ジョン・ロック、孟子、荀子:人の政治的本性とは?
ジョン・ロック、孟子、荀子:人の政治的本性とは?
ジョン・ロック(John Locke)はイギリスの哲学者・政治哲学者。17世紀に活躍し(1632-1704)、その政治思想は後のモンテスキュー(1689-1755)とかJ.J.ルソー(1712-1778)に大きな影響を与えました。孟子、荀子は古代中国の哲学者。それぞれ「性善説」「性悪説」を唱えました。
性善説、性悪説、一見単純な概念ですが、世の理解とは隔絶したものだと思います。どちらも誕生後の学習で性質は変るとされます。もちろん「性善説」の場合、正しく誕生直後では「性は善なのですが」、後の学習の結果、性も悪になる、とされます。「性悪説」の場合、生れたときは「弱い存在」であるが(いわゆる「悪」とは用語法の違いがあります。)、学習によってそのハンディを解消できるとします。
ジョン・ロック(wiki)
一方、これら古代中国の本性論に対し、ロックは面白いことを言っています・・・ずばり「タブラ・ラサ:tabula rasa(ラテン語)」。白紙といった意味で、人は「生れたときにはちょうど白紙のようなもので、善にも悪にも染まる」といった言説です。
荀子はともかく、孟子には正しく政治哲学と見なされる論理があります・・・それは「革命」、王や皇帝は、絶対に不可侵なものではなく、人民を迫害し、人民に恨まれる王や皇帝は、人民が決起して、打倒することもありとしたのです。むしろそんな人民の有様を肯定していたのです。
2000年ほど孟子の後輩であるロックにも、孟子と良く似た思想があります。契約によって成り立つ人間社会、一度政権をゆだねた王・皇帝も、彼らが民意から遊離したときには、政権交代を行う権利が人民にあるとされ、一度政権(リヴァイアサン:原義は「海の怪物」)に権力をゆだねたとしても、変更できるとされたのです。この点、ロックの先輩:トマス・ホッブスの立論を否定しています。
では、ロックと孟子の違いは?共通点としては両者とも動乱の時代に生きていたということでしょう。面白いことに、孟子には、よって立つ宗教がありませんでしたが、ロックの場合、キリスト教の神と向き合い、そこから得られる教訓を、彼の哲学のバックボーンにしていました(『ジョン・ロック 神と人間との間』:加藤節/岩波新書)その態度はまさに信仰者のもので、厳格に言葉をつなぐように、その文章を練っていたのですね。
主著:『統治二論』についての情報(wiki 統治二論)
『統治二論』(とうちにろん、Two Treatises of Government)は、1690年にイギリスの政治学者ジョン・ロックによって著された二篇の論文から成る政治哲学書である。『統治論二篇』『市民政府論』『市民政府二論』とも呼ばれる。アメリカ独立宣言、フランス人権宣言、および古典的自由主義の思想に大きな影響を与えた。
今日のひと言:中国における孟子を代表とする革命思想は、末期にある王朝を倒すバックボーンとなったのでしょうか、ただし中国では人民は旧来の蒙昧な者たちであったかも知れません。2000年後に活躍したロックは、成熟した市民社会の基盤があったとでも言えるでしょうか。その違いで、孟子の論は、紙上から抜け出せず、実際社会の変革は、中国の場合、無効だったでしょう。今でも、中国には、階層を消滅させうる動きが弱く、毛沢東がそうであったように、現在の習近平は、実質、中国皇帝であるわけです。共産党は、人民支配の道具。中国人は、ロックたちが考察した民主主義という在り方を決して理解できないでしょう。(これはロシアなども同じ。個人がいつまでも権力を握れる社会は、民主主義社会とは言い難いです。)
それにしても、イギリス。さすが近代国家として、はじめて王の権力の一部を臣下が奪い取ることに成功した国、1215年のマグナカルタ(大憲章)発効は、イギリスが至上最大の覇権国家になったことの証明になっています。あの、日本より本土面積が狭い国なのに。マグナカルタは、いまでも有効な「憲法」の一つなのですね。(慣習法)そのバックボーンのなかに、ホッブズもロックもいるのです。
- 作者:恭彦, 冨田
- 発売日: 2017/12/07
- メディア: 文庫
今日の一品
そろそろ収穫が終わりになる雲南百薬、今回は赤いカニカマを加え、色合いを出そうと思ったのですが、百薬の色がいまいち・・・2、3日して、なにやらナマガキ(生牡蠣)のような香りがしました。
(2020.10.16)
@マメスパ
昼食。セブン・イレブンで買った「蒸しサラダ豆」(青えんどう、赤いんげん、ひよこ豆、大豆、黒大豆:100円)をあしらい、ミートソーススパを食べました。イタリアとインドの折衷みたい。
(2020.10.17)
@小松菜とミニトマトの炒め煮
フライパンに油(ごま油が主)を敷き、加熱したところで水を差し、醤油、オイスターソース、コチュジャン、蜂蜜を入れてさらに炒め、最後に半分に切ったミニトマトを加えて、ちょっと加熱、火から降ろす。
(2020.10.19)
今日の詩
@恋愛とコンビニ
恋愛とはコンビニ店員との恋のようなもの。
うまく行けばじきじきレジしてもらえるが
商品の管理をしていたり
レジでの待ち順が変わったりすると
コミュニケーションはできない。
ああ、某コンビニのしっかりしたベトナム女性の店員。
個人的に話がしたいのだが現実は難しい。
さらに彼女は既婚者、浮気はするまい。
コンビニ以外の社会でも、状況は似たり寄ったりだ。
社会のルールでがんじがらめだ。
(2020.10.21)
今日の二句
流石なり
水を呼び寄す
弁財天
(2020.10.18)
写真集(2020.10.18:吞龍さま境内)
弁天堂
池
コケ1
コケ2
キノコ
水藻
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篤志家の
看板たてる
晩秋か
(2020.10.20)
@バンクシー小劇場
アリは、あんな杜撰な穴掘りなどしない。::調布市の外環道工事で、地面が陥没。
(2020.10.19)
☆☆過去ログから厳選し、英語版のブログを始めました。☆☆
“Diamond cut Diamond--Urtra-vival”
https://iirei.hatenadiary.com/
ダイアモンドのほうは、週一回、水曜日か木曜日に更新します。
英語版ブログには、末尾に日本語ブログ文も付記します。記事は
虚虚実実――ウルトラバイバルとはダブりませんので、こぞって
お越しを。