虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

主婦たちに解って欲しくて書いた文章:水質分析の話

主婦たちに解って欲しくて書いた文章:水質分析の話


私は学生時代、水を専門としていて、水の問題の解決の重要なファクターとして、生活の場で水に接する主婦たちに語りかけることが大事だと思っていました。とくに@@生協と、水道水に含まれる「発がん物質:トリハロメタン」の月別濃度の調査を卒業論文として行ったこともあり、蛇口から彼女らとの付き合いが生まれました。そして月一回のデータおよび「読み物」としての水談義を、試験水と交換する形で、@@生協の担当者に渡したのですね。



f:id:iirei:20210820173101j:plain


調査自体は2年行い、初年度に千葉県&東京都、2年目に神奈川県&東京都と実施しました。当時トリハロメタンは騒がれていて、初年度の研究成果は、毎日新聞の全国版1面で報じられました。もっとも卒業して研究生として行った継続調査につき、その読み物に共感してくれた主婦がいて、研究終了時に@@生協神奈川本部でお話しをする機会を設けてくださいました。講演会ですね。なかなか有意義な会になりました。


その「読み物」については、残念ながら現在は散逸していて、手許にはほとんど残っていませんが、一部だけありましたので、掲載しようと思います。


BOD(ビーオーディー)とは何か?(解説)


有機物」の濃度のことです。


 ただし、ここで納得しないでください。一口に「有機物」といっても、星の数ほど無数にあります。石ころとか、金属とかを除けば、身のまわりの大抵のものは有機物です。(炭素:Cを中核にして作られた化合物です。)だから、それの1つ1つにつきあっていては身がもちません。そこで1つの策があります。つまり、


 直接 有機物をしらべるのではなく、水中の微生物に食べさせて、そのとき微生物が呼吸に利用する「酸素」の量で、「有機物」の量の代用にしよう――これがBODです。その名も「生物学的酸素要求量」。(Biological Oxygen Demand)
ちなみにビールのBODは10万ppm程度です。汚れた川なら、10ppm位です。(ビールの飲み残しを、排水溝に流したら、とんでもない負荷を川に与えるのが、このBODの比較から解ります。)


 BODに似たものにCODがあります。これは、微生物に食べさせるのではなく、化学物質に「食べさせる」=分解させるのです。(これも有機物の量を酸素で代用させたものです。:Chemical Oxygen Demand)



PPM について(解説)


濃度の単位です。いろいろな使われかたをしますが、ここでは「水」に使われる場合の話をします。

(1)PPM        =Parts  Par  Million

 (100万のうちの~部分)=(部分)・(~のうち)・(100万)

「100万分の1=1000,000分の1」ということです。


(2)また、PPMはmg/lと言い換えられます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1l(リットル)中に1mg(ミリグラム)のBODは、
1000cc(cm^3)中に1mgということです。(1l=1000cc)


1000×1000cc(cm^3)なら1000×1mgということです。
 (↑1m^3=1トン)


つまり100万cm^3中に1gです。ほら、(1)と(2)が重なったでしょう。


BODのところで言ったBOD20PPMというのは、霞ヶ浦の水を1l取ってくれば、有機物がその中に20mg入っているということです。(この文がわかりにくい人に・・・パーセントを思い出してください。パーセント=per cent、つまり100分の1=1%です。考えかたは PPMも同じことなのです。)



今日のひと言:私が自分について、良かったと思えるのは、密室の実験室に閉じこもらず、ひろく門戸を開けて、一般的な主婦たちと交流できたことです。例の講演会、楽屋裏のお話ですが、@@生協神奈川本部では、私が所望して、ビールを飲みながら講演しました。話も、「資料なんか読めば解る」と、ほとんど触れずに、主婦のお姉さんたちと雑談をしまくりました。この「講演会」には賛否両論あり、「不謹慎だわ」とか「私もビールを飲みたくなっちゃった」とかいう意見が講演終了後、あまた噴出したそうです。・・・まあ、取りあえず、成功裏に終わったとしておきましょう。(何の講演をしたのやら?)






