虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

トホホ和歌の寒川猫持 + ミャンマーを支配する中国

 *トホホ和歌の寒川猫持 + ミャンマーを支配する中国
       (2ブログ抱き合わせです。)

言うてすまんが―猫持のトホホ相談

言うてすまんが―猫持のトホホ相談


   寒川猫持


 この人の和歌がもてはやされたのは、今から10年近く前になります。でも、その和歌は錆びずにその光芒を放っているようです。眼科医で、妻に逃げられ一匹の猫を飼い、寂しさMAXの状態で書いた歌集が「猫とみれんと」(文藝春秋)。今日はこの歌集を紐解いていきます。


 次の歌がつとに有名です。



 尻舐めた舌でわが口舐める猫
     好意謝するに余りあれども(13P)



そうそう、犬も猫も人間とは違う衛生感を持っていますからね。以下幾つか秀歌を紹介しましょう。



ゴルフして地球ばっかり叩いてる 
     確かにこれも球ではあるが(95P)



バラバラの首と手足と胴体の
     蒲団より出て猫持となる(124p)



 以上2歌は、理科系の寒川氏だからこそ詠みえた作品でしょうね。通常の視点ではなく、天文学や医学の視点が垣間見えます。


年の差はあるけどここに飛んどいで
       なぜなら君よ時はすぎゆく



この歌、自分がすっ飛んで行ったほうが良いみたいよ、と現在おなじく年の差恋愛中の私、森下は感じます。そうすれば、「私」は若返るから・・・相対性理論を根拠にして私は言いたいです。



今日のひと言:「トホホ」で括られる寒川猫持さん、やわな歌詠みではないようです。女性から見た和歌に改革を施したのは俵万智(「サラダ記念日」など)でしたが、寒川さんは男性の目から和歌に改革を施したのでしょう。



年の差恋愛に関するもう一首


年の差夫婦だってか てめえには
      関係ねえだろ  何だバカヤロ(ドリフターズ荒井注




  *ミャンマーを支配する中国

デモクラシーの理想と現実

デモクラシーの理想と現実

石油地政学―中東とアメリカ (中公新書ラクレ)

石油地政学―中東とアメリカ (中公新書ラクレ)

  ↑前者は地政学提唱者・マッキンダーの論文集です。

##今回ミヤンマーを訪れて一番印象付けられたのは中国の進出である。中国の雲南省から経済落差を利用してミヤンマーに進出していることは新聞でも報じられているが、驚いたことに、内陸雲南省からだけでなく、ヤンゴンに新しいコンテナ埠頭(5バース@220m)が上海、香港の資本で完成している。滞在中にミヤンマーの英字新聞(THE NEW LIGHT OF MYANMAR, 17 Dec.,1999)に「Improving road links]と題して、次のような記事が出ていた。イラワジ川にミヤンマー最長橋梁をはじめ幾つかの橋梁が完成し、タイからパングラデッシュへ通ずるハイウエイの一部であるヤンゴン・シットウエイ(アラカン州)間の道路が近い内に整備されるという。その途中にあるサンドウエ港は、中国の雲南省からイラワジ川を通って地理的に最短距離にある。

 これらの橋梁や道路にも中国の援助が入ってるといわれているほか、現在施工中、あるいは、至近年度に着工する水力発電所に対しても中国は援助をコミットしている。アジアの地図を見ると、中国はミヤンマーからはベンガル湾を経てインド洋にルートが開け、マラッカ海峡を押さえれば、中国が海と陸からタイ・インドシナを完全に包み込んでいるように見える。パキスタンからアラビア海を通じてインドもサンドウィッチにされている。日本のシーレーンはどうなるのでしょうか。##
  以上は資源開発会社の社員が書かれた日記です。↓
http://my.reset.jp/~adachihayao/sugi991225.htm


2007.9月、ミャンマーで、僧侶までもが(!!)参加したデモ隊までが(!!!)、軍事政権の非情な仕打ちで、あるいは傷つき、死亡し、逮捕されました。いい死に方しないぞ、タン・シュエさん。占いで首都を決めたそうだけど。どうせ中国の占いだろう。その方位は絶対「凶」だぞ。
 この点は、つい去年、タクシン首相をクーデターで追放したタイとは大きく異なります。
ただ、両国の後ろにいる、一匹の龍、中国と密接に関わっていると思われます。タクシンは華僑の出であり、中国の影響力を解消するための行為がタイでのタクシン追放だったと思われます。
 地政学的にいえば、ロシアや中国は大陸国家であり、海を強く欲するのです。中国から見ればミャンマーはインド洋に繋がる接点にあり、ミャンマーが中国自身にとって海への大事な回廊なのです。中国はミャンマー経由の石油パイプラインを着工しており、
 http://sakura4987.exblog.jp/3520311

ミャンマーが現状維持で、中国の意図どうりいてくれれば、中国はそれで良いわけです。言って見れば、操り人形ですね。ミャンマーにとって、民主化と軍政の2つの間を巡るジレンマがこれですね。中国がチベットとかウイグルとかでやった殺戮を、中国にかわって実行しているのが、ミャンマー軍事政権です。
また、ミャンマー天然ガスの埋蔵量が世界10位であることをはじめ、資源が多く、中国から見ればうまみがあるわけですね。それはインド、ロシアなどの「上海協力機構」(SCO)の会員国もそうでしょう。10月1日のNHKの「クローズアップ現代」ではこれらの国家の思惑もある、とは言及されていましたが。
 もし、この日記の初めで引用した文書のように、中国がミャンマー経由でインド洋に出れば、(当然海軍も進出するでしょうから)いわゆるシーレーンと言う意味でも大変なことになるでしょう。「ミャンマーは南の海を目指す中国の手足」となることでしょう。このように物理学的に国際関係を語れる見方を地政学といいます。以下を参照あれ。
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20051212




ミャンマーには
中国に行くパイプラインが通る
地政学上軍事政権は都合がいいので
変えることはあるまい。


PSこれは大国のエゴである。


今日のひと言:世界的な大国なら、地政学が必須の教養です。だからアメリカもロシアも中国も研究しているでしょうね。一方、日本はしていないでしょうね。アメリカにひたすら追従すれば大丈夫である、といった「予定調和」しかないだろうから。





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