虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

中国酒と固体発酵:世界的に珍しい蒸留酒(汾酒は美味)

私は一時期、凄腕の鍼灸師と友だちになり、中国文化の素晴らしい事どもを教えてもらったのですが、その一つが中国酒です。黄酒:ホワンチュウ=醸造酒(紹興酒など)、白酒:パイチュウ=蒸留酒混成酒=リキュールに3分類されますが、このうち、本稿では白酒を取上げます。(注:「白い・酒」と言っても、この場合透明な酒です。)

Wikipediaから、「白酒(中国酒)」の項から抜粋して


芳香
白酒は「薫り高い」と表現されることが多い。たしかに芳香が強い酒であり、数十種類の香り成分を含んでいる。香りのもとは、酢酸エチル、カプロン酸エチル、乳酸エチルなどを主体とするエステルである。含有量は少ないが白酒独特の香りを発するエステルとして、酪酸エチル、酢酸イソアミル、吉草酸エチルなどがある。エステル以外に、香りと味の重要な要素として、エステルと分子構造の近いカルボン酸(有機酸)を含み、主なものは、酢酸、酪酸、カプロン酸、乳酸である。


製法


白酒の製法は、産地によって異なる。原料とする穀物に何を用いるかと、麹(こうじ)を何からどう造るかなどによる。典型的な製法は以下の通り。
1. まず麹を造る。大麦や小麦、エンドウなどを砕いたものに水を入れて混ぜ、レンガの形に整え暖かい部屋に放置して、クモノスカビや酵母、乳酸菌などを繁殖させ、“麯”(チュー、qū。簡体字では“曲”と書く。“麹”の異体字)と呼ばれる餅麹(もちこうじ)を造る。
2. 蒸した高粱(蜀黍)に麯を混ぜ、地面に掘った「発酵窖」と呼ばれる穴の中に入れて土をかぶせ、土の中で発酵させる(仕込む)。[麯のような餅麹は、日本酒の製造に用いるコウジカビが純粋培養された撒麹(ばらこうじ)と異なり、糖化だけでなくアルコール発酵を行う微生物も含んでいる。また、発酵窖には酵母などの有益な微生物が多数繁殖している(特に、長い年月を経た発酵窖(老窖)は珍重される)。したがって、このままの固体の状態のままでアルコールを含んだもろみとなる。
3. 数週間後に仕込んだ材料を掘り出し、蒸気を通しやすくする籾殻や落花生の殻を混ぜて蒸留する。これと同時に、材料の高粱も同じ甑で蒸される。
4. 蒸留し終えた原料に再び麯を混ぜ、仕込みを数回繰り返す。
5. 蒸留によって集められた液体は、瓶に入れられて長期間熟成される。


こうして造られた白酒はアルコール度数が50%以上あって強い事等が特徴的である。


なお、蒸留後の粕は豚の飼料となり、豚の糞尿は原料の穀物を育てる肥料となる。このような循環は、小泉武夫によって指摘されたことから『固体発酵における小泉の循環説』と呼ばれ、固体発酵という発酵法の根拠の説明として知られている。


私はこれら白酒のなかでも、汾酒(フェンチュウ)と五粮液(ウーリャンイェー、Wǔliángyè)がお好みでした。特に五粮液は、水と混ぜると白濁する変わった酒で、引用したwikiにあるように、エステルが含まれるということで、この現象が起きると聞いたことがあります。(他に、トルコの酒・ラクも水と混ぜると白濁します。その理屈が白酒と同じかどうかは、良く解りません。)


固体発酵は、wikiにあるように、中国酒特有の発酵技術で、滋味のある酒を醸すのに最適なものだと言えるでしょう。



今日のひと言:汾酒から造られるリキュール:竹葉青酒(チューエイチンチュウ)は汾酒の持つ爽やかさを失わない素晴らしい酒でした。これら中国酒を飲んでいたおかげで、私はフランスのリキュール:シャルトリューズにすんなり入って行けました。なお、私は酒をこよなく愛しますが、最近は特に体が欲しないため、さほど呑みません。



酒の話 (講談社現代新書)

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灰に謎あり―酒・食・灰の怪しい関係

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今日の一品



@雑煮



我が家では正月の2日分だけ雑煮を作ります。昆布汁と醤油少々の汁、入れるのは餅のほか竹輪(オセチ用としてバカ高いカマボコではなく)、エビ団子、青物(セリとかオカノリ:両方庭で栽培したもの)、薬味でネギ、ユズです。餅は一人3個。

 (2018.01.01)



@鶏モモ肉の塩麹漬け焼き



弟作。切り分けた鶏モモ肉に5時間塩麹をまぶし、オーブントースターで15分ほど焼きました。
味が濃厚でしたね。

 (2018.01.01)



@モヤシのソース炒め



モヤシ、キャベツ、キクラゲ、クコの実をゴマ油で炒め、卵一個を落としさらに炒め、最後に中濃ソースを入れて仕上げました。

 (2018.01.02)



聖護院蕪(ショウゴインカブ)入り味噌汁



聖護院蕪は、成長しきると大きくなりますが、例によって私の栽培スキルでは思うように肥大しません。今日は一株取ってきて、葉ごとに味噌汁の具にしました。大根より軟らかくクリーミーになります。

 (2018.01.03)



@白菜の煮物・パクチー風味



たくさんある白菜を大いに食べようと、煮物にしました。鍋で昆布、干しシイタケを戻し、ちょっと加熱してから醤油を注ぎ、小ぶりの白菜半分を煮ます。水がどんどん上がり、熱も通ったところで火から降ろし、「パクチー(きざみ)」(S&B)を加えて完成。特にシイタケの匂いを中和しました。なお、白菜は微量ミネラル:セレン(Se)を含み、糖尿病にも良い作用があるらしいです。(月刊誌『はつらつ元気』より)

 (2018.01.06)





今日の詩


@参道


1月2日、地元の大名刹大光院に行った。
流石に人出が多く、参拝まで
時間が掛かるため、そのまま引き返した。
境内の香具師(やし)スペースで
トルコのドネルカバブを売る店があるのには驚いた。


さて、参道沿いの土産店は百年一日
売り物は陳腐だ。
店の数も大分減っている。
この際、商売熱心な店に
建て替えるのが良かろう。



 (2018.01.02)




今日の一句


荒畑の
寒村のごと
畑かな



荒畑寒村」は、戦前・戦中の社会主義者足尾鉱毒事件のルポルタージュ谷中村滅亡史』で高名です。

 (2018.01.03)





@「ホッピー」を飲んだ。


太田市内で、兼ねてから興味のあった酒・「ホッピー」を飲む機会がありました。
度数は10度くらいということで、帰りはほろ酔い気分になりました。




ホッピーについてはwikiより「ホッピー (Hoppy) とは、コクカ飲料株式会社(現・ホッピービバレッジ株式会社)が1948年(昭和23年)に発売した、麦酒様清涼飲料水(炭酸飲料でビールテイスト飲料の一種)である。また、焼酎をこれで割った飲み物も、ホッピーと呼ぶ。」



↑写真は電車の車中で見た「神谷バー」のポスター。ここで取り上げた店とは無関係です。

 (2017.12.28)