虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

世界3大臭い食品:シュールストレミング、ホンオフェ、キビヤック

日本で流通している臭いものは、納豆、フナ寿司、クサヤなどが代表的で、とくにクサヤは臭いといわれますが、いやいや、世界にはもっと臭い食品があるのです。今回は、そのベストスリー(ワーストスリー?)を挙げてみようと思います。ここに、アラバスター単位とは「臭さの指標」であるらしいです。


@第三位:キビヤックアラバスター単位:1370Au)

キビヤック、キビャック(kiviakやgiviakと音写されることが多い)とは、グリーンランドのカラーリット民族やカナダのイヌイット民族、アラスカ州エスキモー民族が作る伝統的な漬物の一種、発酵食品である。海鳥(ウミスズメ類)をアザラシの中に詰めこみ、地中に長期間埋めて作る。引用は全てwikiより

1. 捕獲したアパリアスを直射日光の当たらない涼しい場所に1日ほど放置して冷やす(内臓が早く傷まないようにするため)。
2. アザラシの腹を裂き、皮下脂肪のみ残して内臓と肉をすべて取り出す(但し、皮下脂肪は残さないという説もある[2])。
3. 袋状の空になったアザラシの内部にアパリアスを(羽などをむしらず)そのままの形で数十羽程詰め込み(資料によれば700羽とする記述もある)、アザラシの腹を縫い合わせる。縫合口にハエが卵を産み付けるのを防ぐために、日干ししたアザラシの脂(プヤ)を塗ったりもする。
4. これを地面に掘った穴に埋め、空気抜きとキツネなどに食べられないようにするため上に石を置いて2ヶ月から数年間放置・熟成する。
5. アザラシを掘り出し、中からアパリアスを取り出して賞味する。
6.
賞味法
食べるときはアパリアスの尾羽を除去した後、総排出口に口をつけて発酵して液状になった内臓をすする。肉も、皮を引き裂きながらそのまま食べる。歯で頭蓋骨を割り中身の脳味噌も食する。


また、液状になった内臓を調味料として焼いた肉などにつけて食べることもある。発酵により生成されたビタミンを豊富に含むため加熱調理で酸化・分解してしまった生肉中のビタミンを補う機能があるとされ、かつては極北地域において貴重なビタミン源の一つであった。


誕生日、クリスマス、結婚式や成人式などの祝宴の席でよく供される。


奇想天外ながら、この食品の臭さはおおむねクサヤと同じ程度のようです。クサヤのアラバスター単位は1267Au。チーズにもこのくらいの臭さのものがあるようです。


@第2位:ホンオフェアラバスター単位6230Au)


ホンオフェ(洪魚膾、こうぎょかい、홍어회)は韓国料理のひとつ。ガンギエイ(洪魚:ホンオ、こうぎょ、홍어)の刺身、あるいは切り身を壷などに入れて発酵を促進させたものである。朝鮮半島南部ではカオリフェとも呼ばれる。


エイの肉を壺等に入れて冷暗所に置き、10日ほど発酵させるとエイの持つ尿素などが加水分解されてアンモニアが発生し、ホンオフェが出来上がる。


韓国全羅南道の港町である木浦地域の郷土料理で、壷に入れたガンギエイの切り身を(堆肥状のものを用いて)漬け込み、4日ほど発酵させたものである。プサン、ソウルなどでも食べることはできるが、全羅南道以外で供されるものの多くはエイの切り身(フェ、刺身)であり、身に軟骨が付いていてコリコリとした食感を楽しみ、さっぱりとしたものが多い。全羅南道木浦の本場ものは凄まじいアンモニア臭がし、涙を流しながら食べることになる。口に入れた後にマッコリで流し込むのが通の楽しみかたとされる。

(中略)

口に入れた状態で深呼吸すると失神寸前になるといわれている。


特にアンモニア臭がスゴイのですね。いくら美味しいとも、失神したくないので、私はこの食品を食べたくはありません。臭いが類似するので、人糞の上に乗せて発酵させるそうです。


@第1位:シュールストレミングアラバスター単位8070Au)

堂々の一位です。


シュールストレミングスウェーデン語: surströmming [sʉ̌ːʂtrœmːɪŋ] スーシュトレンミング)は、主にスウェーデンで生産・消費される、塩漬けのニシンの缶詰。その強烈な臭いから、「世界一臭い食べ物」と評されることもある。

