虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

恐るべき料理人:易牙(えきが)~実子の肉を王に出す

恐るべき料理人:易牙(えきが)~実子の肉を王に出す


むかし、本宮ひろ志のマンガ「男一匹ガキ大将」という作品で、主人公の前に立ち塞がる男が登場しますが、その男:仲代は、元天ぷら職人で、彼をスカウトすることになる裏社会の大物が、「お前は何でも天ぷらに揚げられるというが、お前の指も天ぷらにできるか?」と言われ、職人「食べてもらえますか?」と聞き返すと、大物「食べよう」・・・そこで男は自分の左小指を切り、天ぷらにするのですね。大物:「ほお、こりこりしていて、美味いの」恐るべき主従関係です。


中国には、この男にも増して怖い人物が登場します。それが春秋戦国時代の料理人;易牙です。(史記より)


wiki(易牙)より

易牙(えきが)は、中国・春秋時代の料理人。斉の桓公に仕えた寵臣「三貴」の一人。別名、雍巫。

自分の子供を食材にした料理で主君の舌を喜ばせたという理由で名料理人としての評価を確立し、斉の桓公の料理長として大夫まで出世した。

紀元前645年、その度を越えた酷薄さと自己の栄達のために手段を選ばない姿勢を警戒され、管仲により職を追われるが、料理がまずくなったという理由で再び登用され、復職する。(管仲は死の間際まで易牙を警戒し、主君の桓公に対してもその再登用を諫め続けていた。)

紀元前643年、桓公の死後、その葬儀も進めずに後継者争いに加わり、多くの犠牲者を出すほどの国政を混乱させた末、魯に亡命した。



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とんだ外道と言ってもよいでしょう。人の肉を食べる行為、これを英語ではcannibalism(カニバリズム)と言い、この恐るべき行為は、でも、歴史のあちこちに登場します。有名なところを2例挙げれば、フランスを舞台に、オランダ人留学生の女性を殺してその肉をあちこち食べ、喰い切れなかった部分を遺棄して足がついた佐川一政(さがわ・いっせい)、当初は精神病院に入れられましたが、現在は娑婆でのうのうと暮らしているそうです。これは一種の精神異常の例だと思います。そうでなくて、「生存のために」人肉を食べざるを得ないという、ほかの選択肢がない状態で人肉を食った、軍用船の船長がいます。「ひかりごけ事件」。wikiより


ひかりごけ事件ひかりごけじけん)は、1944年5月に、現在の北海道目梨郡羅臼町で発覚した死体損壊事件。日本陸軍の徴用船が難破し、真冬の知床岬に食料もない極限状態に置かれた船長が、仲間の船員の遺体を食べて生き延びた事件。


歴史上、食人は度々発生したが、本件は刑を科せられた初めての事件とされる。刑法に食人に関する規定がないため、釧路地裁にて死体損壊事件として処理された。


名称は、この事件を題材とした武田泰淳の小説『ひかりごけ』に由来する。なお、武田は犯人と接触したことはない。


ここで出てくる「ひかりごけ」は、洞窟などに生えるコケで、自分からひかるのではなく、他の光源からの光を、反射して、光ったように見えるという特殊なコケです。



今日のひと言:以上のような食人の系譜に、易牙の事例も連なるのでしょうが、悪辣さでは群を抜くでしょう。「三貴」との呼び名は、いわば「3悪人」と、賢明な管仲が名づけ、こいつらには注意しなくては、と桓公に言い聞かせていましたが、中原の覇権を握った桓公管仲の死後はその戒めを破り、三貴を重用したため、自分の遺体さえ葬られてもらえずに(2カ月放置され、宮殿の廊下にさえ、死体から湧いた蛆虫が出てきたと言います)、権力争いにうつつを抜かしたという行動を許してしまったわけです。(管仲のサポートで覇王になった愚鈍な王の末路でした。)


iirei.hatenablog.com





今日の一品


@ツイスト蒟蒻のピリ辛炒め煮



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蒟蒻(こんにゃく)をツイストさせ、フライパンにゴマ油を敷いて蒟蒻を入れ、水、醤油、蜂蜜を加え、私が以前栽培した唐辛子「羅帝」を半分仕上げに入れてひと煮立ち。皿に盛って、ケシの実を散らしました。

