虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

小豆(あずき)とチョコレート・・・和菓子VS洋菓子

 和菓子の成分として、小豆は不可欠です。この素材による「餡(あん)」は各種和菓子の最重要素材です。一方、チョコレートは洋菓子の要所要所に使われています。和菓子の王と洋菓子の王の対決です。ここで両者の「栄養価」を比較していきます。


 まずは小豆。

小豆製品は低いカロリー
 「あんは甘いから太る」と考えている女性も多いのではないでしょうか。しかし、こしあんのカロリーはショートケーキの半分しかありません。和菓子は全般に洋菓子よりも低カロリーです。さらに、和菓子の原料として最も多く使われる小豆は、健康を保つ上で重要な栄養素の宝庫です。



豊富な食物繊維
 小豆の健康機能面でまず注目されるのが食物繊維です。食物繊維を多く含む食べ物としては、豆類、穀類、海藻類、野菜類などがありますが、小豆には100g中に17.8gとごぼうの3倍もの食物繊維が含まれています。近年、欧米型の食生活が進むにつれ、食物繊維の摂取量は減少の一途をたどっています。食物繊維は腸の中で水分を吸収・保持することで、腸のぜん動運動を活発にし、便秘を解消してくれます。さらに、水分以外にも胆汁酸、塩類、脂肪などを吸着する働きがあり、腸内の有害物質も取り込んで排出してくれるため、大腸がんの予防にも効果があります。




ビタミンB群とミネラル

 小豆には、炭水化物のエネルギー代謝に関与し、疲れを取り除くビタミンB1が豚のバラ肉に迫る量(100g中に0.45mg)で含まれています。また、脂質の代謝に関与するビタミンB2や、タンパク質の分解を促進するビタミンB6も多く、細胞、皮膚、髪、つめなどの再生を助けてくれます。これらの働きにより、美しい肌を保ち、肌荒れを防いでくれます。




 ミネラルの中では鉄分やカリウムが豊富です。鉄分は赤血球のヘモグロビンの主成分で、鉄分が不足すると酸素が末端まで十分に行き渡らず、貧血状態に陥ります。鉄分の多いことで知られるほうれんそうと比較しても、おひたし一食分に含まれる鉄分の二倍以上が大福一個で取ることができます。高血圧の予防は塩分を控えることが一番ですが、カリウムを多く取ることでナトリウムとのバランスを取ることも大切です。バナナはカリウムの多い食べ物の代表ですが、小豆にはその4倍含まれており、ゆでた後でもバナナ以上のカリウムが残っています。


良好なアミノ酸バランス
 アミノ酸のバランスは健康を保つ上で大切ですが、特に必須アミノ酸と呼ばれる体内で生成できない9種類のアミノ酸が必要です。日本人の主食であるお米には、この必須アミノ酸のうちリジンが非常に少ないために(基準値の61%)、タンパク質の利用率を大きく低下させています。小豆にはこのリジンをはじめとする必須アミノ酸が豊富に含まれています。したがって、小豆とお米を組み合わせて食べることにより、タンパク質を効率よく摂取することができます。


最強の抗酸化活性−小豆ポリフェノール

 生活習慣病や老化、さらにはがんなどの病気の要因ともいわれる活性酸素。小豆にはこの活性酸素を除去する成分、ポリフェノールが赤ワインの2倍近くも含まれています。小豆は豆類の中でも特にポリフェノール含量が多く、輸入小豆よりも道産小豆で、道産の中では大納言よりも普通小豆で高い活性が認められています。



 なお、小豆の抗酸化活性は同一品種であっても栽培地や収穫年次によって大きく異なる場合があります。これは小豆の抗酸化活性が当熟期間(開花後の成熟期間)における日照時間と深い関係にあり、この間の日照時間が長いほど抗酸化活性は高くなるためです。また、同じ株の中では、遅くに開花した子実のほうがポリフェノール含量や抗酸化活性は高い傾向にあります。


 小豆に含まれるポリフェノールとしては、カテキンカテキングルコシドルチンプロアントシアニジンシアニジン重合体などがあります。中でも、カテキングルコシドは小豆ポリフェノールの中心的な成分で、抗酸化活性の非常に高い成分です。ただし、ポリフェノールは水に溶けやすいので、小豆を煮たときにその多くは煮汁に溶け出してしまいます。そこで、この成分を十分に摂取するためには、煮汁も残さずに使う汁粉や赤飯が効果的でしょう。

http://www.azukilife.com/colamn/eiyo.html (十勝小豆農場)より。

なかなかの優れものです。次にチョコレート。

チョコレートには、どんな成分が含まれているのでしょうか? 健康にプラスになる成分をご紹介します。


ポリフェノール

チョコレートの原材料であるカカオにはポリフェノールがたっぷり含まれています。最近話題のポリフェノールは、ブドウやナッツなどいろいろな果物や植物に含まれていますが、強い紫外線や細菌類から植物そのものを守る働きをする成分です。活性酸素を除去する働きがあります。
ポリフェノールの効果を期待するなら、カカオの配合率が高いチョコレートを選んだ方がいいですね。


テオブロミン (神が与えたものという意味がある)

大脳を刺激して集中力や記憶力、思考力を高めます。自律神経を調節する作用もあるので、リラックス効果も期待できます。 疲れているときにチョコレートを食べるとほっとするのは、このためですね。


ブドウ糖

脳にとって、唯一の栄養素がブドウ糖です。ブドウ糖は、脳のエネルギー源となるだけでなく、脳の神経伝達物質アセチルコリン生成の手助けもします。


オレイン酸

ココアバターに含まれる、不飽和脂肪酸のひとつです。オリーブオイルやごま油などに含まれることでも有名な成分で、悪玉コレステロールを下げて、善玉コレステロールを上げてくれる働きが認められています。


@GABA(ギャバ

キャバは、正式名称をγ(ガンマ)-アミノ酪酸といい、動植物の体内に広く存在し、チョコレートの原料カカオにも含まれています。人間の脳内に存在する神経伝達物質で、リラックスに役立つといわれているアミノ酸の一種です。


@ビタミン・ミネラル類

他にもチョコレートには脳の代謝に必要な栄養素のビタミンEやナイアシンなどのビタミン類や、カルシウム、マグネシウム亜鉛、リンなどのミネラルも含まれています。


http://www.k-salad.com/food/feature/039_1.shtml (健康Salad)より。



こちらもなかなか優れています。ミネラル分が多いこと、優秀なポリフェノールを含むことなど、共通点も多いですが、総合評価では、ややチョコレートのほうが優勢なようです。でも、小豆も優れた食品であると思います。小豆の場合、ビタミン類では、ビタミンE、ビタミンKナイアシン葉酸なども含まれています。


今日のひと言:お菓子も見方によっては優れた薬膳になるのですね。



今日の一句


風に揺れ
ちぎれそうなり
ハキダメギク



・・・風のない状態で



コンクリートのはざまから伸びた「ハキダメギク」が風に揺すぶられているのを見て。「ハキダメギク」とは随分な名称ですが、花は小さいとは言え、可憐です。この名は、著名な植物学者・牧野富太郎氏がつけたそうです。掃き溜めで見つけたからとか。

  (2012.11.02)

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