「占い」は信じるな!(佐藤六龍):日本の占いはインチキ!
この本『「占い」は信じるな!』の著者は、超常現象に否定的な科学者ではなく、占いの世界に長くいる、占いを生業とする人物です。たぶん、Dr.コパとか細木数子とかをよく知っている一般の人には馴染みのない占い師ですが、もっと踏み込んで占いを学んだ人には有名な方です。私の場合、「奇門遁甲:きもんとんこう」という方位術をかじり、神田の古本屋街にある、占い書専門店の原書房で、かなり高価な奇門遁甲の学習書を買ったことがありますが、その著者の一人が佐藤六龍さんだったのです。
佐藤さんの場合、「中国五術」という中国の占い体系を正確に継承していて、日本における中国起源の占いの、日本での立ち上げ方を熟知しているので、どの占いがどこでオリジナルと違っているのか、解ってしまう、というわけです。(中国五術:「命、卜、相、医、山」で、占いは「命、卜、相」の三つです。)
一時期、世間を魅了した「天中殺」については、そうとうナンセンスなものであることは、私にも解りますが、この言葉、中国では早い時期に「役に立たない概念」だと、唐の時代には捨てられたものだそうです。それが1980年代に和泉宗章さんが書いた本で大ブレークするのですね。「空亡」という、「なにをやってもうまくいかない」時期を指すのですが、ここに笑って済まされない事態が起きます。
この占いを知った夫婦が、結婚した日が二人とも「天中殺」という凶日に当たるということで前途を悲観、自殺するという社会的事件まで引き起こしたほどでしたが、このブームのカゲにはテレビの影響があったといわれています。
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このようなナンセンスな占いは、姿・形を変えて、占いを単純に信じてしまう人たちの間で生き残ります。細木数子の六星占術の「大殺界」は、「天中殺」と同じような概念でしょう。(特に調べる気もありませんが。)
九星気学という占い体系もありますが、これも中国での占いの一部を持ってきて、日本化した占いです。この占いも、さほど当たりません。もとは先ほど触れた「奇門遁甲」がベースで、一部を抜き取り、その後拡充したものです。九星は、奇門遁甲より構成要素が少なく、「その分、細密ではありません」。
佐藤さんの本ではなく、『三元奇門遁甲』(北条一鴻)で何回か自他ともに運勢を占ったことがあります。私はある女性を講演会に招きましたが、彼女のその日の運勢は「暴漢に襲われる」という不吉な相が出ていました。私は会の終了後、当然「ボディガード」として彼女についていったのですが、最寄りの駅まで同行し、彼女が「どうしてついてくるの?」と訊いたとき、「これは仕事だ!・・・」と答えてしまいました。(お互いに恋愛感情のあった彼女は)泣いて走って行きました。「これで襲われることもあるまい」とひと安心、彼女も出入りする一軒屋に私は泊まりましたが、彼女から電話があり、「私は貴方を見そこなった!しばらく私の前に現れないで!!」と言われました。その時、私は悟ったのです:「暴漢とは、オレのことだったんだ。」
この結末は悲惨なものでした。方位占いを信じたために、彼女の心(メンタルな意味で)を傷つけたのか、もし送って行かなければ本当に(疲れていた彼女が)フィジカルな暴漢に襲われたのか・・・一概には言えません。でも、占いの通り、物事を運ぶことの危うさを知った体験でした。ある意味、怖いものです、占いは。
また、私本人の未来も、『三元奇門遁甲』で27歳のとき占ったところ、「貴方は、30前に死ぬ」という結果が出ました。29歳の時、ある事件が原因で、「精神が死にました。」これは的中したな、と思っています。奇門遁甲について、北条さんに手紙でその原理について質問したところ、「地磁気の変化を計量する占いだ」との返事をもらいました。
今日のひと言:細木数子と並び、日本においては声望の高いDr.コパ。だいたい「東の部屋に青いものを置くとよい」とかいうアドバイスは、たとえば陰陽五行論をまったく理解していないという意味で、ナンセンスです。佐藤六龍さんも、この人をまったく評価していません。いわゆる風水という奇門遁甲から派生した占いのお話ですが、佐藤さんじゃないけど、中国のオリジナルの占いに立ち返るのが良いでしょう。もっとも、その中国五術が信頼の置けるものならば、です。それが大事。
「占い」は信じるな! :講談社+アルファ新書 (2008年初版)
三元奇門遁甲 :徳間書店(現在入手困難)
占いに関する過去ログ
https://iirei.hatenablog.com/entry/20051220
https://iirei.hatenablog.com/entry/20070116/1458359468
(玉石混交の布陣^-^)
今日の一品
@モロキュウ
キュウリを味噌に付けて食べるもの、という理解だけで作りました。赤味噌に梅サワー漬け、和辛子を入れ、均一化し、一口大に切ったキュウリにこの複合味噌を付けて食べました。
(2021.08.05)
@塩辛入り冷やし中華
いつものトッピングをちょっと変え、キュウリ、オクラ、錦糸卵、アボカド、イカの塩辛を入れてみました。青ノリもかけて。まずまずですね。
(2021.08.07)
@丸ナスの田楽
丸ナスを2個50円で入手したので、クックパッドの「米ナスの田楽」を参考にして作ってみました。縦半分に切ったナスを(20分くらい水で晒したあと)、底を作るように下部を切り、上を格子上に切れ目を入れます。これを電子レンジで5分(500w)、フライパンにごま油を敷いて切れ込みを入れた上面を焦げ目がつくまで焼き、降ろして特製味噌を塗って完成。味噌はこれまでにいろいろ使ったものを流用し、レンジで殺菌してから冷やし、ショウガを卸したもの、紫蘇みじん切りで風味を添えました。
(2021.08.07)
@塩辛スパゲッティ
いちどやってみたかったソース。美味しかったですが、味の濃淡があり、イカの塩辛を刻んで混ぜたほうが良かったと思います。
(2021,08,08)
今日の詩
@農薬の畔道を越え
一本の黄色は農薬を撒いた証拠。
これを越えると
コニシキソウ(毒草)の群落に出あう。
しかも良く似た野草の
スベリヒユ(食用)とも
仲良く共存してもいる。
まだまだ自然は人為に負けない。
(2021.08.07)
今日の五句
ウシガエル
鳴くや河原の
どこからか
牛のような声で、ゆったり鳴きます。ただ音の方向性が解りにくいです。
(2021.08.05)
ロフォフォラの
ひっそり咲くや
一日花
カクタス(俗にサボテン)の一種で、棘はなく毛が生えています。種類によっては、メスカリンという幻覚物質を持っています。烏羽玉(うばだま)とも言います。
(2021.08.06)
カエルたち
桶に陣取り
五行論
(2021.08.06)
中腹に
雲を帯びたる
赤城山
久しぶりに赤城山の句。山体の青黒い色と雲の白色の対比が見事。
(2021,08,08)
女の童(めのわらわ)
オシロイバナで
化粧する
河原に咲く紅白のオシロイバナ。
(2021.08.11)
今日の写真
道端に落ちていた柿の幼果。(2021.08.11)
☆☆過去ログから厳選し、英語版のブログをやっています。☆☆
“Diamond cut Diamond--Ultra-Vival”
https://iirei.hatenadiary.com/
ダイアモンドのほうは、週一回、水曜日か木曜日に更新します。
英語版ブログには、末尾に日本語ブログ文も付記します。記事は
虚虚実実――ウルトラバイバルとはダブりませんので、こぞって
お越しを。