おかのり・・・超美味しい「岡の海苔」
秋の「おかのり」→
ハーブの一種に、「マロウ」というものがあります。このハーブはその花をお湯で滲出させると、青い色のティーになりますが、レモン汁を加えると、あーら、不思議。夕焼け色になります。
今日とり上げる「おかのり」は「マロウ」と同じアオイ科植物です。ただ、花自体は極めて地味で、この植物は、葉っぱを料理に使うのです。
しかし、この植物の種を販売していた「サカタのタネ」の場合、どうすれば美味しく食べられるか、という説明が欠けていて、普通に茹でただけでは美味しくなく、食品としては見切りをつけ、ほおっておいたら、庭のあちこちに自生するようになりました。冬でも枯れません。ただ、地面の際に生えている株のほうが、背の高くなった株より耐寒性があります。これは、植物の世界ではよく見られる現象です。代表的なのは、タンポポの草姿ですね。こういった草姿を「ロゼッタ」(ばらのような、の意味)と称します。
そうこうしているうちに、あるブログで「おかのり」の調味法として、「通常の野菜の4,5倍時間をかけて茹でると美味しい」とあったので、そうしてみたら、なんと!!
粘りが出てきて、刻むと、これは確かに「岡の海苔」だな、というように思いました。食べてみると、粘りの程度はモロヘイヤよりやや粘りが強く、風味自体あっさりとしていました。
そうなると、こんどは、周年栽培も可能な「おかのり」は、我が家のスーパースターになりました。
フランスでは、かのルイ14世が野菜としての「マロウ」の栽培を奨励したそうですが、アオイ科の植物には有用なものが多いです。綿花、オクラ、ハイビスカス(お茶用)ケナフ(紙すきの材料)、トロロアオイ(紙すきの粘剤に使う)など。あと観賞用の芙蓉(ふよう)など。
サッカーのクラブチーム「水戸ホーリーホック」の名は、ホーリーホック=立ちアオイから来ています。これって随分身近ですよね。水戸黄門のアオイのご紋ですね。「この紋所が目に入らぬか!!」
今日のひと言:最初のころは、「葉の両面を炙って」海苔そっくり、といった理解でしたが、さにあらず、長めに茹でることによって「生海苔」の風味が得られるということでした。
ほっぽらかしにしておいてよかったなあ、という印象です。
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原色日本薬用植物事典〈第1〉あおい科-きぶし科 (1966年)
- 作者: 伊沢凡人
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