虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

「幸せ」と「生きがい」〜両者を使用する頻度の男女差?

 この2つの言葉は、おおむね同じ意味内容を持っていると思いますが、使う頻度には男女差があり、「幸せ」は主として女性が、「生きがい」は男性が使う傾向があると思います。


 これは以前、あるマンガで出てきたシチュエーションですが、女の子が本命の男の子の元を離れ、他の男の子の元に向かう際、「ごめんね、私幸せになるから」と独り言を言いました。そうすると、彼女のいう「幸せ」は相当利己的なもので、自分だけは「幸せ」になり、去られた男性のことは「知ったことじゃない」という開き直りがあるようです。そして、同じようなシチュエーションで、男性が「ごめん、俺幸せになるから」と言うことは殆んど考えられないでしょうね。


 一方、昔の時代劇・「右門捕り物帳」(主役:杉良太郎・NET系列:現テレビ朝日系列)のエンディング「燃える男」(歌うのはもちろん杉良太郎)で、「男の生きがい」というような一節があり、いかにも悪を正す主人公の義憤が感じられます。男性的な歌詞です。(なお、「右門捕り物帳」は日テレ系列でも放映されていて、NET(現在のテレビ朝日)と2通りあるのですが、NETの作品のほうが右門の不動明王のごとき「同心」の姿を描いていますが、「燃える男」は幻の曲で、カラオケでも、ユーチューブでも掲載されない曲です。(私自身は、時代劇フリークの、ペリー荻野さんによる選曲のCDを手に取る機会があったので、MDに収め、たまに聴いています。)


 それで、ここでこれら2つの言葉のより深い意味を探っていきます。


 まず、「幸せ」の「幸」という字は「学研・漢和大字典」(藤堂明保)によれば、「起源は象形文字で、手にはめる手かせを描いたもので、手かせの意。手かせをはめられる危険を、危うくのがれたこと。幸とは、もと刑や型と同系のことばで、報(仕返しの罰)や執(つかまえる)の字に含まれる。幸福の幸は、その範囲がやや広がったもの。」(414P)


 こう説明されると、にわかに「幸」という字は恐ろしさを裏に隠した文字であると思えます。ただ、これはあくまで古代中国の感性ですから、日本における「しあわせ」というヤマト言葉なら、おそらく「男女一対の夫婦がお互いの喜ぶことを「しあい」、「しわあう」それを名詞化すると「しあわせ」になるのでしょう。(これは私の憶測です。)


 一方、「生きがい」の「がい」ですが、こちらは広辞苑(4版)で引いてみると、「詮、甲斐を宛て、行動の結果としてのききめ。効果。また、してみるだけの値打ち。」(409P)


・・・とあります。これを期待できない男性は、女性から見ると「甲斐性なし」と言われるのでしょう。普通(というか、この言葉は現在あまり使われていないとも思いますが、)この「甲斐性なし」とラベルを貼られるのは、やはり男性が多いでしょうね。右門の場合、彼は優秀な「下手人ハンター」だったでしょうから、正に「生き・甲斐」を十全に体感して、一種の幸せな境地にいたのでしょう。



今日のひと言:最近は、男性も「幸せ」という言葉を抵抗なく使えるようですね。かの暴力的な言動・行為で有名な長渕剛でさえ「幸せになろうよ」と歌っているのですよね・・・


なお、ギャグ漫画の天才、中川いさみ氏の「クマのプー太郎」には、ほんの些細なことに「しあわせ」を見出すウサギ・・・「しあわせうさぎ」というキャラが登場します。電柱と壁の隙間に入り込むことが出来て「しあわせ」と言ってみたり・・・しあわせとは、日常の微々たることに宿っているかのようです。


参考過去ログ  http://d.hatena.ne.jp/iirei/20061105
            : 不条理マンガの雄・中川いさみを解体新書する



伝説日本チャンバラ狂 名作時代劇おもしろドキュメント

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チョンマゲ江戸むらさ記

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杉浦日向子の食・道・楽 (新潮文庫)

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今日の料理



マイタケの炊き込みご飯






マイタケ(舞茸)は、我が家でもっとも好むキノコ。秋でもあるし、炊き込みご飯に。米2.5人分に、半パックのマイタケをちぎり入れ、昆布つゆを適量に入れ、スタート。0.5人分はイヌの餌にします。ただマイタケそのものはイヌにはやりません。これまでこのご飯をやっていて、問題は起きませんでしたが、キノコ自体はやらないようにしています。

 (2014.09.25)



@身欠きニシンの煮ものタラゴン風味








身欠きニシンは、むかしの交通事情の悪かったころは、山間部に住むひとにとって、貴重な食品でした。川魚からは摂れないα―リノレン酸を含むからですが、いまはどこでも新鮮な海の魚を入手できますので、重要性は失せましたが、その滋味に捨てがたいところがあります。

 (2014.09.25)




@大根葉とマイタケの醤油炒めカツオ節まぶし







大根の葉は、とても栄養価の高いものです。


http://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/vegitable/daikon3.htm  に書いてありますが、葉は根の数倍の栄養価があるようです。


通常は大根葉、醤油、カツオ節でつくりますが、今回はあまっていたマイタケ、茗荷も入れてみました。
大根の葉をもらったけど、美味しい食べ方が解らない、と質問されたhatehei666に感謝。思い出させてもらいました。

(2014.09.26)




@タラコスパパゲティ・茗荷トッピング







市販のタラコ・ソースで作ったスパゲティのトッピングに刻んだ茗荷を乗せました。茗荷は千両役者、美味しいです。
 (2014.09.28)




今日の一句


保育園
徒競走する
にぎわいよ


近くの保育園が敷地を拡げ、ミニトラックをつくりました。そこで駆けっこに熱中する園児たちを見て。
 (2014.09.26)