水俣病の再現
原発報道では「週刊現代」がこんどの福島第一原発事故(事件と呼ぶほうがふさわしいかも)に気を吐いていますね。5月21号で「福島の海を水俣にするな」という記事を挙げています。東電は政府のお墨付きで、福島第一原発・2号機から4700兆ベクレルという高度汚染水を少なくとも520トン、海に放流しちゃったのですね。それに加え、東電がこれまで意識的に放出した汚染水も1万トンを超えるとのこと(上掲書より)。
その事態について原子力安全・保安院の浅黒いにいちゃん(西山英彦氏)が、「汚染水は海水で薄まるから大丈夫」と言っていましたが、この人、水俣病の教訓をなにも知らない、知っていても隠している、感じです。これについても、例の班目春樹・原子力安全委員会委員長も「放射性物質は海で希釈、拡散される。人が魚を食べてもまず心配はない」(週刊現代5月21号P178)と、しれっとのたまわれています。・・・この馬鹿め。
たとえ一時的に薄まっても、「生体濃縮」という形で生物に取り込まれ、最後は濃縮されて人体に取り込まれるのです。大きな魚・・・マグロやカツオにもいつか近い将来取り込まれ、それを人間が食べるのです。それこそ、水俣病と同じ原理で進行する厄介な事態です。水俣病での「メチル水銀」が「放射性セシウム」とか「放射性ストロンチウム」に置き換わっただけのことです。
同心円上の危険区域設定の経緯も、自然界にはない円を使う具合で、四日市ぜんそくの症例も知らないようです。自然界における事象を数学的な視点で切り取ると、現実の汚染とはかけ離れた結果をもたらす・・・数学はモデル計算には役立ちますが、自然そのものを記述するには役不足なのです。(そして、今回の事故にも海水汚染にモデル計算がされているようですが、その解析をもって事実の汚染とするのは止めて欲しいものです。)現に飯館村、浪江町などは、モデル計算からはみ出した地区だったのです。
そして、ああ!公害を出す側、容認する側(企業、行政)は、数十年なにも変わっていなかった・反省していなかったのです。あるいは学習能力がない・・・それは、政権が自民党のように右寄りであろうと、民主党のように左寄りであろうと同じことです。「過ちて改めざる、これを過ちという」(孔子の言:論語衛霊公29)が重く響きます。私の師の宇井純さん(公害問題の泰斗)が泉下で嘆いていることでしょう。
今回の記事は
http://d.hatena.ne.jp/FTGFOP/20110516
に投稿した私の文章をちょっと敷衍して記述したものです。
黄門も
見ていたかやも
立ち葵(たちあおい)/
=ホーリーホック・・・
葵の御紋。
サッカーのクラブチーム「水戸ホーリーホック」は、水戸黄門にちなんで名づけられたようですね。その点だけでむりやり短歌にしてしまったアレな作品です。
(2011.05.30)
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