虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

曼荼羅(マンダラ)とアラベスク:出来具合は似ているけど。

曼荼羅(マンダラ)とアラベスク:出来具合は似ているけど。


ここに掲示した絵は、以前私があるワークショップで塗り絵をやった完成品です。これは中央にボスの坊主を描き、そこから八方に坊主の団体がおり、一方位10名の坊主がいるので、坊主の数は8×10+1=81になります。これは9×9という計算をしているのかも知れません。



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坊主マンダラ


この塗り絵をする際、一日では出来ず、2日に渡って取り組みました。私は使う色はなるべく少なく、コンパクトにしたのですが、それでも、坊主一人、また坊主の間隙の色を塗るのに、相当な労力が必要だったのです。


こういった塗り絵の、たぶん行き着く先にあるのが「曼荼羅:マンダラ」でしょう。空海が紹介した金剛界曼荼羅胎蔵界曼荼羅が有名ですよね。



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胎蔵界曼荼羅

曼荼羅についての解説をwikiから持ってきますと、以下のようになります。



曼荼羅(まんだら、梵語:मण्डल maṇḍala、チベット語:མཎྜལ(めんでる, maNDal), དཀྱིར་འཁོར་(きんこる, dkyir 'khor))とは、密教の経典にもとづき、主尊を中心に諸仏諸尊の集会(しゅうえ)する楼閣を模式的に示した図像。ほとんどの密教経典は曼荼羅を説き、その思想を曼荼羅の構造によって表すので、その種類は数百にのぼる。古代インドに起源をもち、中央アジア、日本、中国、朝鮮半島、東南アジア諸国などへ伝わった。21世紀に至っても、密教の伝統が生きて伝存するチベット、ネパール、日本などでは盛んに制作されている。
曼荼羅」は、サンスクリット語मण्डलの音を漢字で表したもの(音訳)で、漢字自体には意味はない(なお「荼」(だ)は「茶」(ちゃ)とは別字である)。なお、मण्डलには形容詞で「丸い」という意味があり、円は完全・円満などの意味があることから、これが語源とされる。中国では円満具足とも言われる事がある。
インドでは諸神を招く時、土壇上に円形または方形の魔方陣、マンダラを色砂で描いて秘術を行う。色砂で土壇上に描くため、古い物は残っていないが、チベット仏教などでは今でも修行の一環として儀式、祭礼を行う時に描かれる。


一方、イスラム文様を意味するアラベスクも面白い図版です。これらのアラベスクをつらつら見ると、なんとなく曼荼羅に似ているように思えてきます。そこで再びwikiで見てみると


アラベスクarabesque)は、モスクの壁面装飾に通常見られるイスラム美術の一様式で、幾何学的文様(しばしば植物や動物の形をもととする)を反復して作られている。幾何学的文様の選択と整形・配列の方法は、人物を描くことを禁じるスンニ派イスラム的世界観に基づいている(シーア派ではムハンマドを除いて描くことは認められている)。ムスリムにとってこれらの文様は、可視的物質世界を超えて広がる無限のパターンを構成している。イスラム世界の多くの人々にとって、これらの文様はまさに無限の(したがって遍在する)、唯一神アラー(イスラムで言う無明時代では「アラート」という女神)の創造のありのままを象徴する。さらに言うなら、イスラムアラベスク芸術家は、キリスト教美術の主要な技法であるイコンを用いずに、明確な精神性を表現しているとも言えよう。


アラベスクの実例では、引用フリーなものがなかなか見つかりませんでしたが、良い一例があったので、挙げておきます。


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FREE素材アラベスクの模様


http://kokando.phpapps.jp/8597



今日のひと言:曼荼羅アラベスクの共通点は、やはり幾何学的模様というのが大きいとおもいますが、イスラムの側からは、「偶像崇拝」といった非難が曼荼羅には上げられるだろうと考えます。その点を除けば、両者、非常に似ていると思います。まあ、どちらも花弁の美しさがモデルであるような気がします。


曼荼羅の記述で、色砂で箱庭になかに美しい伽藍などのビジョンを完成させても、完成するや、そのビジョンを破壊してしまうという過酷な修行、TVで見たことがあります。これは決して偶像崇拝ではないように思います。




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今日の一品


@豚ひき肉、ピーマン、ダイコンの味噌煮


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フライパンに油(オリーブオイル、アマニ油)を敷き、ひき肉を炒める。ダイコン(細切り)を加えて炒め、ピーマン(細切り)、戻したクコの実を入れ、最後に水で溶いた味噌を入れて一煮立て。
七味唐辛子を振って完成。食べ甲斐あり。

 (2020.10.01)



@鯛の頭の澄まし汁



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廉価で入手した大き目の鯛の頭を汁にしました。水から煮て、アクを取りつつ、実をほぐし、醤油を入れ、穂ジソとスリショウガで風味をつけました。

 (2020.10.01)



雲南百薬のゴマよごし



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通常に茹でて晒した雲南百薬と、ちょっと湯どうししたキリイカを、塩、すり白ごまで和えました。

 (2020.10.02)



@マロン・キャロット・グラッセ


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生栗を買ったことは近年なく、ひさしぶりに買って、「どう皮を剥くか」として情報を収集したところ、「冷凍を一日以上した栗に熱湯を掛け、蓋をして5分待てば、すぐ剥ける」とあったので、実行してみたところ、全然ダメで、鬼皮はなんとか取れても渋皮は剥けない。そこで弟がピーラーとプティナイフで渋皮を剥き、私がニンジンと合わせてグラッセに仕立てました。見てくれは悪いですが、香辛料のシナモンとともに、良い味の一品になりました💦

 (2020.10.03)






今日の詩


@香り高いバラ科植物のリキュール


果実酒と言えば梅酒。
これはバラ科植物だ。


同じバラ科のサクランボの種を
(果肉ではなく)


ホワイトリカーに漬けてみた。
時満ち飲んだ酒は芳醇無比。


いつか長野県で飲ませてもらった
ボケ酒の味の深み。


メド―スウィート(ハーブ)の酒の美味。
果実の種類でもバラ科の果実はダントツに多い。


この高貴なバラ科植物たちが
人に与えてくれる楽しみったらない!!



注: ただ、バラ科植物はアミグダリンという青酸前駆体を持つことがあるので注意。
この詩はid:myuhikaruさんの示唆で書きました。


iirei.hatenablog.com

 (2020.10.04)






今日の四句


新聞紙
重ねて落ちる
なんで取る?


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かなり異常な隣人さん。なぜ購読しているのでしょう?

 (2020.10.03)



陽に向きて
パラボラアンテナ
全開し


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 (2020.10.03)



我が宿の
門に咲きたる
朝顔


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ほんとは、モーニング・グローリーとしたかったのですが、長すぎます。

 (2020.10.04)



狭い鉢
押し込められる
蒟蒻(こんにゃく)や


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本来、大型の野菜です。

 (2020.10.07)






写真集



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赤花タマスダレ(2020.10.03)


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老いたペチュニア(2020.10.05)



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ぼた雪:白花マルバルコウの華(2020.10.06)




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スミレの真ん中、これは何?