虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

図書館でアットランダムに本を借りる

*1195596989*図書館でアットランダムに本を借りる


 中学生のころから、図書館は積極的に利用してきました。その昔、図書館もない山間で暮らしたときも、町の図書室で本を借りていたほどの本の虫です。
 最近は特定のテーマの本を借りたいことも多いので、あらかじめインターネットで図書館の蔵書を調べてから図書館に行きます。その場合、借りられる機会の少なくなった本がターゲットであるケースも多いので、閉架の本を借りるということになります。これは、絞りに絞った本の借り方と言えるでしょう。


 そのような借り方とは、まったく反対の借り方をしたくなることもあります。そこで「偶然の出会い」が期待出来るような方法を考えました。
 どうするかと言うと、おおむね「小説」「工学」「歴史」などのおおまかなジャンルは決めておき、そのジャンルの本棚に行って、目をつぶり、アットランダム(無作為)に3冊本を選びます。この時点で、本の内容は解りません。3冊集めたところではじめて本に目をやり、3冊を検討して、もっとも良い内容の本をそのジャンルの代表とします。


 私が利用する図書館では5冊借りられるので、全ての本をアットランダムに選んだとすると、  5*3=15(冊)から最大5冊を選び出すことになります。
 実際、そのように選んだ本のリストを挙げてみます。(アタリとあるのは良かった本)
○ 月×日
* 私の標本箱(ミステリー:吉村達也)アタリ
* 小さい会社の起し方(産業)
* 海外でのモノつくり(産業)
西洋美術史(美術)
* あと1冊は用意して選んだ
△ 月□日
* 列女伝―3(歴史)
統計学概説(科学)
* 算数が出来る子の育て方 まあアタリ
* あと2冊は用意して選んだ
□ 月○日
* ようこそ能の世界へ(芸術)アタリ
* 体内革命(健康)
* サンカ社会の深層をさぐる(民俗学)アタリ
* あと2冊は用意して選んだ

ちょっと例が少ないですが、ここに挙げた本の場合、全部で10*3=30冊アットランダムに選んだ結果、そのうち4冊がアタリだったことになります。だからアタリの本を選べる確率は
 4/30=13.3%


人によって違いはあるでしょうが、私の場合、10冊に1.3冊はまあまあの本にアットランダムにアタルので、5冊ともそのように選んだ場合
15*13.3%=2.0冊
2冊はアタリの本に出合うことになります。それにしても「私の標本箱」は面白かったなあ。現代日本のミステリー小説を読むのはこれが初めてでした。



あなたも一度アットランダムな本選びをやってみては?



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今日のひと言:図書館は本の小宇宙であると、つくづく思います。


薩摩乃風