虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

タラゴン〜〜繊細にして豪放なハーブ

タラゴン」と言っても、怪獣ではありません。ハーブの一種です。


以前手持ちのタラゴンをプレゼントした方の評価は:


タラゴンはなかなかうっとりするとともになつかしいかんじのいままでにない感じのハーブでした。

・・・でした。


さて、タラゴンは、キク科のハーブで、広い意味での「ヨモギ」の一種になります。ヨモギも、「マグワート」という立派なハーブ名を持っています。同じくヨモギの仲間で、「ワ−ムウッド」というハーブがありますが、これは毒草と言ってもよく、ツジョンツヨン)という毒成分を含み、「魔酒」「アブサン」に配合されていました。ヴェルレーヌランボーなどが奔放な生活をしていたとき、飲んでいたのがアブサンです。中枢神経を麻痺させる毒です。最近まで製造は禁止されていましたが、ツジョンを抜く工程が出来上がったので、今ではまた製造されているらしいです。


ちょっと脱線すると同じくキク科の「ゴボウ」も「バードック」というハーブ名を持ちます。バードックは根ではなく葉を使うのがヨーロッパ流です。


ここまで、「タラゴン」と一口に呼んできましたが、実はタラゴンには2種類あります。一つが「フレンチ・タラゴン」、もう一つが「ロシアン・タラゴン」です。前者は香り高き香草ですが、「種」では増やせません。株分けだけです。後者は「種」で増えますが、
「香り」はあまりありません。そうすると、ハーブとして使用できるのはフレンチ・タラゴンだけということになるわけです。(なお、タラゴンは別名エストラゴンとも言います。)


このタラゴン、料理用の用途として、以下のものがあります。


葉:温かみのある、微妙な良い風味を出すために、葉は控え目に使うこと。多量に用いると、独特の強いにおいが他の材料の持ち味を消してしまう。タラゴンはチャービルやパセリなどとともに、フランス料理には欠かせないスパイスの一つになっている。葉をビネガーに入れたタラゴンビネガーはベアルネーズソース、タルタルソース、オランダソースに混ぜ合わせる。


刻んだ葉は、アボカドの詰め物や、魚料理用のマヨネーズ、サラダドレッシング、軽いスープ、トマト料理、オムレツ、スクランブルエッグに加える。ハーブバターは、野菜料理、ステーキ、チョップ、魚のグリルに。タラゴンをすりつけたチキンをローストしたり、チキンの詰め物に混ぜたり、ピクルスやマスタードのびんに入れてもよい。また、アイスキューブにし、冷たい飲み物を作れば、独特な風味が楽しめる。


ペルシャ人は、ロシアン・タラゴンを焼き肉料理に使う。

「ハーブ図鑑110」(レスリー・ブレンネス:日本ヴォーグ社) P18





今日のひと言:このタラゴン、少量使うか、大量に使うかで、料理を生かしたり、壊したりします。案外扱いの難しいハーブなのですね。



ハーブを取り上げた過去ログ・・・

http://d.hatena.ne.jp/iirei/20051215ナスタチウム

http://d.hatena.ne.jp/iirei/20051227 : セージ

http://d.hatena.ne.jp/iirei/20060110  :タイム

http://d.hatena.ne.jp/iirei/20080506グッド・キング・ヘンリー

http://d.hatena.ne.jp/iirei/20081013ヒソップ

http://d.hatena.ne.jp/iirei/20080928ホアハウンド

http://d.hatena.ne.jp/iirei/20100101フキタンポポ

http://d.hatena.ne.jp/iirei/20110326ヘンルーダ、タンジー



生活の木 有機ハーブ タラゴン 100g

生活の木 有機ハーブ タラゴン 100g




今日の料理


@イタリア国旗炒め




レンコンを短冊状に切ってゴマ油で炒め、2、3分経ってから、あわせた長さに切った「ニンニクの芽」(実はニンニクの花穂)を加え、最後に細かく刻んだ梅干し2個を味のもととして加えました。「ニンニクの緑、レンコンの白、梅干しの赤」が揃っているので「イタリア国旗炒め」。

 (2015.10.05)



雲南百薬のゴマ和え




数年にわたって栽培してきたこの植物、今年は越冬を失敗させたらしく、諦めかけていたときにツルが伸びだし、命をつなぎました。その分生育期間が短く、収穫量はこれまでよりも落ちました。この植物はゴマと相性がいいようです。

 (2015.10.06)



@鶏ムネ肉のマヨネーズ・バジルソース炒め




弟作。切り分けた肉をまず茹でて、フライパンでマヨネーズ・バジルソース+塩少々と炒めました。なかなかの風味。

 (2015.10.07)





今日の二句


芋虫が
線路に向けて
一直線


この芋虫は自殺企図を持っていたのでしょうか?

 (2015.10.06)



小ミミズが
S字を描いて
死ににけり


道路が舗装されているので、道路の上に出てきたミミズはそのまま死ぬほかにはありません。

 (2015.10.08)


(今回2句は、辛気臭い句になってしまいました。たまたまですけど。)



今日のロシア・フォルマリズム


@食パン:「全てのパンは食べるもの」であるから、この言葉は無意味。病んでいる。 

@乗用車:「全ての車は乗るもの」であるから、この言葉も無意味。病んでいる。

 (2015.10.06)