海藻いろいろ:頼りになる水生植物たち
海藻いろいろ:頼りになる水生植物たち
私は以前過去ログで「ハバノリ」を取りあげたことがありますが、海藻にはスゴイパワーが潜んでいるようです。
過去ログ:http://d.hatena.ne.jp/iirei/20060115
(潮風の贈り物 起死回生の食材 美味しんぼ特集その3)
良く似たものに「海草」というのがありますが、これは陸上の植物と同じく種子植物で、胞子で増える海藻とは区別されます。
その利用法としては、まず食用。
海藻には水溶性食物繊維が豊富に含まれており、水溶性食物繊維は食後の血糖値の急激な上昇を抑制する。人間に必要な多種の栄養素を含んでいる。
日本では海藻は食材として重要で、特にだし取りや煮物の素材としてのコンブ、漉いて紙状に乾燥させたり佃煮や汁物の具材に用いる海苔、汁物や煮物の具材としてのワカメ、寒天や心太(ところてん)にして供されるテングサ、主に煮付けとして供されるヒジキ、酢の物として供されるモズク、あるいは褐藻・紅藻・緑藻の種を問わず鮮魚の刺身の盛り合わせのツマとして大根の千切りや大葉などとともに彩りとして用いられるなど、日本料理の体系で中心的な位置を占める。
ついで肥料。
海岸付近の耕作地においては、古くから肥料として重用されてきた。海藻を肥料に用いるメリットとして有害な胞子や昆虫類の卵、雑草の種子等が混入しないこと、陸上の動植物起源の肥料よりもカリウムなどのミネラル成分、オーキシンなどの植物ホルモンに富むことが挙げられるため、農地への塩類集積等への懸念は残るものの有用性は高い。
他に天草から作った寒天培地で、微生物の成長を調べるなどの用途があります。
代表的な海藻。
褐藻類:ウミトラノオ、コンブ、ヒジキ、ヒバマタ、ホンダワラ、モズク、ラッパモク、ワカメ
紅藻類:アサクサノリ、テングサ
緑藻類:アオサ、アオノリ、カサノリ、サボテングサ、フサイワヅタ、ミル
ここではヒジキについて。
ヒジキ(鹿尾菜、羊栖菜、学名:Sargassum fusiforme)は、褐藻類ホンダワラ科ホンダワラ属の海藻の1種である。波の荒い海岸近くの岩場の潮間帯付近に繁茂し、春から初夏に胞子嚢を付けて成熟する。
日本では古くから「ひじきを食べると長生きする」と言われており、敬老の日にちなんで9月15日は「ひじきの日」となっている。・・・・・中略・・・・
無機ヒ素の含有率をめぐる動き
2001年10月、カナダ食品検査庁(CFIA)(英語版)は、発癌性のある無機ヒ素の含有率が、ヒジキにおいて他の海藻類よりも非常に高いという報告を発表し、消費をひかえるよう勧告した[18]。これは複数の調査によって裏付けられ]、イギリス・香港・ニュージーランドなどの食品安全関係当局も同様の勧告を発表した。
一方、日本の厚生労働省は、2004年7月、調査結果のヒ素含有量からすると、継続的に毎週33g以上(水戻しした状態のヒジキ。体重50kgの成人の場合)を摂取しない限り世界保健機関 (WHO) の暫定的耐容週間摂取量を上回ることはなく、現在の日本人の平均的摂取量に照らすと、通常の食べ方では健康リスクが高まることはない、との見解を示した。また、海藻中のヒ素による健康被害があったとの報告はないとした(その他詳細は「ヒ素」を参照)。
今日のひと言:まあ、ヒジキのように問題のある海藻もあるようですが、海藻は人類の心強い仲間であることは変わらないでしょう。今回ブログはwikipedia「海藻」から引きました。(ヒジキの項は同「ヒジキ」から。)なお、以前私は陸上の水路に生える藻類に磯の香りを嗅ぎ分けたことがありますが、これはまんざら当て外れではなく、陸水の藻類にも香り成分のジメチルスルフィドという物質が含まれていると知りました。
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今日の一品
@カレイ中骨と白菜の炒め煮
缶詰の「かれいの中骨煮付け」(キョクヨー)と白菜を炒めたあと、少々水を足して煮ました。ロシア産カラスガレイの骨で濃厚。美味しい一品になりました。
(2019.01.01)
@ハルノノゲシのゴマワサビドレッシング和え
この植物は野草で、知らず知らず見たことのある人もいるでしょう。タンポポのように切れ込みの入った、葉の中心線に沿って赤く筋が通った部分のあるこの植物は、キク科として苦味があり、軽く茹でて、苦さを楽しみます。今回の料理、葉自身も甘く、美味しく出来ました。
(2019.01.01)
@紅花酒
これも10数年置いておいた酒。自家栽培の紅花(ベニバナ)の花をホワイトリカーに漬けました。かなり色が濃いです。味は中国酒に似て、味の冒頭はぐっときますが、後味はさっぱりしています。ベニバナは苗の頃にはお浸しとして食べられ、花は染料として有名です。今年は久しぶりに栽培する予定。
(2019.01.02)
今日の詩
私の現住所を中心に見ると
北に赤城山、西に浅間山がそびえ、
南西には秩父の山々が目に入る。
これと言って高い山はない。
むかし私はサイクリングで秩父に出掛けた。
その際、コンクリートの材料として
山腹が削られた山――
武甲山(ぶこうざん)に遭遇し、自転車を止めて
スケッチした。「ブコツだなあ」と思いながら。
削られ放題、崩され放題の可哀そうな山だった。
ただ、思うに秩父の山々は峻厳さを持たない代わりに
親しみやすい山容を持つと思われる。
群馬県の厳しい自然の山奥で暮らしたことのある私、
縁があれば秩父に住めたら良かったなあ、と
常々思うのだった。
(2019.01.01)
今日の三句
クコが原
私有地なりて
摘めぬなり
クコは食べられる野草。赤く小さいラグビーボール状の実は漢方薬。
(2019.01.02)
三角地
野草駆除して
宅地とか
まあ、宅地にするため施主を待つ状態でしょう。三角形の土地なので中々売れないでしょうが。
(2019.01.03)
銀の腹
光り群れ飛ぶ
小鳥たち
この鳥たちの正体はわかりませんが、もしかしてハクセキレイ(白鶺鴒)?
(2019.01.03)