蛇と目が合う(詩)+K-popはJ-popより将来性があると思う(随想録―36)
蛇と目が合う(詩)
私は梅摘みの手伝いで
梅の木に登って
梅を取っていた。
女性たちは木の下でたくさん梅を摘み、
男性たちは木に登って少ない梅を摘んだ。
その時ふと、
私は1匹の蛇と目が合った。
蛇は驚いたような視線を私に投げかけ、
私たちはしばし見つめあった。
大人たちは蛇に気づき、
その場から追い出した。
(2022。08.04)
K-popはJ-popより将来性があると思う
ここ最近、韓国人がアイディアを出して結成された「NiziU」(ニージュー)という日本の女の子9人で構成されるユニットの、「Chopstick」(箸)という曲と、韓国の女の子9人で結成された「kep1er」(ケプラー:天文学者?)というユニットの「Wa Da Da」という曲を聴くに至り(会社で)、「これは、K-popというジャンルはやるなあ」と考えるに至った。音が、標準的なJ-popより面白いのだ。
https://youtu.be/nCjmXHsRJNY
:Chopstick
:WA DA DA
そこで図書館から『K-POP 新感覚のメディア』(金成玫:岩波新書)を借りて読んでみた。後半は個別の、馴染みのないミュージシャンたちのお話しになり、詰まらなかったので、前半のみ真面目に読んでみた。それによると、むかしは韓国のミュージシャンたちは、アメリカの音楽とか日本の音楽両方を模範として、歌を作っていて、あくまでもそのような音楽でしかなかった。
ところが、アメリカ発のラップ、ヒップホップという新しい波を、韓国は完全に受容した。それは、一部のミュージシャンがラップ、ヒップホップを受け入れた日本とは違い、いわゆる韓国歌謡というような(日本で言えば演歌)分野にまで浸透したというのだ。
この「洗礼」のあと、韓国の音楽は日本の音楽より、リズム感にあふれるスリリングに満ちた音楽に昇華した、というような趣旨のことが書いてあった(しめくくりの文には私の主観も多々入っている)。音楽は「音を楽しむもの」、「アイドルたちの肢体を見て悦に入るのは」、本来邪道だと思う。どうかな、AKB48などなど、儲けるためだけに、雑多なユニットを多数作り、手垢のついた陳腐で退屈な歌詞を書きなぐる秋元康くん?
ここで少々追記すると、日本の70年代後半から80年代に登場したミュージシャンたちの音楽を「シティポップ」ということがあるようだが(大瀧詠一、山下達郎、松任谷由実、大貫妙子などが代表的)、10年くらい前、木村拓哉主演のパイロットの世界を描いた「グッド・ラック」というTVドラマのテーマソングに山下達郎の「Ride on time」が使われたが、私は、この曲、ヒットすると思っていたら、40年前のこの曲が、「やはり」ヒットした。これはどういうことか?・・・古びていなかったのだ。40年たっても、生命力がある。この話題をある女性に振ったら、20そこそこの彼女、「世代が違うから」と逃げようとしたが、「じゃあ、ヒゲダンの曲は、30年たっても、ヒットすると思う?」と訊いたら、「まずないですね」という趣旨の返事をもらいました。
Ride on time 私にとって、記念碑のような曲!
私が思うに、現在のJ-popは、80年代のシティポップの「遺産を食いつぶしている状態で、新しいものは、なんにも生み出していない」と。K-popとは違い、J-popの未来は暗いと考えます。
(2022.07.08)
今日の詩
@門
水について学んだ者、
建築について学んだ者、
演劇について学んだ者、
占いについて学んだ者、
異性について学んだ者――
だれもが真理の
門を開けるキーを、
持っている。
あとは実行あるのみ。
(2022.07.29)
今日の6句
子供らが
組み立て上げた
ヘンジなり
小石を使ったのであっても、これは立派なストーン・ヘンジです。
(2022。07.16)
サンキスト
オレンジの芽の
覚醒す
春食べたサンキストの種が発芽した。
(2022.07.17)
藤の実の
垂れ下がるなり
フグリかな
(2022.07.17)
クルミの実
さりげなく成る
秋よ来い
(2022.07.18)
毒草の
放射線描き
広がれり
コニシキソウ。姿の似ているスベリヒユ(食べられる)と区別が必要。
(2022.07.18)
透き通る
ような藍色
朝顔や
(2022.07.28)