月にまつわる話題:こんなにも解らない存在
西欧音楽には、月にまつわる音楽の曲が多いです。ベートーベンの「月光ソナタ」とかドビュッシーの「月の光」はどちらも名曲ですが、この両者の音階は、前者がハ短調、後者がハ長調。長・短の違いはありますが、同じ音階であることに驚かされます。月のことを表現するのに、同じタイプの音階が使われるという驚き。それは月が作曲家に要求するものなのでしょうか?月を表現するのに相応しい音階?
月には、優美な側面と恐怖の側面があると思います。以下挙げるのは私の過去ログです。
ドッペルゲンゲル(もう一人の私:オレが見た、月に照らされた青白い男は、去った恋人の旧宅で、腕をよじり苦しむオレ自身だった!;シューベルト、歌曲集「白鳥の歌」の13曲目。)
私は、上掲ブログで、月が持つ、人間の精神に与えるマイナスの作用を記述しました。もっとも、月の持つ力には、精神的分野におけるだけでなく、物理学的・生物学的な力もあります。すぐさま思いつくのは、女性の月経。この作用は、月の満ち欠けの周期をなぞるように、概ね28日周期です。(もっともほとんどの女性にとって、月経は、精神的にも大きな影響をもたらすものでしょう。私は男性なので、その経緯は解りませんが。)また、物理的現象である潮の満ち干きも、月の影響で起こります。
月という天体は、上の例にも見られるように、人間の精神にも肉体にも大きな影響を与えますが、ここに占星術の合理性といった話題に進めます。本式の占星術は、巷の星占いが、太陽が12宮のどこにあるかだけで占う(太陽占星術)ことに対し、太陽、月、諸惑星などの10個の天体が12宮の何処にあるか計算し、ホロスコープを作成します。そして、この図の上で惑星たちの作る角度などの相互関係を分析し、解釈するのです。
このホロスコープこそが、真正の占星術の命です。ホロスコープをつくらない太陽占星術は、まがい物です。特に、月は地球の衛星として公転周期が28余日と短く、ほかの星星との位置関係が変わりやすいので、占いに与える影響は多大です。月ほどの影響はなくても、ほかの惑星たちも何らかの影響が地球およびそこに住む生物に及ぶ、ということは当然なのでしょう。ここに、占星術の存在理由があります。
(もちろん、占いというものが、どれほど的中するのかは、占いの理論とは別の問題ですが。「新しい」占いだと称し、12要素に帰着する占いは、だいたい太陽占星術の焼き直しだと思って良いでしょう。落第です。故・細木数子の「六星占術」というものも、6×2=12に帰着し、このカテゴリーに収まります。2とは、占いにはよく登場する陰・陽のことです。)
現在世のなかの中堅を担う多くの女性たちにとって、アニメ『美少女戦士セーラームーン』は、馴染み深い作品だと思いますが、主役が、木星ではなく、火星でもなく、月の化身である月野うさぎであることが、大変大きなポイントになっていると思います。月は、比較的小さな天体であるとは言っても、地球とその上に住むものたちには甚大な影響力を持つのですから。
なお、中途半端な自称「短歌・俳句の改革者」:正岡子規は、月を歌った詩歌を「月並み」と馬鹿にし・排斥していました。なんと了見の狭いことよ。
今日のひと言:月にウサギはつき物。ウサギが月の住人であることの伝説の一つに、帝釈天と動物たちの逸話があります。それは過去ログに取り上げていますので、ご覧ください。
:ウサギは慈悲心を持つ菩薩(ぼさつ)だ・・・ピーターラビットの耳
月と言えば「かぐや姫」。あんな過酷な環境に住まわる天人たちは、とても生き物とも言えますまい。故:高畑勲さんの「かぐや姫の物語」でも、姫を迎えに来る天人たちの奏でる音楽は美しいと同時に非人間的でした。
:「かぐや姫の物語」:姫と翁(おきな)の相克
:天人の音楽(久石譲:作曲)
今日の詩
@だるまさんが転んだ
公園で女の子が5人で
「だーるまさんがこーろんだ」を遊んでいた。
ひとり年上の子の指揮で
ぎこちないながらも動き、止まりを繰り返す。
面白い遊びだ。
彼女らが熱中するのもむべなるかな。
こう解釈できる:
鬼が向こうをみている間の
女の子たちの動きは波動であり、
位置を測定できない。
自由に飛び回っている。
鬼が呪文を唱え終わり
女の子たちの方を向いたとき、
彼女らは動きを止めなければならない。
ここで女の子たちは物質になる。
位置を測定できるのだ。
以上は、物理学の一分野:量子力学だ。
「全てのものは、波動と物質の二面性を持つ。」
観測することで、物は始めて存在するのだ、と。
量子力学に疑問符を抱き続けたのが
この分野の創設者の一人、アインシュタインだった。
彼は「月は観測しないと存在しないのだろうか?
見よ、月は厳然とあるではないか」、と問うた。
量子力学の矛盾は、色々あるようだ。
@@これは、むかしのNHKが放送した「アインシュタイン・ロマン」
に出て来るお話。@@
(2021.12.31)
今日の7句
崩れ果て
野獣の住まい
廃屋や
敷地の北側に祠(ほこら)がありましたが・・・
(2021.12.30)
寒村に
里芋灯す
団欒(だんらん)や
収穫の喜びをたぶん家族で味わうのでしょう。
(2021.12.31)
バーズアイ
春を待たずに
咲き初めし
バーズアイは、オオイヌノフグリのこと。青く可愛い花を咲かせます。それで「鳥の目」。
(2021.12.31)
年はじめ
外で育ちし
逆ツララ
(2022.01.01)
霜柱
踏んでサクサク
コンポスタ
(2022.01,02)
名も知らぬ
イネ科の草の
お祭りか
(2021.01.02)
白くなり
雨を待つなり
ギンゴケや
コケは乾燥に強いのです。雨が降ればモスグリーンに戻ります。
(2021.01.04)
今日の写真集
早くも咲いた蝋梅(ろうばい)
(2022.01.01)
冠雪した武尊山(ほたかやま):2158m。群馬県北部にある。
(2021.01.02)
芭蕉、ヒガンバナ、リュウノヒゲが3種並んで生えています。どれも単子葉植物です。
(2022.01.03)
☆☆過去ログから厳選し、英語版のブログをやっています。☆☆
“Diamond cut Diamond--Ultra-Vival”
https://iirei.hatenadiary.com/
ダイアモンドのほうは、週一回、水曜日か木曜日に更新します。
英語版ブログには、末尾に日本語ブログ文も付記します。記事は
虚虚実実――ウルトラバイバルとはダブりませんので、こぞって
お越しを。