虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

セージ(薬用サルビア)

 *セージ・Sage(薬用サルビア)    お奨めのハーブその2
  

 これぞハーブの王(と私は思う。)薬用植物として重要で、「5月にセージのティーを飲むと長生きする」と言われ、かつて中国人は中国茶3とセージ1を喜んで西洋人と交換したとのこと。サルビアという言葉は、ラテン語で「救う」から。(ただし、連用は避ける。2週間飲んだら、2週間は飲まない。ツジョンという成分に問題があるからだ。「てんかん」には悪影響がある。)シソ科の多年草、というより小低木。
 種は大きく発芽率もよい。4,5月ころ播種。日当たり、乾燥を好む。用土は弱アルカリ性にする(石灰とか草木灰を入れる)。移植は3月中旬から7月中旬か、8月下旬から10月下旬。地植えの場合、水分過多を避けるため、やや高く植える。梅雨どきの湿気対策にもなる。耐寒性があるので、冬も屋外でよい。
 増やし方だが、株分けは、太い幹で一本立ちするので出来ない。春か秋に挿し木か取り木をする。(取り木:地面に接した枝に土をかけて発根させ、本体から切り離すこと。)
3年ほどで衰えるので、更新する。
 葉は随時採取できるが、まず主枝をとると、わき芽が伸びる。以後も伸びた枝から採取するとよい。乾燥させても香りは強い。
 料理用としては、特に豚肉料理に合う。脂肪分を分解する能力が高いのだ。もぎたての葉にコロモをつけて揚げる料理を「セージ・フリッター」といい、香りがやわらぎ美味しい。なお、ソーセージは、その昔、塩(ソルト)とセージを利用したのでその名がついた、という説を聞いたことがある。
 薬草としての効用は、過労、神経衰弱、強壮、収れん、利尿、解熱、血糖値低下などがある。(モーリス・メッセゲ:フランスのハーブ医療研究家)
 歯磨き粉としての利用:殺菌力を生かす。新鮮な葉をミジン切りにして体積にしてセージの半量の塩を加え、予め150度に熱したオーブンで20分、パリパリに乾燥させ、すり鉢でよく摺る。さらに15分オーブンに入れ、容器にしまう。(このレシピは「The Complete New Harbal (小学館)」より。


今日のひと言:ハーブ類には、以前はよく利用された歴史があっても、「毒成分」が検出
       されると、とたんに利用されなくなる例が多い。タンジーコンフリーなどがいい例だ。セージにも毒成分がある。いつかはセージも・・・私は思う、「毒のないヤツは、詰まらない!」と。

       なお、家庭裁判所の判事が活躍する、植物の薀蓄作品でもある名作「家栽の人」の脚本を手がけた清水有生(ゆうき)が、家庭に関わるおどろおどろしい逸話を描く「家庭の人」を手がけたほうが、いいなあ。(相田みつを

今日のキーワード:草木灰取り木セージ・フリッター、メッセゲ、タンジー
明日のキーワード:ミニ株会社四季報トキメックヤマト運輸カタストロフィー外貨 
       
(明日から3回、経済危機の話題です。お楽しみに!!)