 (2021.08.27)



@塩辛入りビビンバ


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スーパーにて一式198円で売っているナムルを買い、塩辛も入れてビビンバ。美味しい。韓国にもイカの塩辛はありますが、イカに唐辛子をまぶしたもので、以前韓国からの留学生で、韓国食材店で働いていた男性に「塩辛に限っては、日本の方が美味しいようだね」と言ったら、憤然としていました。だって、そうなんだも~ん。

 (2021.08.28)



@在庫一掃野菜炒め


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食べないで残った野菜4種(ニンジン、ナス、ピーマン、シシトウ)を炒め、ニョクマム、山椒、ナツメグクローブで味付け。ニョクマムの臭さを、スパイスでマスキング。

炒めものは、中国料理の精髄です。どんな食材でも差別を設けず、むしろ無関心に鍋を撹拌すると、あら、不思議。一品出来上がり。

 (2021,08,28)



@ある日の昼食(乾パンとビール)


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麺類も、ご飯も食べたくなくて、非常食の乾パンを昼食にし、ビール、ミニトマトとで昼食にしました。その直前には、たい焼き半分食べています。「この乾パンは私の肉だ、このビールは私の血だ。」

 (2021.08.29)



ビビンパ風そうめん


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そうめんに、茹で卵、アボカド、ミニトマトをトッピングし、永谷園の「お茶漬けの素」を掛けてかき混ぜました。それでビビンパ(混ぜご飯)。

 (2021,08,30)







今日の詩


@硫酸(散文詩


人に危害を加えるために「硫酸」を使う者が多い。これはなぜか?・・・それはね、「強酸主義(共産主義)」だから。8月28日の報道では、むかし同じサークルにいた同僚に硫酸を掛けた男が捕まった、そうだ。かなりまえ、中国で恋人の女性の顔に硫酸を掛け、顔を台無しにした男性がいた。男は「一生、恋人の面倒を見る」と言ったが、裁判所は死刑を言い渡したそうだ。


それにしても、硝酸、塩酸などと強酸もいろいろあるのに、人に掛けるため、特に硫酸を使う者が多いのは、なにか積極的な理由があるのだろうか?

 (2021.08.28)






バンクシー小劇場(動物に関する詩を書きます。不定期。)


ゴキブリは、塩の袋に絶対入らない・・・死・生(し・お)を知る。

           (2021.08.28)







今日の一首


瀧と落ち
水底めぐり
風呂の水


湧き上がりては
水泡歌う


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風呂に水を入れたのです。

 (2021.08.30)







今日の五句


河原をば
支配するなり
秋の覇者


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カラスウリのことです。このつる草が、冬を迎えるまえに、植生で優越するのです。

 (2021.08.26)



蜘蛛の糸
自然界一
強靭に


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 (2021.08.28)



よれよれで
暑さに耐える
サトイモ


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 (2021.08.28)



河原草
整地したれど
ギシギシが


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 (2021.08.28)



隠れおり
石仏やさしく
語り掛け


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 (2021.08.28)







今日の写真集



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   A

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   B



稲の生育度の比較A、B。(2021.08.26)

Aの農家は、人より3週間は早く田植えをします。その時には、地下水をくみ上げて使っているようです。無駄使いのような・・・




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オオニシキソウコニシキソウより大きいが、やはり有毒。
          (2021.08.27)




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乾燥しても枯死しないギンゴケ。(2021.08.30)








☆☆過去ログから厳選し、英語版のブログをやっています。☆☆


“Diamond cut Diamond--Ultra-Vival”


 https://iirei.hatenadiary.com/




ダイアモンドのほうは、週一回、水曜日か木曜日に更新します。
英語版ブログには、末尾に日本語ブログ文も付記します。記事は
虚虚実実――ウルトラバイバルとはダブりませんので、こぞってお越しを。