虚虚実実――ウルトラバイバル

森下礼:環境問題研究家、詩人、エッセイスト。森羅万象、色々な事物を取り上げます。元元は災害に関するブログで、たとえば恋愛なども、広く言えば各人の存続問題であるという点から、災害の一種とも言える、と拡大解釈をする、と言った具合です。

「人口密度と交通事故の関係」から災害のお話へ


 ここに、頼もしい中学生N.N.さん(当時)の研究があります。「人口密度と交通事故」の相関関係を俎上にあげ(料理して)素晴らしい研究をまとめたのです。
http://www.iris.dti.ne.jp/~math/graph/student/traffic/index.htm

です。都道府県別に人口密度、交通事故のデータをとり、その2つの指標の相関関係を考察したのです。その結果は――「人口密度が高いほど、交通事故の発生件数も高くなる」ということでした。

 これって、スグレものの研究だと思いませんか?人口だけで考察するなら、北海道と大阪を同じように分類しちゃうかも知れません。人口密度で考察するのが最適ですね。



 さて、ここに昨年2007年3月1日号の「週刊新潮」があり、「特集・都民を泣かせた大迷惑・東京マラソン」という記事を読んでみると、2007年2月18日行われた「第一回東京マラソン」について、辛辣な書き方をしています。参加総人数3万人超の大マラソンでした。このレースによって一時的に「人口密度」が上がりました。この時起こった現象を列挙すると
1) トイレが足りずに、ガード下に沢山の男性が並んで一斉にオシッコしていた(樹液に群がるカブト虫のように)
2) それでも足りずに、コンビニのトイレに入る(正午から2時くらいまで)
3) 都側が用意した食料は初めに来た人が全部食べてしまった。まるでハイエナのごとく。
4) ひな祭りを控えてかき入れ時の人形店に打撃・・・交通封鎖で客が自動車でこられない
5) お菓子屋、受験生、宅配業者もおなじく大迷惑



喜んだのは、オリンピック招致に躍起な石原慎太郎東京都知事だけだったかもしれません。
 いつか、このブログで触れたように、狭い東京に3万人ものマラソンランナーを呼び寄せるのは、大変危険です。もし、給水の飲み物に毒物が混入されているとしたら、どうしますか?史上最大のテロになること請け合いです。また、警官をこのイヴェントに多数縛りつけることになるため、治安上も大問題です。



 私は拙著「災害の芽を摘む」で、関東大震災の際、広場に避難した、4万人のひとたちが、黒い炎の竜巻に呑み込まれ、大多数が焼け死んだというお話を取り上げたことがありますが、「人口密度」の高い状態は、危険を招くのです。




今日のひと言:それにしてもイカシタ研究ですね、この中学生。この人の爪の垢でも石原慎太郎東京都知事に飲ませたいものです。


[図説]人口で見る日本史

[図説]人口で見る日本史