虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

中国医学における葛根と牡蠣:なぜ代替品がないか?

中国医学における葛根と牡蠣:なぜ代替品がないか?


この両者とも、中国医学の薬種として不可欠なものですが、葛根(カッコン:クズの根)が含む薬用成分のデンプンは、デンプンを含むほかの植物、たとえば片栗粉の代用品のジャガイモデンプン、小麦粉などなど・・・多くの代替品があるのに、中国医学ではなんで葛粉なのでしょう?同じように牡蠣(ボレイ:カキの殻)から取れるカルシウム末、これもほかの種類の貝ではなく、なんでカキなのでしょう?


これらの疑問について、ネット上を漁り、案外示唆的なHPが2つあったので、一部引用してみます。まずは葛粉について。


まずは粒子のサイズです。
葛根より取り出された澱粉は、じゃがいもや米、小麦の澱粉と比較すると
粒子の大きさが非常に小さいのが特徴です。
粒子が小さいので、仕上がりが滑らかになるわけですが
なにより、消化吸収に良いのです。
体調不良時は、胃腸が弱るのでなるべく消化に良いものを、、、ってことです。
胃腸に負担をかけず、すばやく栄養補給ができるのです。

二つ目に特有の薬効成分を持つことです。

(中略)

風邪をひいたら「葛根湯」
書いて字のごとく、原材料は葛の根です。
本葛粉は少々苦みを持っているのですが、それはこの薬効に伴うものなのです。

http://nakasyun.com/kuzujyuku/?cat=9


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まずまず、妥当な説明だと思います。主としてデンプンのサイズ、含有成分についての記述が光ります。なぜ「苦味」という有効成分を持つかと言えば、葛は地下数メートルに根を張り、地中の微量成分を吸い上げるのではないか、と思います。だからほかのデンプンのような地表に近いとこでデンプンを生成する他の作物とは一線を画すのでしょう。
次にカキ。

カキの殻。ふつうはこれを粉砕して肥料にする。消石灰の原料である石灰岩と比較すると、主成分の炭酸カルシウムは四七%で約七%少ないが、石灰岩にはほとんどないチッソ、リン酸、カリ、マグネシウムが含まれ、マンガン、ホウ素、亜鉛などの微量要素も石灰岩に比べて非常に多く含んでいる。すなわち海のミネラル力をもった石灰質肥料であり、さらに二%程度ではあるが有機物も含まれている。

http://lib.ruralnet.or.jp/genno/yougo/gy247.html


身が「海のミルク」と呼ばれるほど、栄養豊富なら、貝殻も同じく栄養価が高いのでしょう。


それから、追加して、キノコ「霊芝:マンネンタケ」などもユニークな薬剤です。 wikiでは

霊芝は一般的にマンネンタケ科の万年茸(マンネンタケ)を指し、他に門出茸、仙草、吉祥茸、霊芝草、赤芝などの呼称で呼ばれている。古名には、三秀、芝がある。色の異なる紫芝、黒芝、青芝、白芝、黄芝もあるが、紫芝は近縁種のGanoderma japonicum (Fr.) Lloyd とされ、他の4色は2種のいずれかに属することが多い。成長し乾燥させたものを霊芝として用いるが、子実体は木質で直接の食用には適さず、適当な大きさに切り、熱水で煎じて抽出液を服用するほか、薬用酒とする。後漢時代(25-220)にまとめられた『神農本草経』に命を養う延命の霊薬として記載されて以来、中国ではさまざまな目的で薬用に用いられてきた。日本でも民間で同様に用いられてきたが、伝統的な漢方には霊芝を含む処方はない。子実体はさまざまな多糖類(β-グルカンなど)やテルペノイドを含む。他のきのこのβ-グルカン同様、抗腫瘍作用の報告は多いが、ほとんどは試験管や動物実験で、ヒトでの臨床報告は限られている。


・・・と、されます。キノコの後ろには、大きな木という有機体があり、これも、葛根における大地とか牡蠣における大海のような、大きな存在が控えているのです。それら、父母がミネラル・ビタミンを子供に与えるように、大自然は人間に恩恵を与えてくれるのですね。


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霊芝(Wiki


今日のひと言:薬の薬効の多くは、ミネラル含有量と密接な関係があると思います。それについては、昔の人たちが動植物・鉱物などをいろいろ試す、試行錯誤の上発見していったのだと思います。


また、2019年11月03日―2019年11月04日に、風邪気味になったので兼ねてから買っていた「ツムラ葛根湯エキス顆粒(医療用)」を試してみました。2.5gを1包、それを1日で3包飲むのが基本なようです。使われる生薬は7つ・・・カッコン、タイソウ、マオウ、カンゾウ、ケイヒ、シャクヤク、ショウキョウです。クズ自体はそうとう苦いようですが、カンゾウの甘さで中和し、ケイヒで良い香りを出す・・・結局飲みやすかったです。風邪も良くなったようで。


ただし、規定通り2日連続して1日3回服用したのですが、なにやら足に広くてピンク色の薬疹が出たようで・・・この薬は、私には合わなかったのかも知れません。



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今日の一品


@細竹の和え物


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これは、出来合いの品を開封して皿に入れただけです。ともかく、「ネマガリタケ」に代表される小振りのタケノコが入手できたので、記事に挙げたという具合。なかなか美味しいのです。

 (2019.12.14)



@里芋煮ディル風味


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里芋の調理自体は、通常のやり方を踏襲しましたが、仕上げにハーブのディルを入れました。2枝くらい。ディルはクールというか、ひんやりした風味がピクルスなどに向き、北欧で特に愛されているものです。見た目そっくりなフェンネルとか、コリアンダーとかの3種は、お互い近くで栽培すると交雑してしまいます。

 (2019.12.14)



人参しりしり


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弟作。波目に切れるピーラーで人参をソウメン状に切り、マヨネーズ、塩、胡椒で炒めます。これが案外美味しいのです。沖縄料理。

 (2019.12.18)



@モツ鍋


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兄弟合作。初めて作りました。豚白モツを、圧力鍋で10分処理し、一晩おいて翌日味噌(赤みそ、白みそ混合)をやや辛めに調整した鍋でモツを煮、ほぼ臭みを取りました。あとは通常の鍋に入れる具材を順次投入し、最後にニラ一束を切って加え、しんなりしたら完成。美味でした。

(2019.12.19)

 



今日の四句


ミニトマト
朽ちたる下に
セロリ伸び


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 (2019.12.14)



パンジー
風にそよぎて
考える


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パンジーはフランス語で「思索する」という意味から。

 (2019.12.16)



銀杏(イチョウ)の葉
片付け 根元
寒そうに


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清掃というものについて考えてしまいます。庭掃除を命じられた千利休、主が「葉がすこし残っているぞ」と詰りましたが、利休「このほうが美しいと思いまして」と返したそうです。

 (2019.12.18)



保育園
火が灯りける
日の出前

 (2019.12.19)