ウミショウブ、アオミドロ、人間:SEXの逸楽は似ている
有性生殖をする動植物には、もちろん雄(♂)と雌(♀)が必要不可欠ですが、その理由は、環境の変化に対応するため、遺伝子をかき混ぜる(シャッフルする)ことにあるようです。このブログでは、表題の3つの生き物について、そのSEXの有様について記述してみます。
まず、アオミドロは、淡水中に繁茂する藻類で、細胞がたくさん繋がった繊維状の形をしています。この植物は、一つの繊維の中の細胞が、もう一つの繊維の細胞とペアになって、一方が、もう一方の細胞壁を破って、一斉に流れ込みます。この場合、流れ込む方を雄、流れ込まれる方を雌とします。そうすると、一方の雄の繊維の中の各細胞は、「すっからかん」に空洞化し、一方は雌の細胞のなかで2個分の細胞の中身が渾然一体となり、盛んに生殖活動を行ない、子孫を残すのです。・・・この経緯は、細胞自体が融合するものなので、見方によってはセクシーであるとも言えるでしょう。全存在を賭けて、生殖活動をするのですね。
次に、ウミショウブは、沖縄・西表島の近辺に生息する海草です。この植物も、見方によってはきわめてセクシーです。繁殖期になると、白くて「雪だるま」のような雄花が放出されます。この雄花は、波に乗って浮遊します。軽いので、沈むことはありません。そして流れた末、雌花の元にたどり着くと、雌花は雄花をスッポリ、スッキリ飲み込んでしまいます。私はその「時」の映像をNHKの生き物番組で見ました。これも雄花・雌花、両方にとって、なんとも「心踊る」一瞬ではないでしょうか。飲み込んだ雌花の内部で、雄花は花粉を放出して受精が行われるのです。私は、この時の映像をみて、「ピュアで瑞々しくて美しいな」と思いました。
雌花に吸い込まれる雄花↓
ただ、この「恋愛劇」は潮の干満の状態によって左右されるので、限られた時期にしか見ることは出来ません。固定された雌花が、ちょうど水面の高さまでぴったり伸びる必要があるからです。でも、どんな合図でか、雄花が放出され、雌花が花びらを開くという営みがなされるかは、不可思議な神の領域ですね。
最後に人間の場合。これは、ウミショウブのSEXからみて、身体の一部の接触にあたると思います。ウミショウブは、雄花の身体全体が包みこまれるのに鑑み、人間の場合は、「男のペニスは女のヴァギナに包みこまれよう」として機能する一方、「女のヴァギナは男のペニスを包み込もう」として機能します。理想的には、男の身体が女に全て吸収されて、子宮に戻ることが、男女・秘めたる願望なのでしょう。ちなみにヴァギナとは“鞘(さや)、刀剣を仕舞い込む入れ物”だというラテン語から来ているらしいです。
戦後、奇蹟の歌人であった、湯浅真沙子さんは、以下のような歌を残しています。
いつそもう みからだごと 入れたしと 嘆けば君は 永きキスする
「愛の歌集 秘帳」 (北溟社)より 61P
この一部接触は、それでも、男女ともにオルガスムスの起爆剤で、この両性がいがみあうことがあっても、ふたたび仲良くなるための潤滑油とも言えると思います。
今日のひと言:私は、ごく希ですが、今回のような「性・SEX」に関連したブログをエントリーしています。「スケベ野郎」と思わないでね。
なお、図版は「月刊たくさんのふしぎ:ウミショウブの花」(横塚眞己人:福音館書店:2013.8月号)を参考にして、私が書きました。
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今日の一品
@トビウオの塩焼き
弟作。クサヤの干物で有名な魚。一尾100円強で売っていたので買ってきました。シンプルに塩焼き。青魚らしい落ち着いた味でした。
(2016・07.13)
@バイアムのお浸し
ヒユ科の植物で、夏野菜として食べて栄養価のあるもの。これはタキイ種苗の商品で、黄緑色になる葉がやや濃くなるので「いろこい菜」として売っていました。ちょっと色っぽい。(色濃い:色恋)別名:ジャワホウレンソウ。
(2016.07.14)
弟作。以前、餡かけして作ったトンブリを寒天で固めました。このほうが片栗粉の餡より長持ちしますね。
(2016.07.14)
@ラムとニラ炒め・ナンプラー味
弟作。このまえ味噌とコチュジャンで作り、ラム肉の消臭をしましたが、今回は完全には消臭できませんでしたが、もともとラムの風味は嫌いではないので、OKとしました。なお、キャベツもいくらか入れました。
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20160706#1467800309
(2016.07.17)
今日の一句
息つくか
トノサマガエル
水路にて
(2016.07.17)