。)
@3:ビス水素化牛脂ジメチルアンモニウムクロライド
化学式 C38H80ClN これはN(窒素)とCl(塩素)を含み、燃やすと硝酸、塩酸が生成するでしょう。あるいはダイオキシンも。
@4~@6 これらはSやNやClを含まぬ、C,H,Oだけの材料でできた洗剤なので、燃やすことについては特に問題はないでしょう。
AEの化学式 OH2(CH2)m(C2H4O)n
@1、@2、@3はどれも強酸の発生源となり、酸性雨を降らす原因になってしまうので、焼却処分はやらないほうが良い、という結論になるでしょう。なお、「LAS 燃やす」でグーグル検索してみたところ、この検索条件でのヒットはありませんでした。そんなことを考えた人がいなかったことが解ります。なお、SやNやClを含む合成洗剤が燃やすと強酸になるということは、燃やして完全に酸化されれば、酸素と結合する最終形態(酸化物)になるだろうと思われるからです。そうなると、真に環境問題を考えるなら、(すでに家庭にあるなら)合成洗剤を使わず、また焼却処分にも出さず、いわゆる「お宝」として、大事に保存して持っていることがもっとも妥当な行為だと思われます。製造しないのがベストであることは言わずと知れたことですね。
今日のひと言:水に流しても、火にくべても、問題を起こす合成洗剤。こんな厄介な物質を扱うには、人間の知能は劣りすぎていると思います。なお、界面活性剤としての合成洗剤の問題点を鋭く指摘した記述を、以下に挙げておきます。
:沈むアヒル
また、私も以前某雑誌(自然食の農産物を扱う八百屋グループの機関紙)に、水に関するお話を6話連載していました。ここで挙げるのは、石鹸と合成洗剤にまつわる一考察です。
酸性雨の一側面については以下を参照あれ。

- 作者:槌田 劭
- 発売日: 1983/01/01
- メディア: 単行本

- 作者:石 弘之
- 発売日: 1992/05/20
- メディア: 新書
今日の一品
@クワの新芽の半てんぷら
クワの新芽を摘み、多めのオリーブオイルとラー油、ネギ油少々をフライパンで加熱し、クワを投入、油が浸み込むまで炒め、火から降ろす。半分天ぷら(素揚げ)気分。味が濃厚で美味。
(2020.05.20)
@小茄子の明礬(みょうばん)漬け
綺麗なナスの漬物を作りたくて、買ってきた明礬。レシピではナス1kg、水1リットル、塩60g、明礬3g。水、塩、明礬を混ぜて火にかけ溶かし、冷やす。ナスに適量の塩、明礬を塗ったものを容器に入れ、溶液を注いでフタをして、圧力を掛ける。夏で一晩、秋、春で2~3晩漬けて食卓へ。色と味、まあまあ。
(2020.05.22)
@豚肉とサヤエンドウのナンプラー炒め
弟作。油を敷き、豚肉を炒め、サヤエンドウ、戻したキクラゲをいれ、胡椒、ナンプラー。
(2020.05.22)
@ヅケアボカド飯
アメリカで寿司ネタに取り上げられたアボカド。マグロ赤身のヅケのようにしたらどうだろうか、と考え、作ってみました。
賽の目に切ったアボカドを2時間醤油に漬ける。
醤油を捨て、炊きたてのご飯に乗せて食べる。これは美味!
(2020.05.25)
今日の五句
覆蓋(ふくがい)を
されつつ水路
音は生き
アニメ『千と千尋の神隠し』を連想してもらえれば。
(2020.05.23)
この二羽は
夫婦(めおと)か否か
飛ばぬ鴨
(2020.05.23)
アオサギの
一羽雄々しく
立ち居おり
(2020.05.24)
あなめでた
弥勒(みろく)の二体
首かしげ
(2020.05.24)
柿の木に
横たう猫の
目が光り
ご機嫌なまどろみなのでしょう。
(2025.05.25)