*サイヤ人は好戦民族か?・・・孫悟空(ドラゴンボール)の場合
「ドラゴンボール:Dragon Ball」(鳥山明・作)と言えば、週刊少年ジャンプにおけるもっとも輝かしい時代を演出した作品で、我が家でも弟が全巻揃いで持っています。前に働いていた職場で、20歳そこそこの社員は、「ドラゴンボールZ」の再放送を見るのだと言って、そそくさと帰宅していったほどです。
右の絵は、コミックス第8巻において、悪の帝国・レッドリボン軍の本部に単身殴りこみ、レッド総帥が「こんなエレベーターの使い方も知らんようなガキにレッドリボン軍がやられてたまるか・・・・・・!!」と歯軋りする場面でありまして、オトナに対してコドモが取りうる反撃の有様を見るようで、当時1987年、もっとも私を満足させてくれたマンガでした。オトナが設定したいろいろなルール、道具の使用法などを無効にしてしまうパワー。
さて、「ドラゴンボール」には、おびただしく「敵」が登場しますが、主人公・孫悟空はどの敵とも、「手を抜かずに」修行しまた戦い、最後にはキング・オブ・ザ・ユニバースの座と言ったような境地に到達します。サイヤ人:カカロット/孫悟空は、産まれたときの将来期待できるパワーが不足している、との理由で、鎮圧が楽な「地球制覇」のために送りこまれたのです。ここまでは惑星ベジータの思惑通りでしたが、その期待に反して「尊敬される好青年」になったのです。
さて、孫悟空は「殺戮を好む極悪人」ではなく「戦わなければならないから」戦うというスタンスを取っているように、私には思えます。いろいろな強敵の中で、「殺意を持って」孫悟空が戦ったのは、序盤の桃白白(タオパイパイ)と、ピッコロ大魔王、中盤のフリーザ、セルでしょう。
強敵のうち、中盤のベジータと終盤の魔人ブウの場合、孫悟空はかれらの延命、生まれ変わりを願います。「これほど見事な敵にはもう会えないかも知れない」という意識が孫悟空の中にあったのでしょう。この辺、孫悟空が好戦的な「サイヤ人」であることの査証かも知れません。
ただ、何も無ければ孫悟空は凶暴さを表にしません。理想的な君子です。
私は、「サイヤ人=人類」と思っていいかも知れないと思慮します。どんな民族の誰であれ、君子の側面と殺人者の側面を持っているのだと。(もっとも、「サイヤ」は「ヤサイ」のアナグラムですね。平和的な感じもするのです。)
私が好む中国の「陰陽五行論」で言えば、「木火土金水:もっかどこんすい」の5つは、「物質」のことではなく、「働き/機能」を意味し、金は「攻撃する」という働きを意味するのです。「働き」の一つに「攻撃」という要素があることを発見した古代中国人はさすがだと思います。
今日のひと言:「ドラゴンボール」でがっかりさせられたのは、孫悟空の妻になった「チチ」の教育ママっぷり。もっと素敵な妻・母になることを期待していたのですが。
二言目には「悟空が働きもしないで、ふらふらしている」と言うのですから、悟空も居心地が悪かったことでしょうね。
過去ログで取り上げたマンガ、アニメ(抜粋)
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20070303
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20070711
ギャラクシー銀座
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20080117
いじめ――ひとりぼっちの戦い――
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20080317
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20080401
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20080421
静かなるドン
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20080605
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20080913
MW
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20080918
http://d.hatena.ne.jp/iirei/20080923
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