ハーブ:セージ(薬用サルビア)~薬と毒の二面性
私は、はてなブログ開始当時、ハーブのセージについて取り上げたことがありますが
https://iirei.hatenablog.com/entry/20051227
その中で、セージの薬効について、以下のように記述しました。
薬草としての効用は、過労、神経衰弱、強壮、収れん、利尿、解熱、血糖値低下などがある。(モーリス・メッセゲ:フランスのハーブ医療研究家)
セージ(自宅:2021.09.19)
聞いた話によると、ヨーロッパ人がセージを中国に持ち込んだ際、中国人はセージの薬効の高さを理解し、セージ1と高級中国茶3を、喜んで交換したとのことです。
ただ、セージには毒成分であるツジョン(ツヨン)が含まれ、中毒になる可能性もあるので、お茶として服用する際は、「2週間飲んだら、2週間飲まない」という用法が必要です。思えば、ランボーやヴェルレーヌなどのフランス象徴派の詩人たちは、ツジョンを含む酒:アブサンを好んで飲み、よく錯乱しましたが、この酒には、ハーブ:ワームウッド(ニガヨモギ)が配合されていました。(このハーブ、ロシア語で「チェルノブイリ」で、原発事故を起こした場所と同じ名であるのが、気味が悪いです。)そして、セージはヨモギをイメージさせる香りがあること、偶然の一致とは思えません。
もうすこし、セージについて調べてみましょう。
セージは、全身の強壮作用、消化促進、健胃整腸、解熱、血圧降下の作用のほか、香りには神経の不安を除く働きもあります。
また、フケや抜け毛を防止することもよく知られています。
葉の精油はツヨン、シネオール、ボルネオール、カンファーなどで、咽喉炎のうがい薬としてお茶がわりに、また胃腸炎に内服します。
昔のヨーロッパの牧畜に頼っていた人たちは過酷な冬を迎えるとき、家畜の数を減らして、その肉を貯蔵しましたが、防腐や香りづけにタイムやセージ、その他のハーブを使いました。
現在でもハム、ソーセージなどの加工食品に入れられています。
作用が強いので、精油を用いるときは、ほかのハーブよりごく控えめに。
https://www.myherb.jp/main/library/herb/sa/se-ji.html
今日のひと言:数年ぶりにセージを栽培することにしました。案外通常の町の店舗、通販ではあまり扱われないので、アマゾンに注文して買ったのです。なお、セージと名の付くハーブは多いですが、このセージ(コモン・セージ)とクラリー・セージ以外には薬効はなく、鑑賞用です。
正か邪か?:コンフリーをどう考えるか。
コンフリー(自宅:2021.09.19)
以下の記述は拙著『野草を食べる・滋味(JIMI)!!』のものを引いてきました。
コンフリー(ヒレハリソウ)・(多年草・ムラサキ科)**半毒草 春から秋
ロシア・コーカサス地方原産。日本には、戦後、ブタの飼料として各地に導入されましたが、利用されなくなりました。その後、健康食品として一時もてはやされましたが、それも終息しました。
この草は、タンパク質の含有量が多いのが特徴で、栄養価も高いです。また、植物としては例外的にビタミンB12を含みます。(他にアシタバもビタミンB12を含有します。)薬用としては骨折したとき根をすりつぶして湿布にすると、治りが早いと言います。ハーブ名としての「Knit Bone:ニット・ボーン」という名称は「骨接ぎ」という意味です。
食用にする場合、注意したいのは、アラントインという成分を含み、これがもとで、発ガン性があるともいわれるので、食べ過ぎないようにするのがいいでしょう。なお、2004年6月に、厚生労働省はティーとか青汁などの利用を規制する通達を出しています。ピロリジジンアルカロイドと言う成分が肝臓障害を起こす可能性があると言うのです。
ただ、ハーブのタンジーのように、従来普通に利用されていたのに、同じような理由で禁止になったものもあり、有用なセージにさえも毒成分があると言われます。化学分析の結果を単純に信用すると、利用できる植物が激減する可能性があるのです。ところが、ピロリジジンアルカロイドは、フキノトウ、ツワブキ、ワラビにも含まれる成分で、これらのように期間限定で利用するなら、コンフリーにも問題はないと愚考します。
(調理法)
1)テンプラ 葉の裏に毛が生えているからコロモが付きやすいので、ボリューム感のあるテンプラになります。粘りがあって美味しい。
2)おひたし 軽く湯がいて切り、かつおぶしと醤油で和えます。ただ、すこしごわごわ感があるかも知れません。
3)味噌和え(中期的保存食) かつて試した調理法。葉を水分が残る程度に軽く乾燥させ、砂糖と混ぜた味噌を葉の間に混ぜつつ、重ねていきます。秋に作れば、2,3ヶ月は持ちます。
(紛れやすい毒草)ジギタリス(ゴマノハグサ科)。心臓の猛毒。ジギタリスには葉のへ
りにギザギザがあり、葉に毛はない。コンフリーはギザギザがなく、葉に毛があ
る。また、コンフリーの根はアルカロイドの宝庫なので、食べないように。
