IYC(円の危険度指数)およびIEC,IDCについて
日本円の暴落の程度を示す指標として導入した。定義は以下の通りである。
IYC:円以外のN種の通貨があるとき、ある通貨に対し((今回の通貨の相場)−(前回の通貨の相場))を(前回の通貨の相場)で除し、
100を掛けてパーセント表示にする。その操作をN種の通貨に施し、それらの値の平均値をIYCと呼ぶ。(やはり%表示。)
IYCは、Index of yen crisis(円の危険度指数)の略称である。ひとつひとつの通貨の関係を見ただけでは、通貨グループ全体内での円の位置づけがわからないので、複数の通貨との関係を数値化する試みである。これがマイナスなら、価値が高くなっており、プラスなら価値が低くなっている。
ここでは、簡単にモデル化して、N=1の場合について試算する。その通貨の前回の相場を100として、今回もその価値は変わらないとする。ただし、円はかならず基準であるから、例えば円が10%の暴落の場合、相手通貨の相場は100/(1−0.1)となるはずである。そして、円の暴落の程度によってIYCがどう変わるか見る。
円の価値(%) IYC(%)
100 0
99 1
90 11
80 25
70 43
60 167
50 200
20 400
10 900
1 9900
(以下、高騰の場合)
110 −9
120 −17
140 −29
150 −33
200 −50
円が高騰する場合は、IYCの反応が鈍いが、暴落する場合はかなり極端に変化することが解かる。また、20%程度以下の「円の価値」の変動は、IYCがほぼ正確にその変動を示す。(**)
(**)X%の下落の時、IYC=100*X/(100−X)と計算できるが、Xが100に較べて充分小さいときには、IYC≒Xとなるのである。線形性があることになる。
外国通貨(外貨)の情報は、http://www.tokyo-card.co.jp/i/index.html (World Currency Shop)で手がるに入手できる。
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以上は2005.12.29日にエントリーしたブログ
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20051229
ですが、ユーロ(Euro)、ドル(Dollar)についても考察して、IEC,IDCを導入しました。
考え方としては、例えばある日のユーロを1と見なし、他の通貨をその日のユーロ値(例えば150円)で割り、ユーロを基準とした列をつくる。別の日にも同じ操作を施し、その2つの日の間でIYCと同様な操作をして、IECを算出する。同じようにIDCも算出出来ます。
ここに挙げた表は主にIYCの変化が書かれていますが、IEC,IDCも途中から併記してあります。それによると、IECは必ずマイナスですが、これはユーロが安定していることを示します。そして、IYCとIDCは、符号が必ず連動します。
私たちは、ドルとの比較でのみ通貨を考えることが多いですが、日本・円とアメリカ・ドルは、連動しているので、一連托生ですね。そこへ行くと、ヨーロッパの通貨は、どの国の通貨でも、安定していると思われます。
ロシア政治経済ジャーナル(北野伯幸氏主催)では、国際政治における通貨の劇薬ともいえる役割を語っていますが、「アメリカが何故イラクを攻めたのか」の理由として「フセインが決済通貨をユーロですることにしたから」だそうです。民主主義がどうのこうの、なんて、何にも関係ないのですね。ドルが世界の基軸通貨から引きずり下ろされるのが怖いのです。ブッシュ政権は。
ただ、巨大な国家赤字を抱えるアメリカ、いつかは日本を引き連れて奈落の底に落ちることでしょうね。
今日のひと言:それにしても、金融・FX市場はむずかしいですね。とりあえず、家族にはユーロを持つことを提案して、彼は実行しました。FX市場は予期せぬ現象が多いので、素人がデイ・トレードして儲かるものとは思えませんね。私には。
**表がアップできないトラブルが起きまして、重要な部分だけ表示しておきます。
IYC IEC IDC
07.02.10 5.13 −0.47 1.24
07.07.02 1.05 −0.06 2.97
07.08.16 −6.32 −0.88 −1.07
07.11.05 4.23 −1.85 4.78
あ、アップできてる・・・・
フィンランドの金融危機と国家マネジメント―21世紀に向かって脱皮した銀行群
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