今日の一品


@塩辛シソそうめん


f:id:iirei:20210820173223j:plain


昼食。懲りずに、イカ塩辛をソースにして、麺類を食べました。塩辛は細かく切りましたが、塩味が足りず、お茶づけ海苔(永谷園)を入れました。

 (2021.08.13)



ツチノコかぼちゃの煮物


f:id:iirei:20210820173306j:plain


f:id:iirei:20210820173500j:plain



野菜無人販売所で、太い蛇(ツチノコ)のような巨大かぼちゃを200円で買いました。計ると1.8kg。その3分の1の600gくらいを、蜂蜜、トウキビ糖、醤油で煮、仕上げにシナモン。蜂蜜が良く浸み込んだらしく、甘くて美味でした。

 (2021.08.13)



@ヒラマサのオーブントースター焼き


f:id:iirei:20210820173353j:plain


弟作。ブリの仲間だそうですが、脂身はあまりなく、さっぱりしていました。

 (2021.08.13)



中国茶器で淹れたセージ・ティー


f:id:iirei:20210820173549j:plain


とても合理的にお茶を淹れられる茶器で、自家栽培のセージ・ティーを飲みました。至福のひと時。


iirei.hatenablog.com


 (2021.08.14)



ツチノコかぼちゃのスープ


f:id:iirei:20210820173723j:plain


例の巨大かぼちゃのうち、300gくらいをスープにしました。前日の内に、圧力鍋で定常状態5分加熱しておいたもの、手ですぐに崩れるくらいになっていて、加熱して蜂蜜・
甘塩で味付け、仕上げにナツメグ。蜂蜜がちょっと多かったです。

 (2021.08.15)







今日の詩(2編)


@線状降水帯~水の牙


太平洋高気圧が弱く
寒気を北に追いやれない。
前線は日本列島上に居座り


温かく・湿った空気が
前線を目掛け・続々とやってくる。


これって、風を伴わない・静かな台風だ。
そして水は山を崩し・川を強め
甚大な被害をもたらす。


それは巨大台風と変わらないかそれ以上だ。
昨年的確な喩えを聞いた――


「まるで天上を流れるアマゾン川だ」、と。


 (2021.08.14)



風船爆弾散文詩


今日、NHKローカル局の放送を見るともなく見ていたら、WW2当時日本が開発・実戦投入した風船爆弾が話題になっていた。和紙をコンニャク粉で貼り付け、気密性の高い風船をつくり、これに爆弾を装着してアメリカ本土に飛ばす!極めてローテクだが、アメリカ側に6人の犠牲者が出たらしい。これはクラゲを模した兵器だな。一方アメリカ側は原爆を落とし、十数万の日本人の犠牲者を出した。これはシャーク(鮫:サメ)の兵器だ。そもそもが、クラゲの日本がシャークのアメリカに勝てるわけがなかったのだな。近衛文麿(このえ・ふみまろ)に開戦の是非を問われ、曖昧な受け答えをして、結果日本を滅ぼした山本五十六(やまもと・いそろく)には、大いに責任がある。(『凡将・山本五十六』by生出寿

 (2021.08.17)








今日の三句


いちど枯れ
再生したり
吾亦紅(われもこう)


f:id:iirei:20210820173941j:plain


有名な山野草。ハーブのサラダバーネットとほぼ同じものです。再生不可能かと思わる乾燥から立ち直りました。

 (2021.08.17)



稲の葉に
アキツ停まりし
秋来り


f:id:iirei:20210820174020j:plain


アキツ=トンボ。

 (2021.08.20)



大ぶりな
稲と見まがう
マコモかな


f:id:iirei:20210820174059j:plain


マコモはイネ科の草で、幹にカビの類が寄生して、真っ白に膨れます。これは食用になります。

 (2021.08.20)







☆☆過去ログから厳選し、英語版のブログをやっています。☆☆


“Diamond cut Diamond--Ultra-Vival”



 https://iirei.hatenadiary.com/



ダイアモンドのほうは、週一回、水曜日か木曜日に更新します。
末尾には日本語版を添えます。記事は虚虚実実――ウルトラバイバルとはダブりませんので、こぞってお越しを。