考えさせられることの多いハーブです。ヴィーガンという人たちがいます。彼らは完全菜食主義者です。獣・魚だけではなく、牛乳・卵も食べません。そうすると、ビタミンB12がどうにも不足するので、錠剤でこのビタミンを摂取するのですが、コンフリー、アシタバには例外的にビタミンB12が含まれるので、これらを食べれば、完全菜食主義を貫徹できるのですね。
コンフリーには、毒草としての側面もあります。有効成分のアラントインもそうですが、かなり多くの食用植物に含まれるピロリジジンアルカロイド。もちろん食べ過ぎるとアブナイですが、私は旬の春先に茂り始める葉と甘い蜜を含む花を食べることにしています。(花は摘んでそのまま食べる)
今日のひと言:コンフリーに似たハーブに、同じムラサキ科のボリジというのがあります。大変よく似ていますが、コンフリーが多年草なのに対し、これは一年草です。花を製氷機に浮かべ、ロックアイスにして食べるのが売りです。寡聞にして、私はボリジの毒性の有無については知りません。
今日の詩(3篇)
@灰の力量
漢字では、灰という言葉を字解きすると、「両手で火を握りしめる」という事実に至ります。私はこの灰を、石鹸として使います。どうしてか、というと、脂分とアルカリ(灰)を反応させて作るのが石鹸ですが、もし食器とか衣類が脂で汚れていたら、アルカリとやはり反応して、くっついていたものから脂が除けるのです。そんなわけで、シャトルシェフに洗いたい容器と灰を入れ、加熱:調理(?)して、こすれば、見事に脂は取れます。残った灰汁は、肥料になります。
灰汁の色
汚れを落とした食器
コーヒー色になったシャトルシェフ
なお、灰汁は、温度がなかなか下がりません。保温力があるのですね。
(2021.09.14)
@愛しのマッソニア・ロンギペス
かれこれ、ろくに肥料もやらず、栽培して20年超、今年はちゃんと肥料をやることにしました。球根を鉢から取り出し、冷暗所に置き、その間、苦土石灰・草木灰を用土にいれて水をかけ1週間、油粕を混ぜて4日、ちゃんと植え付けました。
球根(2021,09.05)
植え付け後(2021,09,16)
過去に撮った写真(二枚葉のみ付きます。)
正月ころ、甘い香りの可憐な花を咲かせます。
(2021.09.16)
(ちょっと違うかも。)
@民主主義(イギリスに捧ぐ)
民主主義は、戦略的な政治体制である。
そして役人には守秘義務がある。
ただし、必要な場合には情報を
開示する義務もある。
なんだ、あの国税の佐川某は?
懲役刑やら死刑やらを受けるのが相応しい。
Democracy is a strategic political system.
And officials have a duty of confidentiality.
However, if necessary, provide information
There is also an obligation to disclose.
What is that Japanese national tax, Sagawa?
He deserves imprisonment or death penalty.
(2021.09.18)
今日の5句
ヒガンバナ
身を屈してぞ
顔を出す
(2021,09・12)
放射状
コニシキソウの
細密さ
(2021,09.14)
桜葉の
散るやさくさく
冬来たり
(2021.09.19)
伐られても
アカメガシワの
より茂る
この木もそうですが、木は根っ子を抜かない限り再生します。
(2021.09,21)
柿の木の
根本に生える
バーズアイ
「バーズアイ」とは英語で「オオイヌノフグリ」のこと。鳥の目に例えられる青い花が咲き乱れるのが楽しみです。
(2021,09,21)
今日の謎かけ(3編)
パーキングエリアとかけて、
病院と解く。
そのこころは
どっちもチューシャが大事でしょう。
(2021,09,16)
扇風機とかけて、
天才と解く。
そのこころは
どっちもトップの回転が速いでしょう。
(2021,09,19)
老子とかけて、
無為と解く。
そのこころは
案外忙しいでしょう。
(2021.09.19)
今日の写真集
ログハウス風住宅の薪(まき) みんなが薪を使うのも環境破壊につながります。
(2021.09.17)
♪マリーゴールド byあいみょん(❤) (2021,09,17)
エゴマ 今年は種まきしなかったが、健気に自生。シソにそっくりだが香りが違う。
(2021.09.22)
☆☆過去ログから厳選し、英語版のブログをやっています。☆☆
“Diamond cut Diamond--Ultra-Vival”
https://iirei.hatenadiary.com/
ダイアモンドのほうは、週一回、水曜日か木曜日に更新します。
英語版ブログには、末尾に日本語ブログ文も付記します。記事は
虚虚実実――ウルトラバイバルとはダブりませんので、こぞって
お越しを。