スウェーデン語で「スール (sur)」は「酸っぱい」を、「ストレンミング (strömming)」は「バルト海産のニシン」を意味する。フィンランド語のhapansilakkaも同じ意味で、hapankalaは「酸っぱい魚」を意味する。


中世ヨーロッパでは肉の替わりに、塩漬けの魚(タラ、ニシン)が盛んに流通していたが、保存には塩が必要だった。 北欧に位置するスウェーデンではニシンは豊富に獲れたが、製塩に必要な日射も薪も乏しく、塩は貴重品だった。 このため、樽で薄い塩水に漬ける保存方法が用いられたが、固形の塩と層状に詰め込む塩蔵保存に比べ、腐敗は防げても、発酵は止められなかった。 しかし、貴重な塩を節約して(通常では耐え難いほどの臭気を発する水準まで極度に発酵するが)ニシンを保存出来ることは、14世紀頃にはすでに広まり、17世紀には王軍の主要な糧食とされるに至った。


19世紀に缶詰が実用化されて以降、缶の中で発酵を継続させる形式のシュールストレーミングが出現してきた。缶詰は7月に製造され、9月に食べ頃となる。


通常、缶詰は保存食として製造されるため、内容物は滅菌される。しかしシュールストレミングは、日本の漬け物の様に発酵状態を保ったまま缶詰にされ、缶の中で発酵が進行する。 密封状態で発酵させるため、発生したガス(二酸化炭素など)圧によって丸く膨らむ。こうした状態の缶はスウェーデン各地のスーパーマーケットでよく見られる。


その強烈な臭いは、魚が腐った臭い、または生ゴミを直射日光の下で数日間放置したような臭いともいわれる。


2014年2月、ノルウェーにて25年間に渡り放置された缶詰が小屋から発見され、爆発物処理班と缶詰の専門家が出動して処理にあたった。中身は具材の原形を留めず液体状で臭気も酷く食用に堪えられなかった。

以上、「シュールストレミング」に関する記述の抄。


・・・なんとも危険な食品です。缶詰の蓋を開ける時、下手をすると汁が発散し、衣服が台無しになってしまうこともあるようですね。また、食べてから暫くは口臭・体臭がキツイでしょうね。



今日のひと言:発酵学者の小泉武夫さんは、このような世界の「臭いもの」に通暁し、好んで食されていますが、私の場合、「怖いもの」見たさで、シュールストレミングを食べてみたいです。キビヤックとかホンオフェは敬遠したいです。


小泉武夫 食のベストエッセイ集

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不味い! (新潮文庫)

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(注)「もやしもん」は、発酵に関するマンガで、最初の方にキビヤックの話題が登場します。



今日の料理


@鶏胸肉とキャベツのモヤシ炒めの素炒め




弟作。鶏肉料理は一通りやり尽くした感じで、今回はさほど考えずに料理をした模様。

 (2015.11.04)



@モヤシとクコの実の卵炒め




モヤシは価格が低く、豆製品であるので、栄養価も高い理想的な食材です。今回の料理はオリーブオイル、ナンプラーオイスターソースで味付けました。(ナンプラーは終わってしまったので、オイスターソースも使いました。)クコの実は、自宅でとれたもの。

 (2015.11.06)



@豚軟骨の二重調理




弟作。以前も試した豚軟骨を、圧力鍋、保温調理鍋の2つを使って、調理しました。以前より柔らかく食べやすくなりました。(水で満たして圧力鍋で10分、角煮のタレを入れた保温調理鍋で30分、火から降ろして3時間)

http://d.hatena.ne.jp/iirei/20150930#1443559835  参照。


 (2015.11.07)



アブラガレイのホイール焼き



煮崩れしやすいアブラガレイ、今回はホイル焼きにしてみました。やはり煮崩れしやすかったですが、煮るよりはよく形が残りました。調味料は、塩・タラゴン。)

 (2015.11.07)





今日の一句


首曲げた
白山羊と見るに
ガードレール


不図見た物体が白山羊と見えたのですが、それはガードレールでした。

 (2015.11.05)




今日の聞き間違い


「宇宙飛行士」を私は「家の引っ越し」と聞いてしまいました。
  
 (2015.11.08)